ゲーテの警告日本を滅ぼす「Ｂ層」の正体｜適菜収｜51Blog｜日本をダメにしたのは官僚ではなく、Ｂ層

ゲーテの警告　日本を滅ぼす「Ｂ層」の正体｜適菜収｜日本をダメにしたのは官僚ではなく、Ｂ層

2022年12月14日

日本をダメにしたのはB層。「民意」を問うという政治が陥りやすい落とし穴とは？社会活動や文化、スポーツ全ての分野で起きているB層化現象とは如何なるものか？ゲーテ研究者が語る。

進むB層化

衣食住、文化、スポーツ、すべての分野において、わが国では急速にＢ層化が進んでいる。

誰もがうっすらと気づいていたけれど、表立っては言えなかったこと。それは、今の日本の最大の権力者がＢ層であるということです。Ｂ層が拡大することで、Ｂ層の理屈が横行するようになる。本来なら権力を握ってはいけない人々が、圧倒的な権力を手に入れて社会の前面に出てきたわけです。

私は、現在のわが国の状況を「Ｂ層」というキーワードで一度括っておく必要があると考えました。

これまでの社会階層の分析は、主に収入の多寡によるものでした。たとえば、年収一五〇〇万円以上が上流層、年収三〇〇万円以下は下流層というように。しかし、「Ｂ層」というキーワードを使った場合、たとえ年収一五〇〇万円以上でもＢ層に分類される可能性があります。

「Ｂ層」は人間の質を表します。近代大衆社会の中で発生し、自ら近代化の原動力となることにより、最終的に自分のクビをしめるのがＢ層です。Ｂ層の拡大により発生したＢ層社会は、必然的に腐り果て、国家はデマゴーグにより支配されるようになる。ちょうど、今の日本のように。

こうした近代大衆社会の末路を、二〇〇年も前に予言していた人物がいます。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ（一七四九～一八三二年）です。彼は、詩、戯曲、小説、哲学、自然科学、政治、法律、あらゆる分野で一流の業績を残しました。ヨーロッパ最大の教養人であり、賢者の中の賢者、巨匠の中の巨匠です。

B層を意識するのはやはり選挙の時。このB層が選挙で猛威を振るうとのちに悪政と呼ばれる政治に直結します。そんな例をいくつか紹介し検証。B層が与える政治への影響はかなりのインパクト。なにしろマスなのだから仕方のないことだが、これを変えていかないとどうにも好転しない。

公務員を減らして給料を下げろ

B層は「公務員の数を減らして給料を下げれば、世の中がよくなる」と本気で思ったのです。構造改革を断行すれば、民主党政権が樹立されれば、理想の社会がやってくると信じたのです。ゲーテが言うように「誰しも、自分に理解できることしか耳に入らない」からです。

いや、むしろ「理解したいことしか耳に入らない」のがＢ層です。

現在の世の中はＢ層に支配されています。

だから、Ｂ層とは距離を置くことが大切になる。

駄菓子は駄菓子と判断すること。

一流のものと三流のものを見抜くこと。

Ｂ層社会の産物に、物理的、精神的に距離をとること。

日々の生活に従うこと。「手のわざ」を信じること。

Ｂ層を生み出した「大きな噓」を封じ込めること。

そのためには、ゲーテが言うように、偉大な時代に学び、古典を読んで大人になることが必要です。

成長が鈍化し会社員の給料が伸び悩む中、公務員の待遇が良すぎるという大号令のもと改革が。それによりサービスは向上したようにも思えるが実際のところはどうなのだろう。相変わらずマイナンバーは普及しないしサービスの質も民間と比べるとスピード感に欠ける。より良いサービスのためにできることを考えればいいだけのことなのにその構造改革ができないのはなぜ？という不満がB層を刺激する。

B層が覇権を握った先にあるものは三流が蔓延る社会。目利きのできないB層に政治の決定を任せてはならない。ゲーテの警告が今になって効いてくる世の中。偉人の言うことに耳を傾けより良い社会を。

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