コロナで未曾有の事態を経験したのち、世界がどのように変化するのか?幅広い分野の思想家やオピニオンリーダーおよそ50名へのインタビューをもとに、数々の問題を解決する方法を描く。
スピード
テクノロジーの進歩と、それより程度は小さいがグローバル化も影響して「急ぐ文化」が生まれ たため、すべてのことが以前よりはるかに速く起こっている。私たちは、あらゆるものをいますぐ必要とし、いますぐ欲する「リアルタイム社会」で活動している。その結果、常に時間に追われていると感じ、生活のペースがどんどん速まっているという感覚につきまとわれる。スピードに執着した新しい「急ぐ文化」は、「ジャスト・イン・タイム」のサプライチェーン(現在はコロナ禍で 揺らいでいるが)から、金融の「高速」取引、スピードデート(日本でいう婚活パーティー)やファ ストフード、迅速な配送など、生活のあらゆる面に浸透しているようだ。万事がこの調子であるた め、これを「緊急性の独裁」と呼ぶ人々もいる。そのため、商品やアイデアの賞味期限、企業の最 高経営責任者(CEO)の任期やプロジェクトの寿命はしばしば予想を超えて急激に縮まっている。 それはまた、世界的な出来事が猛烈なスピードで展開しているような印象を与えるものだ。あまり の猛烈さに認識が追いつかず、何が起きているのか理解できないことがある。こうした混乱は、私 たち全員が常にさらされている「ノイズ」によって、ますます高まっている。40年前に24時間放送のニュースチャンネルが登場したときに似て、現在のソーシャルメディアやその他のデジタルメディアが提供する無数の情報、絶え間ないニュース報道は、アラートや通知を常に送りつけ、理解を深めるどころかむしろ難しくさせる。 提供される情報や分析が多すぎて、どうすればすべてをきちんと理解できるのかがよくわからないのだ。スピードは極端な形で表れるだけではなく、ややねじれた影響を及ぼすこともある。たとえば、「短気」や不合理な期待は、多くの社会集団の行動に 影響を与える。 金融市場の参加者は(速さが勝負の)モメンタム・トレーディングに夢中だし、有権者は選挙で自分が選んだ政治家に対してすぐに政策の結果や改善が表れることを求め、インター ネットで注文した商品の配達に何時間もかかることに腹を立てる消費者は、本やドレスや掃除機が 4時間ではなく1時間で届くことで、人生の意義まで変わってしまうと考えているかのようだ。
一昔前にはネットショッピングはまだ普及しておらず配達も2〜3日から一週間程度かかったものだが物流網の著しい発達により翌日配達が当たり前に。スピードに一回慣れてしまうと納期が一週間後だと遅いと感じ、すぐ手に入るのを当たり前かのように文句を言うように。最近では海外からの輸入品でも一週間かからず届くのでスピードに支配された僕らはさまざまなところでそれを享受できるありがたさを忘れがちだ。
レジリエンス
新型コロナウイルス感染症 (COVID−19)のパンデミックは、逆境に直面しても成長し、 困難な状況から立ち直る能力である回復力の重要性を増大させた。アフターコロナの時代に突入したいま、レジリエンスは流行語となり、 「もっていなければならない」 資質となっている。当然のこ とだ。誰もがレジリエンスを高めたいと望んでいるから、衝撃を最善の方法で克服し、困難に遭遇しても成功する方法を教える書籍 (2021年に出版された 「Resilience for Dummies (誰にでも わかるレジリエンス)」など)や教材が何百冊も出版されている。個人、社会、経済のレジリエンスはすべて絡み合っている。 なぜなら、レジリエンスは、すべての正しい習慣と同様に、私たち一 人ひとりの家庭から始まるからだ。 今回のパンデミックによって、レジリエンスを高めるためには自分自身の心身の健康が重要であること、そしてレジリエンスの問題に総合的に取り組む必要性があることを誰もが認識させられた。地球の環境を守ることが個人の身体の手入れと同じように重要なのと同様に、社会のレジリエンスも個人のレジリエンスと同じように大切だ。健全でない世界で個々の人間が健やかでいることはできないし、レジリエンスのない社会で個々人がレジリエンスを発揮することもできない(崩壊しつつある社会で誰か一人がレジリエンスを発揮しても、生き延びるための努力をするので精一 杯だろう)。個人と社会のレジリエンスのこうした機能的等価性は、 環境というレンズを通して容易に理解できる。個人の身体の手入れは、私たち自身のレジリエンスを高めるために重要だが、きれいな水、栄養価の高い食べ物、良質な空気を手に入れるといった、自分たちの自由にならないものに依存している部分がある。 同様に、社会的なレジリエンスを高めるためには、地球の環境を守ることが重要だ。これは、環境破壊の抑制、二酸化炭素排出量の削減、自然ベースのソリューションの大規模な導入など、さまざまな政策手段によって実現される。ステークホルダー・エコノミー、 グリーン投資循環型経済などの原理は、個人と社会のレジリエンスのギャップを橋渡しし、一方が他方を強化するものだ。
レジリエンス(うまく適応できる能力)は有事の際の必須能力となる。困難から立ち直る、もしくはその中で立ち回る能力というのはいつの時代も大事なのだが、コロナ禍など有事の際には際立ってその能力が重要に。コロナで客足が途絶える中、テイクアウト需要に目をつけて成功するような商魂がものを言う。このレジリエンスを発揮すればこのような状況下から早く脱することができる。小麦粉が高騰したのなら米粉でパンを焼くような切替が必要。家計に響く値上げが続く中、文句ばかりいうのではなく安く手に入るものを探してそれで代用するなどの知恵が必要。文句を言ったところで変わらない。戦争をやっている国があることを考えれば戦地よりマシなわけだから。
パンデミック後の回復フェーズで重要となってくるさまざまな意見を専門家らに聞く形で知識を吸収。私たち一人ひとりがこの困難に立ち向かうに当たって覚えておいた方が良いことが学べます。何事も自分ごととして問題意識を持つことでこれからの世界を良くするための一員となれるかが試されます。
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