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カフェと日本人|高井尚之|あなたにとってカフェの存在とはどんなもの?

あなたにとってカフェの存在とはどんなもの?日本初の喫茶店からStarbucksのようなチェーン店、サードウェーブコーヒーまでの変遷を辿り日本のカフェ文化を語ります。中には欲望に応えてできたコンカフェなどの特殊喫茶も(笑)

「バリスタ」「パティシエ」を看板にする店も

たとえば京都の老舗・小川珈琲(創業一九五二[昭和二七]年) は、現在、社内に多くのバリスタを抱える。「世界に挑戦し続ける」を掲げて国内外の大会に積極的に出場させており、これまで(二〇一四年八月時点) 四人(男性一人、女性三人) の優勝者を輩出し、実際に成果を出している。

二〇一三年の「ジャパン ラテアート チャンピオンシップ」では吉川寿子バリスタが優勝し、一〇位以内に吉川さんを含めて四人入った。同年、吉川さんは「ワールド ラテアート チャンピオンシップ二〇一三」でも優勝している。その前年の「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」では岡田章宏バリスタが三位、村山春奈バリスタが四位入賞を果たした。岡田さんは同大会での優勝経験もあり、村山さんは「ワールド ラテアート チャンピオンシップ二〇一〇」で優勝している。大澤直子バリスタは「ジャパン ラテアート チャンピオンシップ」では二〇一一年、一二年と優勝しており、一三年の大会で小川珈琲は三連覇を果たした。各バリスタは店内で働き、磨いた技をお客に披露する。

長野県の丸山珈琲(創業一九九一[平成三]年) も、小川珈琲に負けず劣らずのバリスタ大会の入賞者輩出店だ。コーヒーの産地・焙煎・抽出にこだわり、社長の丸山健太郎氏(一九六八[昭和四三]年生まれ) が中南米・アフリカ・東南アジアのコーヒー生産地に足を運び、現地で直接買い付けを行う過程から、コーヒーへの思いを実践している。

二〇一三年の「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」では決勝進出者六人のうち三人が同社。一位と二位を独占するなど、出場すれば必ず優勝争いにからむ実力を示す。井崎英典バリスタはその大会で二連覇して、日本代表として臨んだ二〇一四年「ワールド バリスタ チャンピオンシップ」では、同大会におけるアジア人初の王座に輝いた。

社長の丸山さんは「大会に出場する人は、自分の仕事が終わってから夜遅くまで、提供するドリンクの味のバランスやきめ細やかさといった審査内容に即して自主練習するなど意欲的。周囲の従業員も支援しようという気になっていきます。大会で活躍することでスキルだけでなくコミュニケーション能力も高まるので、店の運営においても好影響となっています」と語り、若手スタッフのやる気を後押しする。

近年になってバリスタとともに、菓子職人を示す「パティシエ」も広く認知された。「小学生女子がなりたい職業」の上位に定着するなど、すっかり花形職種となった。

身近なバリスタといえばStarbucksのブラックエプロンではなかろうか?店舗に配置されたコーヒー知識が一定要件を満たしたパートナーだ。日本ではサードウェーブコーヒーの原型となるコーヒー好きのオーナーが営む喫茶店も多いのでそんな店の店主も知識量が豊富だ。バリスタの大会でも数多くの日本人が活躍している。バリスタチャンピオンがいる店を訪れてみるのも面白いかも。

コーヒーの六割以上を自宅で飲む

実に六割以上が自宅で飲まれており、二割以上が職場や学校で飲まれている。  同じ調査ではこの三〇年の経緯も示す。同協会では「2002年より飲用杯数の質問形式が変わったことにより、連続性が薄い」というが、それでも長期の傾向はわかる。店で飲む杯数が減り、家庭や職場・学校で飲む機会が増えた。近年は職場・学校も減り気味だ。

つまりカフェ・喫茶店の最大のライバルは、家庭で飲む「うちカフェ」なのだ。コーヒー三杯のうち二杯弱は、どこかで買ったものを自宅で飲んでいる計算となる。

東京都中野区に店を構える焙煎メーカーの折原コーヒー(折原 伸 社長。商品名はオリハラコーヒー) 会長の折原 烈 男 氏(一九二八[昭和三]年生まれ) は次のように説明する。 「戦争中は輸入禁止だったコーヒー豆は、朝鮮戦争が勃発した昭和二五(一九五〇) 年に輸入が再開されました。輸入当初は、その九割以上が喫茶店で消費されていたと思います。世の中が落ち着きを取り戻し、都内でも喫茶店の数が増えていった高度成長期以前までは、まだ缶コーヒーもなく、ほとんどが個人経営の店で消費されていました。

当社の店頭でもコーヒー豆を販売していますが、一般の方が気軽に来店されて自宅用に買っていかれる。昔と今とでは、コーヒー豆の消費のされ方がまったく違うのです」

同社は規模こそ大きくないが、一九五六(昭和三一) 年から中野区新井の現在地に店を構えて数百の喫茶店にコーヒー豆を納入してきた。昭和二〇年代からコーヒー業界に身を置き、長く全日本コーヒー協会の役員や中野区商店街連合会会長も務めた折原さんは、戦後の喫茶業界の動向に最もくわしい一人だ。

「コーヒー豆の輸入数量」(図表 13) を同時に紹介すると、喫茶店の数が最も多かった一九八一年に比べて、二倍以上に増えている。コーヒーの輸入は倍増したが、店舗数は半減し、店で飲む杯数も三〇年前(調査データの八三年)に比べて五分の一に激減してしまった。

僕もコーヒー豆だけ買ってきて家で豆を挽きハンドドリップでコーヒーを飲むのが習慣になっており、8割ぐらいは自宅でのコーヒーだ。豆を選ぶのも楽しみの一つで、それを挽いてドリップする時間もなかなかかけがえのない時間だ。

日本人とカフェの関係性を時代の変遷とともに。こだわりの喫茶店からチェーン店、サードウェーブコーヒーまで日本のカフェ文化を振り返りながらコーヒーとの関係を振り返ります。

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