最後の巨大バブル、コロナショック後の世界とはどのようなものか?ロシアのウクライナ侵攻などで世界が揺れる中、未曾有の恐慌で資本主義の終焉を迎えるのか?異色の経済学者による未来予測。
コロナショックバブル
リーマンショックによるバブル崩壊の痛み、処理から逃げ続けるための、世界的な大規模金融緩和。金融緩和によって生じた世界金融バブルの崩壊に対して、さらなる金融緩和で、バブルの最終的な完全崩壊を先送りしたというのが、2009年以降の 10 年間に世界で起きていたことである。
しかし、これは実体経済の量的質的拡大を伴っていなかった。日本の高度成長、広く言えば、第二次大戦後オイルショックまでの世界の高成長、あるいは1990年以降の中国の成長。これらの経済成長にみられたような実体経済の量と質の両方を備えた拡大を伴っていなかった。金融バブルによる資産市場主導による経済の拡大であったから、資産市場が崩れれば、経済も必ず崩壊するはずのものであった。
崩壊必然の金融バブルが崩壊寸前のところから復活できたのはなぜか?
崩壊の先送りをすべてのプレーヤーが望み、そして、それを実行する資源が残っていたからである。
投資家たちはもちろんバブルの崩壊の痛みをすべて受け止めたくはない。政府が金融システムを救済することを通じて経済、社会を守るという枠組みに便乗して、資産市場の延命を図ることが唯一の生き残りシナリオだった。
政府は、目先の救済と次のバブルをつくってしまうリスクを高めるというトレードオフに直面したが、国民に選ばれている政治家たちが、目先の救済を優先しないわけにはいかない。バブル投資家のみをつぶして、バブルと無関係の国民だけを救済することができれば、それに越したことはないのだが、経済は一体化しておりそれは不可能だ。したがって、リーマンを一度つぶしたものの、その後、政府はすべての救済を行い、政府と中央銀行は力を合わせて、できることはすべて行い、目先の救済を図った。それには金融バブルをもう一度つくるしか、短期に確実に回復する方法はなかった。そして、バブル崩壊危機の後は常にそうなのである。
このパターンは、何も今に始まったことではなく、少なくとも18世紀にはすでに繰り返し起きている。
バブルとバブル崩壊は繰り返されるもので多分どちらもなくならないかと思います。一度痛い目を見た人も亡くなり、新たな世代がまたバブルを引き起こし、なんらかのトリガーでバブルが崩壊する。その繰り返し。歴史から学ばないのが大衆心理。
アフターコロナは存在しない
2020年は、新型コロナウイルスショックが世の中を席巻し、令和元年の次はコロナ元年だったと言ったのは私の妻だが、このショックで市場、経済、社会はいったいどうなってしまうのか。コロナウイルスの流行が収まった後、どのような変化が我々に起こるのであろうか?
世界の知性と言われる様々な人々が、ビフォーコロナ、アフターコロナ、BC、ACという言葉を使って、いろんなことを言っている。世界は自由主義を維持できるか、管理社会に成り下がるか、この瀬戸際に立たされている、というのがひとつの典型的な反応だ。
中国、韓国など多くのアジア諸国は、政府が強権を発動して、人々の行動に制限を課したのみならず、スマートフォンのアプリケーションなどを駆使して、プライバシーをほとんど無視してと言っていいくらい個人の行動を把握し、それを新型コロナ感染防止のデータとして最大限活用し、そして感染拡大防止に成功した。
一方、欧米社会はプライバシーに配慮し、プライバシーはアジア諸国よりも守られたかもしれないが、 40 万人以上の命が失われた。したがって、人々と社会は、アフターコロナにおいては、プライバシーの守られた自由社会か、政府の管理を容認した管理社会のどちらを選ぶか大きな選択を迫られるというのだ。
くだらない。
世界の知性と呼ばれる人々は、自分の議論したいことに現実の現象を引き寄せているだけであり、自分の商売のネタにしているだけだ。彼らは自分の見たい現象だけを見ているにすぎない。
現実はどうなるか。コロナショックで世の中は何も変わらない。
コロナとは、自由主義、管理社会の問題ではない。感染症の問題、それに尽きる。それだけだ。ビフォーコロナ、アフターコロナなど意味はない。コロナでは何も変わらない。
さまざまな病気と闘ってきた歴史から何も学ばないというか風化してしまいがちな危機意識。アフターコロナだとか言うけど危機意識の低い大衆にはあまり響かない。緊急事態宣言やまん延防止の措置が解除されたら気が緩みリバウンドの繰り返し。ビフォーコロナ、アフターコロナ、BC、ACという言葉を使う人がいるがこれも滑稽だ。うまいこと言ったとでも思っているのだろうか?
近代資本主義はくりかえさえるバブル崩壊を耐え抜くことができるか?コロナショックなども加わり見直すべきと考える人がちらほら出てくる危機。本当に大衆の味方となるのはどのような政策か。資本主義の是非を考える書籍。
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