アフターコロナのニュービジネス大全｜原田曜平, 小祝誉士夫｜51Blog

アフターコロナのニュービジネス大全｜原田曜平, 小祝誉士夫｜新しい生活様式×世界15カ国の先進事例

2022年12月24日

調査対象15カ国、およそ200事例から厳選されたビジネスアイデア収録。ニューノーマルのヒントは「海外」×「若者」。新時代を勝ち抜くアイデアとは？

ライブ配信で販売

ライブ配信しながらの販売が好調中国では、ライブコマースがショッピングモールやデパートにも広がっている。北京のパークビュー・グリーン・モールでは、顧客をより楽しませたいと考えているブランドのために、オンラインでのライブストリーミングサービスを実施した。同様に、北京の西単にあるジョイシティ・ショッピングセンターでは、新型コロナウイルスの流行期間中に20以上のブランドのライブストリームプロモーションを実施。ライブストリーミング中の3時間だけで通常の1週間分の利益を稼ぎ、接客した顧客数は、7ヶ月間分の来場客数にほぼ等しいという。

また、上海市内の老舗デパートの「ヤオハン」が3月8日、国際女性デーに自社のプラットフォーム「八百伴智慧購」を活用したライブコマースを実施。3月8日は毎年女性が半休となる日で、商業施設やレストラン、テーマパークはその日の午後限定のセールや割引キャンペーンを行う。だが、コロナの影響で外出しない人が増えたため、ライブコマースに切り替えた。

5時間のライブ配信中にレポーターが10店を回り、店のスタッフが割引価格で購入できるイチオシの商品を紹介。視聴者はデパート内を歩く感覚で、配信を見ながら気に入ったものがあればカートに入れて購入する。当日はヤオハン以外にも上海市内の万達広場、百聯、晶耀などのデパートやモールがライブ配信の販売を実施。どのデパートも中高年が主要顧客であることから、ライブ配信を見ながらの買い物は若年だけでなく幅広い世代に浸透していると見られる。

【分析】ネットとリアルの中間的な体験を提供

単なるネットショップでの購入ではショッピング体験としては物足りないが、ライブコマースであれば、店舗での回遊を疑似体験でき、自宅にいながらにして購入できる利便性も享受できる。コロナ禍で直に訪問できないことに加え、こうしたネットとリアルの中間的な買い物方法が、便利なうえ、新しい体験として楽しいと受け止められ、想定以上に利用が拡大した。

ライブ配信での販売は物を見せながら解説を聞けたりするので有効そうだが、ライブ配信って色々加工とか入っていたりする物なので実際届いたら全く別物みたいなことになりそうな気がして手が出せない。オンラインショップの進化系の一つの形という認識が正しいだろう。公式のブランドサイトやその他テレビショッピングとはまた一味違う選択肢の一つだと。

サブスク野菜

地産地消プラットフォームが盛況

米国では、地元の農家を支援して、野菜を買い取るシステム「CSA（Community Supported Agriculture、地域密着型農業）」が再注目された。定期的に配達される箱入りの買取野菜（CSAボックス）を1年間分まとめて先払いするサブスクモデルで、天候や収穫量によって収入が左右されがちな農家を支える。コロナ禍では、CSAボックスを店頭で直接販売するカフェやレストランも増え、飲食店のサポートも兼ねて購入する人も多くなった。会員にならなくても、30～60ドルでひと箱の注文も可能で、採れたての新鮮な野菜や珍しい野菜をお試し購入できると評判。今後は年間会員になる人も増えそうだ。

フランスでは、コロナ禍で屋外マルシェ（直売の市場）の休止が発表された後、国内の農業関係者を守るため、ルメール経済・財務大臣（当時）より国産農産物の消費が呼びかけられた。そうした中、地方自治体や農業組合が中心となって運営する、地産地消プラットフォームが盛況。ウェブ上で生産者と消費者をマッチングし、直接取引を促すシステムだ。

野菜のサブスクは料理上手で冷蔵庫にある野菜を痛ませず使い切るだけのスキルがあるのなら良いサービスになるだろう。コロナ禍で外出を控える生活を強いられたことにより普及したビジネスモデルだが刺さる人には刺さるサービスだ。

アフターコロナの新ビジネス。ビジネスチャンスを見つけるためのヒントが詰まった書籍だが、うまくいくかはまた別問題。こういうビジネスもあるよといった程度に受け止めた方が怪我をしなくて済むかも。

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