AIがいよいよ実用に耐えうるところまで進化して使いこなすスキルにより、新たな創造性を手に入れられる時代。そんな時代だからこそ輝く、自分で考える力、それを身につけることが大事。「アトミック・シンキング」は、普遍的で汎用的な「自分で考える力」を養う方法です。
アトミック・シンキングは「書いて考える」思考の整理法
アトミック・シンキングは「書いて考える」ことをベースにした思考の整理方法です。
書くことは、話すことに比べて伝えたいことを伝えるのに時間がかかるし、なにか他のことをしながら書くこともなかなかできません。話すことならば、歩きながらでも、一緒にご飯を食べながらでもできますが、書くことは難しいでしょう。
書くことはこのように大変なことですが、一度書くことができてしまえばあとはとても便利です。書かれたものは、その場に書いた人がいなくても読むことができます。さらに、大抵の人は聞くよりも読む方が早いので、同じことをより素早く伝えることができます。さらに、スピードが相手任せの聞くこととは違い、読むスピードは読む側が選ぶことができます。わからないところはゆっくり読み、知っているところは読み飛ばす。こんなところも、話すことと書くことの違いの一つです。
そして、話したことは話したそばからどんどん消えてなくなってしまいますが、書いた文字は消えずにその場に残り続けます。 2 これが書くことのもっとも大きな特徴です。書いたものは、話したものと違って「残る」のです。この、書いたものが残るというのが書くことが重要である最大の理由です。
なぜ書いたものが残ることが重要なのか。それは人間の脳の仕組みと関連しています。人間は、一時的にものごとを覚えておくのがとても苦手で、同時に覚えておける情報は最大で七個程度と言われています(マジカルナンバーセブン 3)
人が話した内容を、一字一句間違えずに完璧に覚えていられる人はまず存在しません。それは、人間が同時に覚えておける情報が七個しかないからです。それ以上に複雑な話になると、脳が勝手に聞いた話を「要約」してしまうのです。
そしてこれは「話を聞く」場合だけでなく「考える」ときも同じことが言えます。自分が頭の中で考えたことをすべて頭の中だけで覚えておこうとしても、脳はこれまでの話をどんどん忘れていってしまいます。もし覚えていられたとしたら、それはすでに考えたことが要約されている、ということでしょう。
そうならないための方法が「書く」ことです。短期記憶では覚えておけないようなたくさんのことは、書いて覚えておくしかないのです。書くことは、七個までという制限がある「短期記憶」を視覚化して「見ながら考える」ことができるようにする方法です。書くことによって、覚えておけることは七個以上になり、七個以上のものごとを組み合わせて「考える」ことができるようになるのです。
話すことよりメリットがたくさんある「書く」こと。相手に伝えるための語彙力は必要ですが、記録に残る消えて無くならないものとして重宝するのが書くことの優位性。もちろん話すことでしか伝わらないその場の雰囲気、ライブ感というのもありますが。書くことで短期記憶を可視化し永遠のものとする考え方をもっといろんな人に知ってほしい。
すべての知識はリンクでつながる
トピックノートの数が増えてくると、今度はトピックノートをまとめるトピックノートが欲しくなってきます。たとえば、英語のトピックノートや歴史のトピックノートは「勉強」というトピックノートにまとめられるだろうし、料理のトピックノートは「生活」にまとめてもいいかもしれません。
トピックノートをまとめて、ノート全体を整理することも確かに頭の中の整理に役立ちますが、ここでも 焦ってトップダウンでノートを整理するのはおすすめしません。今あるトピックノートが 10 個や 20 個程度ならば、トピックノートを集めたトピックノートは、すべてを束ねる「ホームノート」が一つあれば十分です。ホームノートの整理方法も他のトピックノートの整理方法と同じです。トピックノートへのリンクを並べて、似たようなノート同士を近くに持ってくる。そして、可能ならばそれに見出しを付ける。
あとは、ノートが増えて使い勝手が悪くなってきてから分割することを考えます。最初にトピックノートをカテゴリ分けをして階層を深くすることは「気分はいい」ですが「使い勝手は悪い」ことが多いので、あまりおすすめできません。
こうやって作ったトピックノートも、分類の仕方で悩む必要はありません。二つの見出しのどっちにトピックノートを分類したらいいのか悩んだら、両方のノートからリンクしてしまいます。こうすれば、あとで自分がリンクをたどってノートを探すときも「どちらのルートからでもたどり着ける」ようになります。
デジタルで記録することのメリットは何階層にでもリンクを貼れること。データとデータを紐付け思い通りにリンクを貼ることができる。検索ワードによって今欲しい情報にアクセスしやすいのもデジタルの良いところ。過去に自分が蓄積したデータを参照するのに優れています。知識がリンクで繋がりより取り出しやすくなるかと。
書いて整理、理解することの重要性を説いた書籍。今はメモアプリと言っても高機能なものも多く迷ってしまいますが、自分に合ったものを選び、そこをデータバンクにすることで知識の倉庫とすることができます。アトミック・シンキング、書いて考える思考の整理方法であなたの知識を複製してみては?
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