相手を見つめ惹きつける説明。図解を生かしながらの説明。プレゼンから自己トレーニング方法までテレビの現場で培ったやさしく伝えるためのノウハウを惜しみなく後悔。
誰に向かって伝えるのか
このところ、「わかりやすく伝える」ことがブームです。若者の新聞離れが中高年にも広がりつつあることに危機感を抱いた新聞各社は、紙面を親しみやすく、わかりやすくしようと工夫を始めました。そこには、一九九四年から始まったNHK「週刊こどもニュース」の活字版を考えている気配が濃厚です。ところがその内実は、まだ意気込みが空回りしている気配があります。
たとえば二〇〇九年三月、ある一般紙が、経済面に解説コーナーを新設しました。「投資やマネー、経済にかかわる用語や出来事などをわかりやすく解説します」と書いてあります。初心者向けの解説欄のようです。
初回のテーマは、「株って何?」でした。 質問(Q) と答え(A) の形式で解説が行われます。最初に質問者が、「株価下落ってよく新聞やテレビで騒いでいるね。大変そうだけど、そもそも株って何なの?」と問いかけます。実に素朴な質問ですね。こんな聞き方からすると、質問者として子どもを想定しているのではないかと思われます。それなら、子どもにもわかる答えが必要になります。先を読んでみましょう。
「難しい問題だな。まずは『株式会社』について説明する必要があるね」 「株式会社は投資家から集めた資本金をもとに事業を展開している。出資者は株主となり、出した金額に応じた株式を受け取る」 「業績が堅調なら、利益の一部が配当として株主にも分配される」 これが答えになっているでしょうか。
そもそもこの説明が理解できる人は、「株って何?」という質問はしないでしょう。誰に向けての解説なのか、この答えでは中途半端なのです。 「株って何?」という質問なら、まずは、株そのものの説明が必要になります。いきなり株式会社の説明から始めてはいけないのです。
なかなかわかりやすい説明というのは難しい。専門用語などは使ってはならないし、特に最新のテクノロジーやなんかの説明は難しい。株の説明だって「美人投票みたいなもの」とかなら説明できるがそもそもシステムなどまで説明となると難しい。なぜ株価が上下するのかみたいな質問にはなかなか説明し難いものがある。経済について勉強している人でもなぜ株価が上下しているのかの質問については説明できなかったりするのだから。
「三の魔術」を活用しよう
前章までは、これまでの私の経験を中心に話をしてきました。ここからは、日頃自分が気をつけている「わかりやすさの技術」を、いくつかの観点から紹介しましょう。 まず、この章では、すぐに応用していただけるようなコツを述べましょう。
「三の魔術」という言葉があります。 第5章でも触れたように、「わかりやすい説明をするときにはポイントは三つに絞りなさい」という意味です。
人は、たいてい三つまでなら耳を傾けて聞きます。それが、四つになると注意が拡散します。話し手も内容を把握しづらくなってしまいます。
人間がメモなしで話せるのは、たいていは三つのことまでです。聞き手のほうも、頭の中でとりあえず整理して覚えられるのは三つまで。不思議なもので「三つあります」と言われると安心するのです。
三つのポイントに絞って説明することで相手の集中力を切らさないようにする三の魔術。聞き手の頭の中まで想定し、三つまでなら解説に耳を傾けられるという安心をさせる。
分かりやすく伝えるのには、ポイントがある。それを知っているかそうでないかで飛躍的に分かりやすさは変わってくる。そんな分かりやすい説明をできるようにする書籍。
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