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それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習|阿部 広太郎

いつの時代も変化や時代の潮流に翻弄されながら生きるしかない。先の見えない時代を生きる方法論を紹介。勝手な決めつけから解放される視点の変え方を具体的な事例とともに紹介。

今こそ積極的な受け身を

僕たちの中にある「コンプレックス」もまた、不安や心配事と同様に、心の中に巣食うものだと思う。けれども解釈を通じて、その「巣」を自分だけの特別な「模様」として捉えることもできる。

俳優の方のインタビューを読んでいて、こんなエピソードを知った。

体に 痣 があることを気にしていたけれど、母親に「あなたの偽者が来た時に、どっちが本物かわかるわね」と、自分の証しとして見てくれていることがわかって、気にならなくなったという話だった。

さらにはこんな話を教えてくれた人がいた。

両目の大きさが違うのがコンプレックスで、メイクのたびに「プチ整形をしたいな」と考えていたそうだ。

けれど、左右の目の大きさが違うことを指す「 雌雄 眼」という言葉があり、その特徴を持つタレントやモデルの方も多くいて、魅力的であると言われていることを知って心が楽になった、と。

僕たちは世界で一人の存在だけど、不安や心配事、それにコンプレックスと向き合っている人は、自分一人だけではないと知ることができるのはとても心強いことだ。

落とし物をしてつらい時に、「自分の身代わりになって災難を防いでくれた」という考え方を知って、ほんの少しだけ痛みがやわらいだこともあった。

一人で抱えるのではなく、まずは調べてみること。先人たちが向き合い、解釈の仕方を発見しているかもしれない。

一方で、不安や心配事につけこんだ商売があることも間違いない。

だから、複数の情報を当たり、信頼できる人を見つけて安心を手に入れたい。

あなたには今、どんな不安や心配事がありますか? 「だからこそ」で現状を前向きに言い換える。 「きっと」で未来を想像して前向きに言い換える。

この2つを意識して、不安と心配事を解釈していこう。

不安や心配事は僕のような気質の人間には一生ついてまわる小判鮫のようなもの。不安の9割は実際には起こらないというのを何かの本で読んだ気がするが本当にその通りだと思う。先行き不安なとき人間は最悪な事態を想定するが、ほとんど取り越し苦労。実際世の中そう悪くないもんだ。

解釈する先に人は進める

コピーライターとして、企業のブランディングに携わることがある。

個人の集合体である企業の向かう先を考える。

その解釈するプロセスは、個人の未来にも活かせるので紹介したい。

ブランディングというと、たとえば、新しいロゴに切り替えて、新しいデザインにして、新しいスローガンをつくりましょう、というような仕事をイメージする人も多いのではないだろうか。

そういった外側を着飾る仕事ももちろんあるとは思うけれど、僕が担当してきたのは、もっと企業の内面、つまり人の思いに迫っていく仕事だった。

時代の急速な変化に伴い、「今一度、経営を見直そう」、「急成長している今、チームをまとめる言葉が必要だ」、そんな相談が確実に増えている。

もう一度スタートを切ろうという企業に向き合い、経営者の思いを言葉にしていくのが僕の役割だった。

会社の「未来創造グループ」という部署に所属していた時、考える指針にしている秘伝のキーワードがあった。 「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」

これはフランスの画家、ゴーギャンが残した作品のタイトルだ。 「自分の道を見つけよ」というメッセージのようでもある。

この言葉と次の図に沿って解釈していくことで、過去・現在・未来を整理し、一つのつながりを持たせ、何のために働いていくのかを明確にしていくことができる。

目指す先である「目的」と、そこに行くための「手段」を明確にする。

今ここにある「現状」から、この先にある「目的」へ。

手段のところに「その仕事の先に何があるか?」と記した。

今、あなたが目の前の仕事に取り組むのはなぜか?

どんな未来をつくりたいか?

実際の事例を紹介する中でイメージしてもらえたらと思う。

あなたが今取り組んでいることの先に何があるのかイメージできているかどうかで、未来は変わる。なんとなく惰性で続けていることに意味を持たせることから始めてみてはいかがだろうか?

誰かの導いた解ではなく、自分自身の答えを探すこと。そこに意味を持たせて、自身の羅針盤にする。イマココの「現状」をその先の「目的」へ!!

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