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おんなの県民性|矢野 新一|女性の性格から生き方・仕事まで出身都道府県別に徹底解剖

都道府県別に女性の性格、人生観、仕事に至るまで徹底比較解剖。これまで県民性というと男性を主体としたものであったため、女性にスポットを当てた書籍は珍しい。

好みと性格の県民性

ひとくちに 東京といっても、 島嶼 部を含めると、その範囲は意外に広いが、気が強いのはなんといっても東京二三区の女性である。

二三区の男性は、基本的に頭でっかちで行動力に欠けるきらいがあり、それを見て育った女性は、自ら男性に代わってリーダーシップをとる。二三区でも山手と下町では気質が異なるが、気の強さはほぼ同じぐらい。なおかつ、プライドが高く、わがままなところがあって、ひと言多いのが特徴だ。

現在、衆議院議員の田中眞紀子は気の強さと話術のうまさで定評がある。彼女のことを新潟出身と思っている人は多いだろうが、れっきとした東京生まれの東京育ち。彼女の気性は、父角栄ゆずりのところも大きいだろうが、二三区の女性の特質が色濃く出ているともいえる。

東京出身の女性有名人を挙げていこうにも、数があまりに多すぎて、ヘタをすると数ページにまたがってしまいかねない。本書では、折に触れ、各道府県出身の女性有名人を挙げていくので、そこに含まれていない女性有名人こそ、東京都出身の女性有名人である(かもしれない)とお考えいただきたい。

古来、博多は、中国や東南アジアと日本とを結ぶ港として栄えたため、開放的、享楽的な気質が形成されてきた。福岡の女性が大都会・東京、大阪に負けず劣らず気が強いのは、酒と祭りにうつつをぬかす男性に代わって、家庭を守ってきたことが大きく影響している。

以前、あるテレビ番組のディレクターが「福岡の女性はどんな性格ですか?」と私に質問してきて、「一番の特徴は気が強いこと」と答えたら、「やっぱり、そうですか。番組のレギュラーの中尾ミエさんが、とても気が強くて……」という話になったことがある。思えば、黒木瞳、小柳ルミ子、松田聖子、谷(田村)亮子、浜崎あゆみと、福岡出身の女性有名人はそろいもそろって気が強そうだ。

県民性と言っても全ての人に当てはまるわけではないが、育った環境などが一緒の場合、一様に同じような性格になりやすいという傾向が見られるようだ。中には反論もあるだろうがデータを取るとそうなるのだから一定の共通理解としても良いのかも。僕は出身地や血液型で性格を決めつける行為が苦手なので、そうでない人もいることを大前提に楽しむ程度に思っておいた方が良いと思う。

ブランド好きは?

日本の女性は海外の一流ブランドが大好きだ。シャネル、ブルガリ、ルイ・ヴィトン、プラダ、エルメス、グッチなど、有名ブランドを挙げたらキリがないが、これら一流ブランドの全世界の売上の五割から六割は最終的に日本人が購入しているといわれている。

ブランド好きは、なんといっても 大阪と名古屋(愛知というよりも、しっくりくるので以下、名古屋で通す)の女性だ。大阪の女性のブランド好きはあまりにも有名だが、よく調べてみると大阪らしい特徴がある。同じシャネルの商品でも「C」の文字が大きいものが売れるなど、いかにも「ブランドもの」といった商品に強く反応するのだ。

名古屋といえば、最近では一流のブランドものを身にまとったオシャレな「名古屋嬢」が注目されている。名古屋は「偉大なる田舎」と言われるが、ブランド志向は、もともと潜在的には大都市より田舎のほうが強い。たとえば、地方の人と話をしていると、「JALでハワイに行ってきた」「うちのソニーのテレビは……」などと、どこのブランドであるかを強調する人が多いが、大都市の人はふつう「ハワイに行ってきた」「うちのテレビは……」としか言わない。こうしてみると、昨今、ブランドショップの地方出店が目立つのも当然の現象であるといえる。

くわえて、名古屋の人は周囲の目を気にするという気質がある。そのあらわれが、派手な冠婚葬祭である。もともと預貯金が多く購買力もあるところだけに、その気質と 相 俟 って、ブランドものが売れるのも当然なのである。

僕もブランド好きなので人のことをとやかくいうことはできないかもしれない。ブランド物を身につける際一目でそれとわかるもの(ロゴが入っていたり)はなるべく避けるようにしている。デザイン的に優れていて欲しいのだけれどもロゴが目立つのでちょっとという場合はロゴ以外の部分がシンプルであることが僕の購入条件。

県民性を語るとき僕の住む神奈川県は如何せん主張が弱く横浜のイメージを持たれがち。多摩川を挟んでお隣の二子玉川になると一気に住んでいる人の生活レベルが変わるので微妙なところに住んでいる。身近な人を思い浮かべながら楽しむエンタメだと思って読むと面白いが全ての人がそうじゃないという前提で。

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