実際にうつを患った著者が贈るうつに良いこと悪いこと大全。「うつマッピング」で、「効果高い・お手軽」な対処法から「効果低い・難しい」対処法まで、著者の体験や根拠を交えながら具体的に解説してくれます。
気持ちが引きずり込まれないように注意
ネガティブなものを見ると気持ちが落ち込む のは、きっとだれもがわかっていることだと思います。
芥川賞作家の金原ひとみさんも、ご自身のうつ病経験を振り返って、次のように語っています。
「『蛇にピアス』で書いたのも、結果的にはそういうことでした。生きていくためにピアスやタトゥーをいれたのに、逆に落ちていく。死ぬ気力もなくなって、落ち込んでいく惹かれるものにのめり込んでいった結果、生きる実感が取り戻せなくなったという話でもあります」
うつ病経験者なら、非常に共感できるコメントではないでしょうか?
私も現実がつらいと思いながらも、なぜか暗い体験談に惹かれていってしまう時期がありました。
おそらく、自分と同じ環境の人を見ることで安心してしまうんでしょう。しかし、金原ひとみさんがおっしゃるように、それを続けていると生きていく実感が取り戻せなくなっていきます。 不幸な環境に心がすっかり慣れてしまって、むしろ幸せな環境を遠ざけようとする んですね。
ネガティブなものに触れると、心がどんどん暗くなっていく……これは体験的にわかっていることですが、私たちが強く思い込んでしまって副作用を強く起こしているパターンも考えられます。
医学の世界では、プラセボ効果の反対の「ノセボ効果」 というものが存在するんです。
思い込みで薬の効果が生まれるプラセボ効果はほとんどの人に馴染みがあると思うが、タイトルにあるノセボ効果は馴染みが薄いかもしれない。これはプラセボの逆で、何も入っていない偽薬でも投薬を受けたと思うだけで、副作用が出ることを指す。従って、新しい薬剤やワクチンの治験では、プラセボ効果と共に、ノセボ効果が同時に調べられている。
僕はサプリメントの類が嫌いで飲まないのだが市場に出回っているものの中には粗悪なものも多いような気がする。CMなどで効果について「個人の感想です」的なことを書いてある商品はまず信じない。信じてないから効かないのか、粗悪品なのかわからないので無理にサプリにお金をかけなくてもよいという結論に。
読書はコミュニケーションの一環である
私は乱読派で、ジャンルを問わず何でも読みます。
ビジネス書や自伝などは、たった千数百円ぐらいでその人の人生を知ることができる んですから、これほどコスパの良いことはないよなぁって思うんですよ。
私の情報発信のポリシーの中の1つに、「生きやすくなるための情報を発信する」ことがあります。「生きやすさ」というのは、たくさんの価値観や考え方、そして経験によって育まれるものです。
外に出て他人と会うのがいちばん良いのですが、うつ病になると体力も気力も限られてきますから、そんなに頻繁にできません。
「家でも人生経験を積むにはどうしたらよいか?」と考えた結果、本に行き着いたわけです。芥川賞作家の田中慎弥さんも次のように語っています。
読書はあなたに可能性をもたらしてくれます。あなたを耕して豊かにしてくれる。いままでにとらわれ、硬直してしまいそうな、あなたの考えや価値観を揺さぶり、先を切り拓くための手がかりを授けてくれる。 それは思考停止の対極に身を置くことであり、それをして希望と呼んでいいのではないか。
「悩みがある=その解決法を教えてくれそうな本を読む」と良さそうな感じがしますが、そうでもないのが本の面白いところ。 まったく関係のないジャンルを読んでいるときに「これは……!」と思えるような発想が浮かんできたりします。
僕の読書スタイルはどちらかというと多読派。一日一冊ペースだが一冊の中の目に留まった部分を抽出して読む感じ。作者についてはどんな人の本でもお構いなしに読むので、世間一般で嫌われている人の本などを読むとなんでその作者の本を読むのかと批判してくる人もたまにいる。まあそういう人はスルーなのですが(笑)読書は知識を与えてくれるし経験したことのないことに対してもアプローチできる魔法みたいなものだと思っている。
うつに有効なことから効果が見られないことまで幅広く罹患した人目線で書いてくれている毛色の変わった書籍。医学的アプローチで書かれた書籍は多いものの実際うつになった人にしか分からないことがあるので、うつになったり身近な人がそれっぽかったら読んでみるのも良いかと。
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