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いちばんやさしいDXの教本 人気講師が教えるビジネスを変革する攻めのIT戦略|亀田重幸 , 進藤圭

「DX」(デジタルトランスフォーメーション)平たく言えばいえば「デジタルによって仕事や生活をよりよくすること」。テレワークの推進によりその注目度は増し、待ったなしという状況。ペーパーレス化ななど身近なことからビジネスモデルの変革まで担うDXの優しい解説書。

DXを支える5つの技術キーワード

DXを支える5つの技術キーワード

[このレッスンのポイント] DXを推し進めているのは、レガシーシステムや労働人口の減少といった諸問題だけではありません。DXを生み出し、加速させている5つのキーワードから、 私たちが身につけるべきスキル を考えていきましょう。

○今後10年で起こること

今後10年でますます重要になるのは「効率化」「スピード感」 です。1つ目の「効率化」は本書でこれまでも取り上げてきたメインテーマです。働き方改革を始めとした労働生産性に対する要求が増えてきましたが、これから先も私たちは「労働人口が急減しており生産性を高めなければならない」というプレッシャーから追われ続けます。それどころか追いつかれるのも時間の問題です。 もう1つは「スピード感」。要するに「速くやる」ということです。これは本書の裏テーマといえます。前のレッスン54で見た通り、2000年の1桁台ではゆるやかだったシステムの変化が、2010年以降加速していることがわかるでしょう。

DXをはじめとするデータドリブンなサービス開発は、先行企業ほど得をします。早ければ早いほど、ユーザーの獲得機会が増え、利用回数も増え、そこからフィードバックを得て追加サービスの開発や改善を行えます。データは石油のようなものです。蓄積するデータの量がたくさんあるほど高度な分析ができ、業務改善やDXにつながります。速いことはそれ自体が価値で、同じ時間でより大きい価値を生み出せます。 「速くやる」ことは、私たちが今後10年を考えてITに取り組むときに大事なキーワードです。

○DXとともに押さえておくべき技術キーワード

まず 私たちが学んでおきたいのは「スピード」に関する5つのキーワード です。

1つ目は計算の進化です。ムーアの法則でも知られる計算速度の進化は、データ処理能力を格段にアップさせました。大量のデータ処理で実現する機械学習やディープラーニングは、いままでとは桁違いの高スピード、低コストでデータを処理できるようになりました。

2つ目は通信の進化です。5Gが普及すればデータ通信が高速化、大容量化します。いままで実現できなかったもの、たとえばシビアなリアルタイム性が求められる自動車間通信や遠隔手術ができるようになるでしょう。

3つ目はインフラの進化です。AWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)は、AmazonやGoogleによる外部解放インフラといえるサービスです。企業が必要とするさまざまな業務システムやWebサービスを比較的簡単に構築でき、スピーディに運用の規模を拡大できます。いままではサーバーなどハードウェアの購入から行って、時間とコストをかけて構築していたサービスが、即時に利用できるようになりました。

4つ目は開発の進化です。設計重視主義で、大規模システムを時間をかけてつくるのを是とするウォーターフォール開発から、小さく動くシステムをすばやくつくっていくアジャイル開発が主流になりました。さらにはソースコードを書かなくてもよいノンコーディングという仕組み生まれ、特別な知識がなくてもアプリをすばやくつくれる環境が整ってきています。

5つ目はビジネスモデルの進化です。無料で提供することがマーケティング施策となり、結果として大量の顧客を獲得するフリーミアム。購入ハードルを下げ、継続的に収益を得るサブスクリプション。さまざまな価値をサービスとして提供するSaaS。テクノロジーの進化にともない、さまざまなビジネスモデルが生まれました。いままで初期コストがハードルとなって購入できなかった人たちを、瞬時に大量に集められるようになったのです。 図表55-1 に挙げた5つの進化は、今後のビジネスに欠かせないキーワードです。これらを知らずして新しいビジネスの構築は不可能といっても過言ではありません。

インフラの進化により日常でもこうした技術を目にする機会は格段に増えた。ビジネスに欠かせないキーワードとなったDXというか溶け込みすぎて今更といった感もある。ビジネスでは不可避なこの技術の基本からどんな技術サービスが可能かまで優しくレクチャー。読み終わった頃にはなんだそんなことかという感じになるはず。

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