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あなたのまわりの「コミュ障」な人たち|姜昌勲|コミュ障な人とどうコミュニケーションを取れば良いのか?

あなたの周りにいるコミュ障な人とどうコミュニケーションを取れば良いのか?うまいこと対処することで、そのコミュ障の人をケアすることができたら?個性的な特徴を持った愛すべき人たちとの付き合い方とは?

几帳面で真面目

精神科医といえば、即有効なアドバイスや特殊な対話法を使っていると思われるかもしれませんが、実際はこのようなのらりくらりとした面接ばかりです。このように文章にしてみると、誰にでもできそうな会話かもしれませんが、ここで大切なのは、自分の考え方や倫理観を、押し付けないことです。そして、気づきをできるだけ相手の人から引き出すようにするということ。「こうすればいい」と教えるのではなく、「どうすればよいか」を一緒に考え、ベストなのは自然な会話の流れのなかで、その人自身から答えが出てくることです。「困った人」は、実は自分のなかに答えを持っていることがほとんどなのです。

僕は精神科に通っているのでわかるが、薬による治療のほかはカウンセリングが主でこちらから何か話していかない場合は簡単な質問をいくつかするだけで医者側は話を引き出すのに徹します。心の病気と言いますが、薬にはやはり一定の効果があるので辛くなったら(僕の場合は思考停止状態になって何もできなくなったら)頓服を飲みます。真面目で几帳面な人がそれに反する行動を強いられたりするとその現実との落差で病気を発症することがあるようです。

Gifted 才能を与えられた人たち

自分の疾患特性を上手に利用し、活躍している人を、「gifted」(ギフテッド)と表現します。「天から才能を贈られた人」「天賦の才能を持つ人」といったニュアンスで使われています。 もともと、「gifted」という言葉は、海外の教育現場における用語でした。「gifted」を日本に紹介した、杉山登志郎先生(浜松医科大学特任教授、あいち小児保健医療総合センター医師)の書籍『ギフテッド 天才の育て方』(岡南、小倉正義と共著、学研)から引用しましょう。「アメリカ合衆国では約二〇〇万人の子どもたちが、天才児のための特別支援教育プログラムを受けていることをご存じだろうか。(中略) 単に知的に高いグループだけでなく、才能をもち、さらに発達障害をももつグループもこの特別支援教育プログラムの対象となる。しばしば能力の峰は、ほかの能力の谷と一体となって生じるからである。ちなみに、このグループの子どもたちは、しばしば2E(twice exceptional children=二重に例外的な子ども)と呼ばれる。(中略)一般に、突出した才能に関しては、天才“gifted”ということばが用いられてきたが、その後、才能“talent”ということばが用いられるようになった。また、突出した才能“outstanding talent” や、例外的な才能“exceptional talent”と呼ばれることも多い。 しかし筆者としては「与えられた天賦の凸凹」という意味を込めて、ここではギフテッド(天才)ということばを用いたい。」日本の教育は、才能のある子どもへの公的教育は非常にプアであるといわざるをえません。ですから、優秀な子どもは海外へ行ってしまったり、私学での教育を受けるなどします。 また、せっかくの才能があるのに、それに周囲が気づかず放っておかれるケースもあります。放っておかれるどころか、その「才能」を「障害」としてしか扱ってもらえないことさえあるのです。

何かしらの障害を負った人々の中には類稀なる才能を持っている場合も多く、それをうまく発現させて社会の中で一定の居場所を見つけて活躍している人がいます。コミュ障な人の中にもそんな才能がある可能性は高いです。他人との接触が苦手な反面、一人でいることに長けていて集中力が人並み以上にすごかったりして、その場合健常者よりも成果を上げる場合だってある。陽キャ至上主義的な世の中では陰キャはなかなか市民権を得られないがそれでも気にすることはない。

ケアする心構え

具体的なセルフケアの方法は、人それぞれですね。マッサージやヨガが自分自身の癒やしになるという人もいるでしょう。また、友人と会食をしてお酒を飲んで語り合うことで、癒やしが得られる人もいます。「これがいい」「これはダメ」というものはありません。 いろいろ試してみることが大切ですが、そのなかでもポイントは二つ。

・いいと思ったセルフケアの方法を続ける。

・セルフケアの方法は、年齢とともに変わっていくことを理解する。

「続けることのできない方法」は、セルフケアに向いていないかもしれませんね。続かないということは、どこかに無理があるということです。無理にセルフケアを「頑張ってしまう」のは、本来の意味から外れてしまいます。 また、僕を例にすると、大学生の時はオールナイトでカラオケなどをして盛り上がり、すっきりしていたものです。しかし、歳をとるにつれ、体力、気力も当然、衰えます。 昔はすっきりしていたのに、今は疲ればかりがたまる、という行動は珍しくありません。年齢とともに、セルフケアの方法は変わっていくものです。体験的に有効だった方法にこだわっていては、かえって体を傷めることになりかねませんね。 難しく考えることはありません。日々、新しいセルフケアの方法を探して試していくことを、楽しむようにすればいいのです。

自分自身が一番自分をケアするのに向いている。何をするときが心が平穏でいられるか?今の自分に適したセルフケアを考えることは逃げ道を作ることでもあります。目の前が茨の道なら脇道を遠回りして通れば良いだけ。

新型うつ病、アスペルガー、ADHD、その他の精神疾患、コミュ障な人がもっと前向きにいられるための教科書。セルフケアはもちろん、コミュ障の友達や家族を持った人に読んで欲しい一冊です。

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