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『AIとBIはいかに人間を変えるのか』波頭亮

AI(人工知能)・BI(ベーシック・イカンム)論の決定版!人類史上初、我々はついに「労働」から解放される―。この歴史的大転換をどう生きるか!すべての生産活動をAIが行い、生きていくためのお金はBIで賄われる働く必要がない世界はユートピアか、深い苦悩の始まりか―。

最近話題に上ることが多いAIとBI

AIもBIも近年広く話題に上るようになったのは、どちらも単なるアイデアでしかなかったレベルを脱して、現実の事柄になってきたからだと考えることができる。そしてもう一つの理由が、実はこちらの理由こそが本書を書く目的として筆者が重視していることなのだが、AIとBIはどちらも現状の世の中を根底から覆してしまう可能性を持っていることである。AIもBIも、ウォークマンやスマートフォンの発明で人々の生活が便利になったり、生活保護の制度によって貧困や格差の問題が緩和したりするのとはケタ違いのマグニチュードで社会に大きなインパクトを与える可能性を持っているのだ。今の時点でのAIは、まだ我々の生活や社会の仕組みに対して大きなインパクトをもたらすほどのレベルにはなっていないが、AIが全ての知的活動において人間を 凌駕 するシンギュラリティの到来までわずか 30 年ほどだという予測もある。またBIについても、フィンランドだけでなくオランダやカナダでも社会実験の取り組みがなされているように、本格的な検討の動きが世界の国々に広がりを見せている。場合によってはシンギュラリティの到来よりもずっと早い時点で、多くの国でBIが採用されるようになっているかもしれない。

ベーシックインカムはまだまだ導入するには問題が多い。だがAIが発達して人間の仕事が圧倒的に少なくなって格差が広がって行く世の中では有効な手立てのひとつだ。現在は低所得者に向け生活保護などにより健康で文化的な生活が保証されているが、生活保護の申請はまだまだ却下されることが多く、本当に必要な人にまで行き渡っていないのが現状だ。手続きが面倒なので、申請に関わる人すべての人件費なども考えるととても非効率な生活保護をやめ、ベーシックインカムを導入すれば国民全員に平等に一定の支給額が支払われるのでこちらの方が良いような気もする。お金持ちにも支給されるのでは無駄ではないかという議論もあるが、そこは、導入にあたり所得税や固定資産税などに累進課税で多く課税することで問題は解決する。

本音と建前を読み取れるか

人間は建て前の裏に隠れた本音を声色・表情といった非言語的情報から読み取った上で適切に解釈しようとするが、AIはそのような非明示的情報と明示的情報との統合作業を苦手とする。実際の人間社会のやり取りにおいて、情報(建て前)をそのまま馬鹿正直に判断材料として用いてしまうと、誤った判断に至ってしまうことは珍しくない。「上がってぶぶ漬けでも食べていっておくれやす」の京都の文化の中では、AIは単なる無粋な厄介者でしかない。また、もし仮にAIが声色や表情を読み取って、発せられている言葉が本音ではないことを見抜くことができるようになったとしても、その状況における本音の意図を的確に捉えることは難しいであろう。その状況における様々な関連事項を、意味を踏まえた上で、声色や表情から読み取れる意図や感情と掛け合わせ、文脈として体系的に理解することができなければ、本音を探ることはできない。建て前(言葉)と本音(意図)の 乖離 の度合いは人や状況によって様々に異なる上に、声色・表情も人や状況によって都度異なるため、AIがパターン認識を行おうとしてもデータが足りず、解を一つに収斂させるには不確実性が高すぎるのである。

本音と建前のような曖昧な表現をAIが読み取るのは難しいだろう。言葉ではYESと言っても本音はNOなんてことをその時の場の空気感や何かから察知するのは難しい。AIが万能ではない例の一つであろう。

働くインセンティブは失われない

BIの場合は追加的に労働収入を得ても給付額は減額されない。つまり「頑張ればそれに応じたメリットがあり、頑張ることのデメリットは存在しない」状態になるため、働くインセンティブが失われない。このようなことから、BIは経済的にも倫理的にも理に 適った制度だと言えるのである。

ベーシックインカムの場合生活保護と違って、働くことで、減額されることがない。なので、働くインセンティブは失われないと言える。必要最低限の生活から、ちょっと贅沢したいと思えば働きに出る大きな要因となる。贅沢できない絶妙な金額設定をすれば、人は働きに出るだろう。

AIとBIでこれからの社会はどう変わって行くか、メリット、デメリットを含め解説。労働から解放された人々はどのような行動をとるのか各国の試験的な試みを注視して行くことでこれからの働き方が見えてくる。

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