多様かという言葉が跋扈する現代、何をどう生かして生きていけばいいのか迷う人も多いだろう。そんな時、万人が持っていて武器となるもの、それが言葉です。いつの時代も言葉は人に関わり続けます。この武器を最大限活かすメソッドがここに。
誰もが「伝える価値」を持つ時代になった
たとえば「保育園落ちた日本死ね」という言葉はその代表例だ。コピーというのは、綺麗な言葉、かっこいい言葉では決してない。それは、人を動かす、状況を変える、意志と役割のある、機能する言葉だ。たとえばコーヒーに興味がない人に「このコーヒーはおいしいですよ」と伝える。その言葉を受け取った人がコーヒーを飲んでくれたら、もしくは飲もうと思ってくれたら、そのコピーは機能したと言える。言葉は伝えるだけではダメだ。相手を動かさないといけない。現実を変えないといけない。「保育園落ちた日本死ね」はシンプルだが、ものすごく強くて効果的なコピーだった。「保育園落ちた」というファクト(事実)があり、「日本」という「建前だらけの大きい敵」を倒したいという意志が伝わる。しかも「死ね」という、シンプルで心に残りやすい、ある意味攻撃的な言葉の組み合わせである。ファクトと、そこから生まれる社会に対する怒りの巨大さ。そのギャップが一言に凝縮されていたのだ。これが「保育園落ちた悲しい」とか「保育園落ちたどうにかしてくれ」だと話題にならなかっただろう。「保育園落ちた日本死ね」。こんな発想は、なかなかできない。それが多くの人の共感を呼んで、社会を揺るがすきっかけになった。プロではなく、一般の人の生活そのものから溢れ出た魂の言葉、真実むき出しの言葉だからこそ持つ力があった。
僕の人生の中でも友達の放った言葉で強烈な印象を残した言葉がいくつかある。そのうちの一つが「生きてくための金が必要だ!」というもの。当時、地方からの上京組学生だった友達が、親に援助を求めて電話をした時に放った言葉だ。こういうシンプルな言葉で親から金を引き出した彼は今どうしているだろう。
言語化には「段取り」がある
しかし「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」では、少し違う。普段は高校生として平和な日常を送るスパイダーマンが、ニューヨークを危機に陥れる敵をやっつけた後に、諦めないで、必死に追いかけてガールフレンドとのデートに戻るという明確なシーンがあるのだ。これまでは「敵か、味方か」「甘えん坊の少年か、甘えを捨て去ったヒーローか」といったように「人間はどちらかでしかいられない。お前はどっちを選ぶんだ?」ということを問いかけてきたのがアベンジャーズだった。一方、「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」は、どちらかを選ばなくてもいいというスタンスが描かれている。人はどんな状況でも2つの選択肢のどちらも選ぶことができるし、2つの選択肢の間で悩み続けるのが人間なのだ、という、これまでのアメコミ映画を超えた大きな、現代的なテーマを抱えた作品なのだ。だからこそ、ぼくはこの映画のスパイダーマンにヒーロー像の進歩を感じた。そして同時に、自分自身の、悩みながら生きている人生を投影して、自分と似ているな、と感じたのだろう。……というようなことは、当然ながら最初から頭の中に文章としてまとまっているわけではない。こうして言葉にすることで、自分自身でも初めてわかることなのだ。
僕の中で仕事と時間はトレードオフの関係にあると思っているが、最近ではこの両方取りにいく人が注目を集める世の中に。好きなことを仕事にして自分の自由になる時間もふんだんにある。そんな働き方がよしとされるようになってきた。働き方改革というが企業に雇われていると残業代が減って住宅ローンを払うのがキツイとかいう状態になってしまったり、なかなかそれを実現するのは難しいように思う。そこでフリーランスになる人が続出しているのだが、サラリーマンの頃と同等の収入を副業でえられるようになってから、フリーランスに移行することをお勧めします。
変化の時代における「常識」は「過去」のもの
・たとえば5Gが普及する。情報流通が速さにして100倍、容量にして1000倍になる。リアルタイムのVR中継や、街中での立体映像投影が可能になる。もちろんエンタメも変わるし、地図の考え方も変わる。
・たとえば自動運転が実用化され、市場規模は 22 兆円にもなると言われている。車に住む人が生まれ、移動する住居も一般化するだろう。そうなると当然、都市設計の考え方も抜本的に変わる。
・たとえばブロックチェーンも一般的なものになる。市区町村あるいは部活、アイドルのファンクラブといったものが独自のコミュニティとして経済圏を作ることができるようになる。お金の稼ぎ方が変わるということは企業のあり方も変わるということだ。
・たとえば働き方も大きく変わる。2020年には2000万人つまり人口の6分の1程度がフリーランサーあるいは副業従事者になる。さらに言えば日本人の 30%は高齢者になる。今までと同じ考え方でサービスや福利厚生をデザインするわけにいかないのは火を見るより明らかだ。
・テクノロジー、社会制度、何より人口動態……これらの社会の大きな変化からは誰も逃れられない。あらゆる動きが重層的に重なり合い、特定分野の専門家では未来に対する予測ができなくなる。ドラッカーは「未来を予測する最良の方法は、自分で未来を創り出すことだ」って言ったけど、それはもはや綺麗事でも精神論でもなく現実的な心構えでしかない。
目まぐるしく変わる世の中で不変なのが言葉の持つ力。それは時代と共に変化する技術を取り込みつつ現代も鎮座する。好きな子が出来てもそれを言葉にしなければ伝わらないのと同じように言語化できるというのはスキルの一つと考えた方が良いだろう。それがテキストだろうと口頭だろうと僕らの発信手段なのだから。
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