『腰痛が人生を好転させる』朝倉穂高

2020年12月29日

■腰痛への認識を変えれば「慢性腰痛は治る！」
10年以上も原因不明の痛みに悩みながらも克服した著者が提唱する、「慢性腰痛をスッキリ解消するための方法」。腰痛には精神面も大きな影響を及ぼしています。これまでの一般常識・固定観念を見直すことで、こじらせた腰痛は治すことができます。本書ではその方法を分かりやすく解説していきます。

骨盤の歪みが腰痛の原因です

一般的に「骨盤の歪みが腰痛の原因」といわれていますが、腰痛があるなしに関わらず、実は大抵の人の背骨は歪んでいます。逆に、背骨がまっすぐの人のほうが不自然です。もともと、身体の関節というのは動くために設計されています。よく「背骨が大黒柱だ」とか「骨盤というのは大事な基礎だ」などといわれますよね。たしかに、動かない建築構造物であれば、背骨というのは大黒柱なのですが、本来、人間を含む動物というのは動く構造物なので、自由に動けるということが大前提なのです。極端な話、健常者の方でも背骨のレントゲンを撮った場合、その画像を見た医師から、「うん、背骨が曲がっているね。これが腰痛の原因だよ」というふうに診断されてしまうこともあり得るわけです。ましてや、急性期で痛みを抱えている患者さんは背筋をまっすぐに伸ばせないのですから、画像の背骨が曲がっていて当然なのです。本来、左右の筋肉が均等に骨盤を支えているというのが骨盤の正常な状態です。この右と左の筋肉のトーン（緊張度）が同等になれば、自然とバランスが整って骨盤の歪みも治ります。つまり、骨盤が歪んでいるのは骨の問題ではなく、筋肉のトーンが整っていないことが原因なのです。

骨盤の歪みというと普段の姿勢によって変わってくるもので、正常はきちんとバランスが取れているものと思っていました。それが大抵の人は曲がっていいるなんて。重要なのは筋肉が均等に骨盤を支えていることで筋肉のトーンが同等であれば骨盤の歪みも治るそう。バランスよく筋肉をつけることが骨盤の歪みを治す方法なのだとか。

痛み止めの薬は飲んでも意味がありません

病院へ行ったら、レントゲンを撮られて『ヘルニアです』と診断され、痛み止めと湿布を出されてお終いで、結局、何も治療してくれない」というような鬱憤が溜まっている人たちが世の中にはいっぱいいます。しかし実際には、腰痛の原因がどの痛みのタイプによるものなのかを正しく把握した上で、適切な薬を飲めば、確実に効果を得られます。あとは、たまに「薬は身体に悪いから」と思い込んで、頑として「薬は飲まない」という方がいらっしゃいますが、これは逆効果です。実際には、効果のある痛み止めを飲んで、急性期の痛みを抑えてしまうほうが身体にとっては負担が軽く、無理に痛みを我慢して動かないでいるよりも、できる範囲で動いているほうがよほど健全です。

腰が痛くなったら、痛み止めを飲んで安静にしているのが良さそうなもんだが、実は適切な薬を飲んだ後は動かないでいるよりできる範囲で動いた方が良いのだそう。腰痛治療の新常識がこれ。急性期の痛みには薬が効果的なのは言うまでもない。

一番自分が伝えたいこと

ある一面からみただけでは、腰痛の本質は解決できないでしょう。どんなに科学が優れていたとしても、科学の一面だけでは片手落ちですし、科学では見ることのできない、人間の心や文化だけを見ていても片手落ちでしょう。ですから、腰痛一つとっても多様性の考え方を大切にしています。腰痛を単なる肉体の痛みだけで片付けるのではなく、心も含めた心理社会的背景を見ていくことが必要不可欠です。そうやって心も含めて腰痛を見ていると、病には「自分でも気が付かない抑制された感情」によって、本来自然であるはずの人間の体に不自然をもたらしているということに気が付く日が来るでしょう。そして、その不自然に気が付いたとき、人間としての生き方、本来の自分の在り方こそが、幸せに生きるという生き方に繋がることに気が付くでしょう。そして、一人一人が幸せになることで社会全体が幸せになる。そんな社会になることを想いながら、日々の臨床にあたっています。

腰痛を単なる肉体の痛みと片付けてはならない。自分の体が不自然な状態出ると認識し、その不自然さと向き合った時、あなたの人間としての生き方や本来の在り方が幸せに生きる方策として落とし込めるのです。

腰痛がなかなか治らない人に向けた、ちょっと斬新な見方の治療本。腰痛の一般常識を変えていく書籍で、こじれた腰痛をスッキリさせることで慢性腰痛は治る！腰痛に悩んでいる人のための人生が好転する腰痛改善本です。

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