ストレス管理、睡眠改善、運動、栄養、瞑想など、SENSEモデルで脳を若く柔軟に常に正しい状態に保つ。この本をマニュアルのように使い、何度も見返してほしい。まず、今までと違うことをすぐに試し、それを学習のプロセスと考えてみてもらいたい。実験を自分自身のものにして、うまくいっていることの上に積み重ねていってほしい。疲れを感じたり、集中力が続かないなら、頑張るのではなく、脳のフィットネスを高め、賢く働くことだ。「脳にいいこと」がすべてつまった、エッセンシャル版。
脳のフィットネスを高める5つのステップ
この「SENSE(センス)モデル」は脳のフィットネスに影響する5つの大きな要因に基づく。
■S:ストレス ■E:運動 ■N:栄養 ■S:睡眠 ■E:経験
このモデルについて説明しながら、脳の働きを最大限に高めるシンプルな方法を紹介していこう。
ストレス
脳は不透明な状況や複雑な状況を脅威と感じるかもしれない。特に強いプレッシャーを受けたり、無理があると感じたりしていると、神経系が脳の動きに悪影響を及ぼす形で反応することになりかねない。ストレスが適正レベルを超えてしまうと、認知機能の低下につながる。
ストレスや不安を感じたら次の方法を試してみよう。呼吸を意識してコントロール。浅くなってしまいがちな呼吸をゆっくりとお腹で呼吸するようにすると気持ちが落ち着いて来るのがわかるはずだ。瞑想やマインドフルネスなども有効。いますぐ始めてみたい人にはマインドフルネスアプリ「Headspace(ヘッドスペース)」を試してみてほしい。感情的状態をコントロールするには自分が楽しめることをする時間を作るのも有効だ。
運動
全ての器官と同じく、脳も酸素とブドウ糖がなければ働けない。体を動かすことで心拍数が上がって血流が高まり、脳に流れ込む酸素とブドウ糖が増えて、頭の働きが良くなる。
あなたは先週運動しない日が何日あっただろうか?ほんの20分でも歩いた人は、一日中デスクにかじりついて離れなかった人より、認知テストの結果が大幅に良かったという報告もあるぐらいだ。運動嫌いな人は多いだろうが、まずは簡単な運動(ウォーキングなど)を無理のない範囲(20分程度から)で続けることが必要だ。
栄養
脳の健康と栄養に関する研究を踏まえて最も広く推奨されているのが、地中海式ダイエットだ。ニューヨーク市で平均年齢76歳の住民2000人余りを対象にした調査では、地中海式ダイエットを食事に取り入れている人は、アルツハイマー型認知症の発症リスクが68%も低かった。今、お腹がすいてきていて、地中海式ダイエットという言葉の響きが気に入ったという人はさっそく、新鮮な自然食品、脂肪分の少ないタンパク質、ヘルシーな脂肪分、果物、新鮮な野菜(特に緑の葉菜類)、豆類、全粒穀物、種子類、ナッツ類を食べるようにしよう。
神経保護作用が特に高い食品、特に、水、魚介類、野菜と緑の葉菜類、卵、ナッツ類、種子類、ベリー類、ウコン、オリーブオイル、緑茶などが挙げられている。逆に気をつけたいのが糖質とグリセミック指数(GI)の高い食物である。
睡眠
睡眠不足は、論理的思考力、判断力、記憶、注意力、反応時間の低下につながる。睡眠不足には累積的影響も伴う。睡眠6時間以下の日が5日続くと、脳の認知機能は48時間寝ていない人と同じ水準まで低下する。睡眠不足が何年も続くと、脳皮質の萎縮が起こる。文字どうり脳が縮み始めるのだ。
眠るための環境を整えるため、日光を浴びる時間を増やす。昼休みに散歩などをして、健康な睡眠/覚醒パターンの確立に必要な青色光を体に浴びよう。夜は光に当たる時間を大きく減らし、もう寝る時間だよというメッセージを脳に送ろう。就寝前のテレビやスマホ、パソコンなどは睡眠につくのを邪魔をする要素なので、なるべく避けるように。最近ではブルーライトカット機能がスマホやパソコン(iPhone・MacだとNight Shift機能)に備わっている場合もあるのでそういった機能を活用するのも良いだろう。「90分ルール」を適用するのも良いだろう。最大限スッキリした状態で起きるため、「Sleep Cycle(スリープ・サイクル)」などのアプリが役立つ。
経験
生涯の学習曲線について考えてみよう。生まれたとき、脳細胞の大部分は結合していない。それが生後の2年間にわたり、新しい運動・感覚情報に適応するなかで脳細胞は急速に結びつくようになる。この間、毎秒200万個もの新たなシナプス(結合)が生まれ、最終的にその数は約1000兆個に達する。
外国語を学んだり、楽器を習ったり新しいスキルを身につけたり幅広く読書をしたりすることで経験値は上がっていきます。自分の習慣を見つめ直し、無意識な行動を意識化することも大事。人との関わりを積極的に行うのも良いだろう。
SENSEモデルで脳のフィットネスを高めたら、いよいよ生産性や創造性、記憶力を高めるフェーズ。瞑想などを活用して効果を実感しながら今度は脳をプログラミングすることに挑戦してみよう。パフォーマンスを高め、感情をコントロールできるようになれば日々の暮らしもより効率的になることでしょう。
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