一刻も早く楽になるための具体的な処方箋
PTSDを引き起こす外傷記憶、恨みや罪悪感、うつ病や強迫神経症、依存や中毒など、あなたの心をいつまでも蝕み、ときには日常を支配してしまう、思い出すのもつらい過去や苦しい症状、頭にこびりついた記憶や心をかき乱す感情――こうした「忘れられないこと」を上手に「忘れる」ための具体的な方法をベテラン精神科医が説く。人が遭遇するさまざまな「忘れられない」ケースを紹介するほか、「忘れることができなくなる」メカニズムを脳と心の両面から解き明かす。ネガティブな記憶を消し去り、過去に見切りをつけることは、安定した日常生活を得て、人生を前向きに生きていくことにつながる。
ゆっくりと薄らいでいく人の記憶
あんなに恐ろしいことが起きても、一瞬のうちに数千人の命が消し飛ぶという衝撃的な映像を目の当たりにしても、人の記憶はゆっくりと薄らいでいきます。だからこそ人々は記念碑を建て、記念日を設けたりして、その記憶をなるべく風化させないようにするのでしょう。
身内の死だって一周忌とかに献花して黙祷を捧げるのは記憶が薄らいでいくのを止めるため。どんなに生前お世話になった人でも記憶というのは薄らいでくるもので、それを防いだり、薄れゆく記憶をたまに思い出すために、様々な風習があると言っても過言ではない。通常、記憶というのは薄らいでゆくものだが、記憶の種類によっては忘れることができない、フラッシュバックして記憶が蘇り辛い思いをするなんてことも。この本ではそんな記憶の正体を探っていきます。
子供の成長に欠かせない自信や自尊心を育むもの
自分が肯定されてこの世に生きているという自信の源泉は、主として、小さいころから大事にされていると感じた体験の蓄積によるものと考えられます。「自分は生きている意味があるのだ」というメッセージを子どもが受け取ったぶんだけ、子どもは自信や自尊心を育んでいきます。
ここでいう「自分は生きている意味があるのだ」というメッセージを与えるのは他でもない両親。子どもを養育する立場にいる者。場合によってはそれが祖父母や保育士などの場合もあるでしょう。自分は生きている価値もないと思ってしまう背景には両親の育て方に問題がある場合が多い。保育園などに行くと、やたらと保育士さんに甘える子供がいるが、家庭でこうしたメッセージを受け取っていないのが原因だと言えるなんてことも。
生き残ってしまった罪悪感が消えない
サバイバーズ・ギルドとは、事故や事件で多数の死者が出たときなどに、自分だけ運よく生き延びた人が持つある種の罪悪感です。この種の罪悪感については、最近のニュースにも例が多く見られます。平成17年4月のJR西日本、尼崎脱線事故の衝撃は、今だに私たちの記憶に新しいものですが、この事故は、生き残った人たちにとっても、特殊な意味で忘れられないものになっているようです。
脱線した電車の1両目はマンションの1階部分に入り込み潰れたため1両目の生存者はわずか数名。生き残ったうちの1人の女性は、事故以来なんで自分だけが生き残ったのかを考え続けてしまい、生き残った罪悪感まで覚えたという。生き残ったのだから素直に喜べばいいものだが、犠牲となった人たちのことを考えるとそうも言っていられないのだろう。こう言った苦しみを抱えている場合、できれば専門家に相談するのがいいでしょう。
コカイン中毒
当時、妻から離婚を言いわたされた彼は、ヤケになってバーで酒を飲むようになり、そこで女性ダンサーと知り合い、彼女の部屋に誘われました。久しぶりのことで勇んでベッドに向かおうとすると、彼女が薬物を進めたそうです。「これを吸えば元気が出て、快感もますわよ」小さな薬の粒を火であぶって、その煙を吸い込む、クラックというコカインの一種です。ドクター・ファーバーも仕事柄よく知っていたので、特に驚きはしませんでした。「私もやってみました。自分が絶対にヤク中になんてなるはずがないという過信があったんでね。それを吸ってから彼女とベッドに入ったんです」
結果どうなったかというと、ヤクを吸ってそう言った行為を行う快感に溺れ、「次はいつあれを吸うことができるんだろう?」と考えるように。賢明な皆さんは興味本位で薬に手を出さないように!低俗な雑誌等では、このような行為が最高だったとかいう体験談が載っていて試してみる人もいるのかもしれないが、薬の体験談を平気で載せてしまうような雑誌は購読をやめるべき。
記憶は薄らいで行くもの。PTSDやフラッシュバックが起こるような記憶に悩まされている方に読んでほしい書籍。精神科の先生が勧める忘れる技術が紹介されています。それと同時にやはり精神科で処方される薬には効能があるので、専門の医者にかかることをお勧めします。過去のことに囚われていては明るい未来を見るのに障害でしかないのだから。
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