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最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし 雇用崩壊を乗り越える

8時間労働で誰もがフツーに暮らせる社会へ。年功賃金の崩壊と労働市場の激変、非正規雇用だけでなく正社員にも低所得層が増加するなかで、〈最賃1500円運動〉への期待が広がっている。最賃引き上げで地域経済を元気にする戦略など最低賃金1500円が切り開く社会への展望を示す。

最低賃金1500円になったら

エキタスは発足当初から[最低賃金1500円]を掲げていますが、このスローガンの力と重要性をあらためて実感したのが、SNS上で行った「#最低賃金1500円になったら」というアンケートでした。これは、最低賃金1500円になったら何をしたいか、どうなると思うか、つぶやいてほしいと呼びかけたものですが、驚くほど多くの声が数日で集まりました。なかでも一番多かった声は「病院に行きたい」。次が貯金したいです。そのほかにも、「ひとり暮らししたい」「正社員辞めたい」「ダブルワークやトリプルワークやめたい」「地元に帰る」「離婚する」「自分のことを好きにになれる人が増える」などの声がありました。

最低賃金が、現行の最低賃金を大きく上回る1500円になったら、多くの人が望みを叶えることができる世の中になることは間違いない。酷い労働環境で長時間働かなくてもよくなるし、職場を変えても1500円の時給は保証されるので、転職もハードルが低くなるだろう。

個人事業主の現状

みずほ情報総合研究所が個人事業主を対象に実施したWeb調査(2016年)によれば、年収200万円未満と回答した人は「主たる生計者」の18.4%、300万円未満まで広げると3分の1に達します。半数強(52.1%)が400万円未満、1000万円を超える層も1割近くいますが(9.8%)、総じて収入面の厳しさを示しています。

コンビニのオーナーなど、脱サラして始めたはいいが、近隣に競合店がぽんぽん立って、売り上げは減少。本部から送られてくるスーパーバイザーは来るたびに大量の発注をかけるなど、行き違いも多い。個人事業主の現状は、10人に1人ぐらいしか成功しないということだ。これはサラリーマンだって同じで、1000万を超える年収がある人なんて周りに数えるほどしかいないという人も多いだろう。

予測されている「なくなる仕事」

とくに激しく雇用が縮小すると予測されている職業は、製造ラインの工員や企業の調達管理部門の「製造・調達」と経理、給与管理等の人事部門やデータ入力係等の「バックオフィス」。これらにおいては、AIやロボット、グローバルアウトソースにより不可避的に労働の代替が進むとされ、両部門を合計した雇用の減少幅だけで400万人以上であると試算されています。

AIの爆発的な普及に対しても最低賃金、時給1500円というのは威力を発揮する。もし自分の仕事が代替されても新たに就く仕事で時給1500円の賃金が保証されるからだ。これで最悪のシナリオは雇用の流動に変わり、経済にも良い影響が生まれる。AIによる代替→雇用流動化という新しい雇用を生み出すための移行がうまくいくよう手助けとなる。

労働市場の大きな転換

非正規と非年功型正社員、この二つの労働者を非年功型労働者として類型化することができるでしょう。2000年代以降の労働市場の大きな転換によって、非年功型労働者で構成される下層労働市場が分厚くつくりだされてきたのです。それ以前は日本の多くの男性労働者は年功賃金と終身雇用制で生活と雇用が守られてきた年功型労働者でした。今や非年功型労働者が多数派であることは確かです。ここにこそ労働市場を規制する最低賃金制の今日的な意義があると見なければなりません。

長く働いても賃金は上がらず、あまつさえ、労働市場からNOを突きつけられることだってある昨今。最低賃金は人々の生活を保証する最後の砦となる。コンビニなどサービス業ではアルバイトが覚えなくてはならない仕事量も膨大で、それなのに時給は低いままでなかなかあげてもらえない。ならば最初から最低賃金を保証すれば人手不足も解消するのではなかろうか。安い賃金で使えるバイトを雇うことが利益を上げる唯一のビジネスモデルの業界はこれからはもう成長しないと言えるだろう。

働き続けないと暮らしていけない高齢者

年金だけではもう暮らせないという高齢者は本当に山になっています。この間、2000年と比較しても、公的年金の1人当たりの支出金額は下がっていて、ピークでも高齢者世帯で約338万円あったのが最近では300万円を切り、年金支給額は激減しているのです。なおかつ介護保険料とか消費税、健康保険料、税は上がっていますので、可処分所得で見ると生活保護ラインぎりぎりの人が多いです。

僕の父親も年金だけだと侘しいし、仕事が生き甲斐にもなっているので、定年後も仕事を続けて10年以上たちます。仕事場には80代半ばで少し認知症ではないかと疑われる正社員の人もいるらしく、やめたくても金銭的にやめられない人も多いような気がします。

最低賃金1500円夢のような話だが、実現すれば働く人のモチベーションも上がるだろう。非正規だって1500円の時給があれば貯蓄だってできるだろうし。何しろ若者の就業意欲が一気に上がることだろう。人手不足解消にも一役買いそうなこの提案。あなたはどう思いますか?

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