なぜ関東に医者は少ないのか?なぜ医学部は西日本に多いのか?なぜ金持ちの子どもしか医者になれないのか?日本の医療は「なぜ?」「どうして?」ばっかりだ!大学を見れば日本の「医療格差」が見えてくる。2013年(平成25年)1月、埼玉県在住の男性が、救急搬送の受け入れを合計36回も断られ、死亡するという事件があった。現在の日本において、医師の数は圧倒的な「西高東低」だ。その原因を著者は、医学部が西日本に偏在していることだと喝破する。
関東に医師が足りない!
関東に医師が足りない!わが国は深刻な医師不足に悩んでいます。マスメディアは「東京一極集中」や「東京対地方」という視点から議論しますが、実態は異なります。実は、わが国で医師が最も不足しているのは関東地方です。逆に多いのは、四国・中国・九州などの西日本です。なぜ、このような格差が生じてしまったのでしょうか。戦後、関東地方の人口が急増したことだけでは説明がつきません。医師の偏在は、医師養成機関である医学部の偏在によるものです。この偏在こそ、わが国の近代化の歴史を反映しています。
僕は神奈川県に住んでいるのだが、近くに大学病院と総合病院があり医師が少ないと肌身で感じたことはない。医師数だけを見てみると神奈川県は東京についで第2位、しかし人口に対する医師の数といった視点から見ると一気に順位が落ちるのだという。医師は都会に集まっているというイメージをお持ちのかとも多いのではないだろうか。一般の方だけでなく、医療関係者に聞いても大抵は同じ返答が返ってきます。東京は医師数トップですが、人口当たりの医師数は京都や徳島の方が多い。わが国で人口当たりの医師数が少ないのは埼玉・千葉・茨城・神奈川など関東地方なのです。医師は田舎を嫌い、都会に行きたがると思っている人が多いが、この結果を見れば思ったほど都会に流出していないことがわかる。
医学部の偏在
なぜ医師は、西高東低という形で偏在してしまったのでしょうか。結論から申し上げますと、医学部が偏在しているためです。
試しに関東地方全体の人口当たりの医学部数を見て見ると、人口194万人に1つしか医学部がありません。これは全国最低レベルです。千葉や埼玉、神奈川で医師が少なくても、大きな病気をしたら東京の病院に行くから問題ないという人もいる。関東地方は絶対的に医師が不足していて、その養成機関たる医学部の数も少ない。このような地域で人口増加を続け患者が急増することを考えれば医療崩壊へとまっしぐらであることは間違いないのです。
大学を見れば「医師不足」がわかる
関東には国公立の医学部がたくさんあるような気がしてきます。ところが、実態は違います。関東の22の医学部のうち、16は私立で、国公立は6つだけなのです(東大、東京医科歯科大、千葉大、群馬大、筑波大、横浜市立大学)。国公立の医学部は、人口約710万に一つしかありません。これは最も国公立の医学部が多い四国の、およそ7分の1以下です。私大医学部の学費は高額です。6年間で約2000万円から5000万円を要します。一般家庭が支払える金額ではありません。私大医学部の入学者は、高額所得者の子どもがほとんどで、特に多いのが開業医の子どもです。大学を卒業すると、一定の期間を急性期病院で勤務し、親の後を継ぐというパターンです。この結果、関東地方の医師は世襲化が進んでいます。
一般家庭から医者になろうというような、出来る子達は選択肢として国公立に入学するしかありません。その受け皿が圧倒的に少ない。高額な授業料について言えば、「自治医大方式」を導入すれば良いという。この場合授業料は6年間で2300万円と高額ですが、一般家庭の子供も入学できます。なぜなら、自治医大が学生に学資を貸与しているからです。卒業後一定期間僻地に勤務すれば、返還は不要に。この方法を関東の医大に適用すれば大学が銀行から学資ローンを受ける入学者の保証人となればいいだろう。銀行関係者にとっても優良顧客の囲い込みになるのでメリットも大きい。他にも授業料を下げた例で見ると、順天堂大学は学費を6年間で2080万円とし、私大医学部の中で最も安い学費とすることで人気を集め、偏差値が急上昇中です。
医師が増えると競争が激化し、量が質に転化する
医師が増えると競争が生じます。そして、「量が質に転化する」ようになります。(中略)臨床研究の論文発表数では、この地域の中核である金沢大は全国4位、徳島大学は18位に位置しています。地方に位置する戦後生まれの大学の中では、徳島大がトップです。北陸・四国地方の医療レベルが高いのは、関西というハイレベル地域に隣接することに加え、県の規模が小さいことも挙げられます。
自分たちの住む地域に医学部が増えてくれれば、競争が激化し医療の質も上がっていく。医師不足も解消され流ので、首都圏にもっと授業料の安い医大が増えてくれると問題は解消する。
とりあえず自分の住む地域の医療レベルと利便性が担保されればいいかと思います。人生100年と言われる時代の中、医療の今後を注視していきたい医者嫌いでしたww
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