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メジャーリーグの名物GMビリー・ビーン弱者が強者に勝つ思考法

選手の総年俸が最下位レベルの貧乏・弱小チームを、メジャー屈指の常勝軍団に生まれ変わらせた男! 映画『マネーボール』のモデルとなったメジャー球団GMの「革命を起こす仕事術」オークランド・アスレチックスのGM(ゼネラル・マネージャー)に就任したビリー・ビーンは、メジャーリーグの常識を覆す手法で球団を改革。資金不足で成績不振を続けていた同球団を常勝軍団に生まれ変わらせ、その軌跡を描いたノンフィクション『マネー・ボール』はブラッド・ピット主演で映画化もされた。ヒト・モノ・カネで劣る弱者が強者に勝つためには、ビーンのように自らイノベーションを起こすしかない。ではどうやって? そのヒント満載の1冊。

「変化」を武器に対抗する

弱者が、なかなか勝てない強者を前にして、最も多く口にする言い訳は何だろう。「あいつらは規模が違う。人もお金も潤沢に持っている。かないっこないよ」というセリフではないだろうか。相手は規模の優位に立っている。ヒト、モノ、カネなどのリソース(経営資源)も圧倒的だ。ないないづくしの自分たちがどんなにがんばっても、勝てるわけがない。これは、ビジネスからプロスポーツに至るまで、あらゆる業界、業種の弱者に共通する嘆きでもある。やる前から勝負のゆくえはわかっているのに同じ土俵で闘う厳しさ、悲しさは、味わった者にしかわからない。まして弱肉強食社会の総本山と言うべきアメリカでは、弱者と強者の差も極端だ。メジャーリーグもその例にもれず、1990年代の終わり頃から、金持ち球団が有能な選手を抱え込み、お金で勝利を買っているという批判が聞かれるようになった。

プロスポーツ選手とて、年俸は高い方がいいに決まっている。一種のルールを制定しないと。金満球団ばかりに有力選手が偏ってしまう。しかし、そんな高額な年俸をとる選手ばかり集めたからといって、必ず強いチームになるとは限らない。安い契約金でチームに招き入れた選手をどう生かすか、または他のスカウトたちが見逃した才能はどこかに眠っていないかアンテナを張り巡らせることで、バランスのとれたチームを形成することさえ可能だということがわかる。

改善は知恵とお金の総和

トヨタ生産方式を生産現場だけでなくあらゆる仕事に応用する「トヨタ式」に、「改善は知恵とお金の総和」という言い方がある。たとえば常識では 10 億円かかる場合に、トヨタ式の上司は「 一桁 多い。ゼロを一つ取れ」と指示を出す。「 10 億円かかるところを1億円で?不可能だ」と考えて、 10 億円とか9億円とかでやると、並みの企業になってしまう。しかし、「挑戦してみよう」と必死に知恵を出すと起死回生のアイデアが出て、2億円とか1億円とかでやれることがしばしばある。お金に頼ると、ビジネスで最も重要な知恵が出なくなる。出す必要がなくなってしまうからだ。お金がないほうが、いい知恵が出て、競争力が強くなる。出す必要に迫られるからである。その考え方を実践することで、トヨタ自動車は世界一の企業になったのである。

潤沢な資金がある会社でも、「10億円かかるところを1億円で」といった発想を持つことが競争力を強くする。お金をかけずに最善のアイデアを出す必要性に迫られると結果いい知恵を出すようになる。規模の経済という話になると、この少しの差が大きな利益となって帰ってくる。トヨタが世界一の企業になれた理由の一つがこれである。

異端の選手に目をつける

ビーンが目をつけたような異端の選手は、他球団と指名が競合するおそれが低い。さらに選手本人も自分を低く評価しているので、アスレチックスが上位で指名してくれれば、通常の1位や2位の指名より低い契約金を提示されても、喜んで契約に応じる。ありきたりのデータで判断されたり、見た目だけで排除されたりした選手の中には、実際にはすばらしいプレーをし、豊かな将来性を持つ選手がたくさんいる。「貧乏」「異端」と笑われているうちに、こうした選手をごっそりと安くさらうのがビーンの戦略だった。仕方なく指名する競合貧乏球団に、セイバーメトリクスをかぎつけられたくなかった。ビーンは内心こう考えていた。 「異端でもかまわない。異端とはチャンスを意味する」

より契約金が低い選手は上位指名してくれたことで奮起するといった側面もあるだろう。自分自身を低く評価咲いている選手が、このような評価を受ければ、チームのためにという意識はいやが応にも高まる。データは予測できない未来を予測してくれる。データ通りになるか否かは人間の心や人間関係によって大きく左右される。そこには正統や異端、新人やベテランといった区別もない。

弱者が強者に勝つには視点を変えること。人材についていえば、異端であっても役割を遂行できる能力があると見込めれば、それは強者に匹敵する力を発揮することだってあるだろう。人口減少時代に優秀な人材を確保したい人事担当者にも読んで欲しい一冊です。

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