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奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語|三崎律日

世の中には数多く数奇な運命を辿った一筋縄では行かない書物が存在する。それらをピックアップして論じる書籍。かつてのトンデモ本の世界にようこそ!!

台湾人、ジョルジュ・サルマナザールの誕生

台湾の存在が初めてヨーロッパ人に知られるようになったのは1544年、ポルトガル人らによって発見されたのが始まりです。1624年、当時アジアにおいて絶大な影響力を誇っていたオランダ東インド会社が台湾へと侵攻し、この島を統治下におきました。一方、中国大陸では1644年、農民らの反乱によって明が滅亡。明の政治家にして軍人であった 鄭成功 が台湾へと落ち延びます。彼はこの島を拠点として明朝の復興を果たすべく、台湾を統治していたオランダ東インド会社への攻撃を行い、1661年見事これを撤退させることに成功します。しかしその翌年、鄭成功は病により死去。鄭氏の政治は3代続きますが、1683年に清朝の侵攻を許します。そして1684年、台湾府が置かれ、福建省に隷属する植民地となりました。こうして、オランダが台湾島から締め出されて以降、台湾にはヨーロッパが入りづらい状況が続いていました。イギリスとオランダがアジアの利権を巡って争う関係にあったため、なおさら台湾の情報が入手しづらかったのです。かくして台湾は、イギリスの人々にとって非常にミステリアスな国となりました。当時のイギリスに『台湾誌』の内容を客観的に検証できる人はいませんでした。情報がまったくない地域の話だからこそ、読者には目新しく魅力的なものとして映ったのです。日本や台湾を「遠い東の果てにある未開の国々」と印象づけるためにも、記述はでたらめであるほど都合がよかったのかもしれません。サルマナザールは自身の手描きによる挿絵を随所に差し込みながら、視覚的にも読み手の好奇心をくすぐっています。

かつて世界に未開の地がたくさんあった時代ではこのようなことがよく起こっていたのだと思う。今では当たり前のように正確に描かれる世界地図もないのだからそれもそのはず。現在でも人間が踏み入ったことのない地域は一部ありそこが冒険家の好奇心を刺激する。

暗号は「コード」か?「サイファ」か?

ヴォイニッチが手稿を発見して以降、中身に魅せられた多くの人々がこの文字を解読しようと試みました。ここからは、彼らが主張する解読方法を見ていきましょう。手稿に挑んだ多くの人々はまず、この暗号が「コード」か「サイファ」なのかを考える必要があります。日本語ではいずれも「暗号」と訳されますが、暗号化されている単位が「 単語」か「 文字」かという違いがあるのです。 「コード」を解読するためには、単語同士の対応を網羅した「辞書」を見つけることが必要です。一方「サイファ」の場合は、文字同士の置換のための「ルール」を見つけることが求められます。 『ヴォイニッチ手稿』は、初期の頃から多くの人々が「サイファではないか」という予測を立てていました。なぜなら「コード」と呼ぶには、あまりにも単語が複雑で、習得が困難に思われたためです。このサイファ文の解読に対して、長い間強力な手掛かりとなったのが「頻度解析」という手法です。基本的にどのような言語でも、出現する文字の頻度に偏りが発生します。ある程度の文章量で使われる文字を数えると、欧文では「e」、和文では「い」(ローマ字表記ならa)が、最も多く使われます。それらを手掛かりにすることで、文章の一部の文字が何に置換されているのか、おおよその見当をつけることができます。頻度解析の手法は、得られる暗号文が長ければ長いほど信頼性が高まる手法です。ヴォイニッチ手稿ほどの文章量であれば、十分に信頼できる解析が可能であると思われました。しかしここで、過去多くの書物を解読してきた者たちに、2つの大きな壁が立ちはだかります。

暗号解読はロマンですね。それを解いた時どのような情報がもたらされるのかと思うとワクワクしますよね。金塊やお宝のありかとか。テレビの開かずの金庫開けます的なコーナーもしかり。

「この世で最も美しい本」を作った男たち

14 世紀までの中世ヨーロッパでは、本は1冊ずつ書き写して作成していました。そのため当時の本は、「読むため」のものというよりは、「所有する」ことに価値が見出されたのです。たとえば、聖書の写本は存在そのものが権威の象徴です。そのため、重厚で豪華な装丁に仕上げることは、その存在をさらに高みへと押し上げる効果を持っていました。 15 世紀以降、活版印刷技術により書籍の大量生産が可能になりました。一般の人々も手に取りやすくなったことで、書籍の価値は、より本義に近い「読む」ことへ比重を移していったのです。そして時は過ぎ 20 世紀初頭、「所有する」という価値観の復権をもくろんだ2人の男が現れます。フランシス・サンゴルスキーとジョージ・サトクリフは、ロンドンにある工芸学校の製本科で知り合いました。彼らは互いの技量や、本の持つ美術的価値についてすぐに意気投合します。工芸学校を優秀な成績で卒業し、数年間工房に所属して実務を学ぶと、1901年、ブルームベリー広場に彼らの合同会社、「サンゴルスキー&サトクリフ社」を設立したのです。 Francis Sangorski(1875年~1912年)George Sutcliffe(1878年~1943年)  サンゴルスキー&サトクリフ社は、通常の印刷業務の傍ら、夢であった「美術品としての本」の製作に乗り出します。1905年、2人はエドマンド・スペンサーの『恋愛小曲集と祝婚歌』を、1点物の書籍として製作しました。完成した表紙は繊細な刺繍で彩られ、中央にはめ込まれた6個の真珠が上品に華を添え、多くの美術商の目に留まることになりました。

装飾をほどこした豪華な装丁の本、読書家ならそのルックスに惚れて中身はどうであれ、捨てられない本が何冊かあるはず。読み返す用と保存用で2冊持ちなんてこともある。

世界に点在する奇書の数々。読書を楽しむ上で新たな要素を加えてくれる面白い書籍。

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