幸運の99％は話し方できまる！｜八坂裕子

2020年12月28日

あなたはその一言で損をしているかも？話し方は千差万別で思わぬところで相手に嫌われたりすることも。幸せを引き寄せるための質問力、説明力、依頼力、反応力、感受力という5大話力を身につけ今すぐ好印象を目指しましょう。

質問力

そのジャケット、先生らしくないですね」と言うより、「そのジャケット、いつもの先生のセンスと違いますね」と言ったほうが感想として相手に伝わる。丁寧な話し方というのは、敬語をちりばめた話し方ではない。上の空でヘラヘラと無造作に喋るのではなく、そのときそのとき、相手とのこころの関係、立場の関係、事情や局面を意識しながら工夫して話すことだ。ちょっと骨の折れることかもしれない。しかし幸せを掴むための話し方が簡単すぎてはスリルがなくてすぐに飽きてしまうだろう。面倒くさいくらいでちょうどよいのである。とにかく手数をかけ、手間をかけ、気持ちを相手に伝えようとする意欲が丁寧さを生む。「伝わってる？」という気持ちが風になって、相手へ問いかけるからだ。「○○さんらしくないですね」のフレーズの裏には「○○さんらしいですね」のイメージがあなたにはあるのだろう。それはほぼ決めつけである。あなたは誰かや何かを〝らしい〟〝らしくない〟でくくる話し方が口グセになっているのだ。多様な表現が苦手なので、なにごとも〝らしい〟と〝らしくない〟で表現しようとする。その結果、想像力と創造力の発育が遅れる。すると悪循環で〝らしい〟〝らしくない〟の出番がひんぱんになるのだ。あなたは〝らしい〟〝らしくない〟を使わずに話すトレーニングをしてみよう。この２語をカットして話していると、不便になり、本気で話し方について考えざるをえなくなるだろう。

人を褒めようとすると、語彙力が試させる。その日のファッションひとつをとっても、ファッションに関する用語の語彙力があるかないかで表現するのには大きな差が出てくる。語彙力を上げるために活字を読んでみることをお勧めします。新聞や雑誌、知識を得たいジャンルのもので良いと思います。それが終わったら興味のないジャンルの書籍にもチャレンジすると思わぬ語彙力が自然とついていくはず。もちろん知らない単語に出会ったらネットや変換する際に出てくる意味を確認すると良いでしょう。

依頼力

チケットを取ってくれたときは親切で優しい人だと思っていたけれど、恩に着せるフレーズを耳にして、ああ、そういうキャラクターだったのかと気づく。用心したほうがいい。もっと距離を置いてつきあわないと面倒なことが起こりそうだと相手は感じた。失うものは、〝親しさ〟だ。依頼するときは過去にどんなに相手を助けた事実があったにしろ、力関係で押してはダメ。そうなると脅しになる。たとえば過去の貸しの大きさによって一度はしぶしぶＯＫの返事をしたとしても、それは頼んだ側の実力ではない。あちらにすれば、手切れのつもりなのだ。そもそも、恩着せがましいフレーズで急接近するのは上品な話し方ではない。親しさを失い、そのひと言で品格を下げる。

人にお願いをするために日頃からちょっとした親切を織り交ぜてくるような人間がいる。こいつは役に立ちそうだと思ったら、積極的に近づいてきてちょっとした親切を押し付けてきて、のちの頼みごとにつなげるのだ。そういう人間と一緒にいると、だんだんと要求がエスカレートしてくるので、注意が必要。

コーヒーショップ

コーヒーショップに行って、メニューから自分の飲み物を選び、自主的に注文するとき「コーヒーでいいです」と言うのはやめよう。あなたはへりくだりの精神でそう言ったとしても、一度コーヒーの身になってほしい。コーヒーがどんなに気を悪くするか、想像してあまりある。あなたが、好きな相手から「あなたでいいよ」と言われたら、こころは何を感じるかしらん。これからは「で」の口グセとはキッパリ別れるのだ。たとえば、「私はここでいいのよ」と言わずに、「私はここがいいのよ」と言う。そう思わなかったら、「私はここではイヤです」と言う。そう言えない立場や事情があるときは、「私はここでも結構です」と譲っていることをきちんと示す。へりくだりの精神では、コーヒー一杯にしろ気持ちよく依頼はできないのだ。相手に呼びかけるには、相手を見つめ、具体的に主体性、主義、主張を表現することである。社会はジムなのだから、日々のエクササイズが必ずあなたの話し方を変えていく。依頼力は一日にしてならず――が、原則である。

コーヒーが売りのお店で、「コーヒーでいいです」というのはお店の人に失礼な注文方法だ。ここは注意が必要。ちょっとしたニュアンスの違いで相手を不快にするなんてこともあるので。

幸運の99%を引き込むのは話し方、コミュニケーションであるという考え方で、コミュ力が欲しい人たちに指南する書籍。

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