歴史を変えた独創者たち。現代科学を作り上げた脳の秘密とは? 「脳の渦理論」が解き明かす。脳科学の最先端に立つ著者による類い希な科学エッセイ。ニュートン、コペルニクス、アインシュタイン、ハイゼンベルク、ラマヌジャン、ノイマン、ホーキング。歴史に名を残した科学者たちは、なぜか冬に生まれている。これは、たんなる偶然なのだろうか。天才たちの生涯を、エピソードとともに紹介。現代科学のエッセンスを復習しながら、独創力の源泉はどこにあるのか、探っていく。そして、臨床医にして脳科学の最先端に立つ著者が発見した「脳の渦理論」へ―科学の最前線は、いつでも刺激的である。
歴史に名を残した科学者の多くは独学者
古来、歴史に名を残した科学者の多くは、独学者であった。考えてみれば、人から教えられたことだけで時代を動かすような仕事ができる訳がない。貪欲な知識の獲得と絶え間ない愛好の延長上に、初めて真実が見えてくる。カリキュラムとは、どうせ誰でもが習うことになる事柄を効率よく教えるためと、何を習ったらよいのかわからない人間のために存在する。本当にものを習いたい人間にとっては、むしろ邪魔な存在である。画一化された教育は洗脳のようなものである。師は出来るだけ多くいた方がよく、教えは、できるだけ違ったタイプのものを、出来るだけたくさん吸収した方がよい。賢明な徒は、やがて独自の道を見つけ、初めて、世に残る仕事を為す。
学校のようなカリキュラムに沿った勉強方法では、革新的なイノベーションは生まれない。もちろん基礎的な学習能力はある程度必要だろうが、社会に出てしまえばそれはあまり武器にならない。それを超えた先の学習、独学こそが新たな仕事を生み出す素地となるのだ。自分が未習熟な分野に対しては、カリキュラムをうまく活用し、その先は独学を進めることで理解を深めることが大事。
本当の天才
天才と言われた人にも、必ず、師が存在する。もしも、正式な教育も専門家からの指導も受けずに、その時代、その学問の最高峰と言われたところまで登りつめることができたとすれば、それは、本当の意味で天才であろう。人類の歴史の中でたったひとりだけこの条件を満たす人物が存在する。ラマヌジャンである。ラマヌジャンは一八八七年十二月二十二日、インド、エローデにバラモン(カースト制度の最高階級)として生まれた。父親は洋品店の会計士で、経済的には恵まれていなかったようである。小さいときからその数学的天才性は知られており、七歳のときクンバコナムの高校で学ぶ奨学金を与えられたという。十二歳のとき、一冊の数学書と出合う。その本を完全に自分のものとしたラマヌジャンは、十五歳のとき、もう一つの数学書を借り出す。この二冊がラマヌジャンの正式な数学教育となった。
十二歳で難解な数学書をものにするなんて天才以外の何物でもない。高度な書物をいくら呼んだところで、凡人の僕のような人間には理解ができない。僕が何度読んでも理解不能な書物の一つが哲学の『精神現象学』。理解不能なんて次元をはるかに通り越して、ただ字ズラを追っているだけになってしまう。悔しいので、いつかまた読んんでやろうととってあるが、再び読むのにも重い腰を上げなければならず、なかなか読めていない。興味深い題名やなんかの専門書を読むこともたまにあるが、いつも大学中退の僕の頭では理解できない。読解力の塊になりたいと思う今日この頃である。
最初を決めた男
星の瞬く遠い空の彼方に天国があると信じられていた時代から、宇宙空間は、人々の心を捉えて離さない神秘な世界であった。コペルニクスの切り開いた宇宙の概念はニュートンにより現実の世界として認識され、アインシュタインの時空連続体を介して、近代宇宙論として開花した。宇宙空間を直接扱うものとして、ニュートン、アインシュタインの流れを汲む現代の物理学者の代表がホーキングである。ホーキングは一九四二年一月八日、イギリスのオックスフォードに生まれた。ホーキングの生まれた時は第二次世界大戦の真っ只中、折しも、ドイツ軍のイギリス爆撃が盛んに行われていた頃である。当時、イギリスとドイツの間には、イギリス軍がハイデルベルクとゲッティンゲンとを攻撃しない代わりに、ドイル軍がケンブリッジとオックスフォードを砲撃しない取り決めがなされていた。ドイツ軍の砲撃を恐れたホーキングの両親は、オックスフォードでの出産を決めたのである。ホーキングは小さい頃から「出来る子供」ではあったが、改めて「天才」と呼ばれるほどの才能は示していなかったと言われる。それは、やるべきことはやるがそれ以上のことにはあまり努力を払わないという、ホーキングの性格を表す良い指針であったとされる。
つい最近ホーキング博士はこの世を去ったが、宇宙に夢を抱かせてくれた功績は大きい。
稀代の天才と称される人物はなぜか冬に生まれた人が多い。この天才たちの生い立ちを紹介しながら、その脳の秘密に迫る。社会に出た途端勉強しなくなる人が多い日本で学び続けることの大事さを痛感させられる書籍である。
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