『孫子の兵法』言わずと知れた名著だが、現代に生きる僕たちがどのようにそのエッセンスを享受できるかを主眼においてリーダーたちのバイブルとなるべく生まれた書籍。戦略、戦術から危機管理に至るまでここには全てが詰まっています。
リーダーの戦略戦術
兵は国の大事にして、死生の地、 存亡の道なり。察せざるべからず 兵者国之大事、死生之地、存亡之道。不可不察 (孫子) 『孫子』の冒頭に出てくる言葉である。わかりやすく訳してみると、 「戦争は国家の重大事であって、国民の生死、国家の存亡がかかっている。それゆえ、くれぐれも慎重に対処しなければならない」となるであろう。 『孫子』は中国の代表的な兵法書で、戦いに勝つための戦略戦術を追求した本である。その本の冒頭にこのような言葉が掲げられているのは、きわめて象徴的なことである。こういう思想は、なにも『孫子』の専売特許であったわけではない。中国の兵法書すべてに共通する認識であった。中国の兵法家は、理想主義者や道徳主義者であったのだろうか。そんなことはない。いや、それどころか、かれらはある意味で、したたかなマキャベリストであり、合理主義者であった。だからこそ、こういう認識が生まれてくるのである。考えてもみよ、昔から武力の行使には莫大な経費がかかり、多数の犠牲が伴った。そのしわよせはすべて国民の上にかかっていく。かりに勝ったとしても国力の損耗が大きいし、負けでもしたら目もあてられない。かれらはそういう計算の上に立って、武力の行使は慎重にすべしといっているのである。しかし、こういう警告にもかかわらず、昔からたくさんの戦いが行なわれてきた。その多くは、指導者の野心とかメンツとか、あるいはたんなる行きがかりに起因している。時間をへだててみると、「なんてつまらない 戦 をしたことか」と思われるものばかりだ。
平和な時代における武力の行使に値するものといえば投資だろうか?お金をリスク承知で設備やインフラに投資するのは戦略戦術のひとつといえよう。最近だとキャッシュレスを巡って戦国時代の様相を示している。一体どの会社が覇権を握るのだろう。消費者としてはどこでも使えるひとつのサービスが欲しい一方で、競争がなくなるのは避けてもらいたいところ。携帯電話のように三竦み+α状態ぐらいがちょうど良いかも。
リーダーの危機管理
「彼を知り己を知れば、百戦して殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに必ず殆し」あまりにも有名な言葉なので、ご存知の方も多いであろう。たしかに、敵の力を知らず、自分の力もわきまえずに戦ったのでは、勝てる見通しはきわめて薄い。勝とうとするなら、そのあたりをきちんと把握してかかる必要がある。では、彼我の力を正確に把握するためには、何が必要とされるのか。いうまでもなく、深い読みのできる能力である。あるいは、洞察力といってもよいだろう。これがなかったのでは、話にならない。
「彼を知り己を知れば、百戦して殆からず」というがこれが意外と難しい。特に自分を知ることは近視眼になりがちで自分を高く評価しがちになったり、その逆も。リーダーには状況分析能力が必須。
泣いて馬謖を斬る
諸葛孔明が蜀の精鋭部隊を率いて第一回目の遠征に乗り出したときのこと。先発軍の司令官に、かねてから目をかけていた馬謖という若手の参謀将校を起用した。ところが馬謖は、敵の大軍とぶつかったとき、孔明の指示を無視して大敗を喫し、せっかくの遠征を失敗に終わらせてしまう。期待していた部下とはいえ、馬謖の責任を不問に付したのでは、全軍に示しがつかない。孔明は涙をふるって馬謖を斬罪に処し、その旨、全軍に布告した。その直後、一人の重臣が都の 成都 から陣中見舞いにかけつけてきた。重臣は、馬謖が処刑されたと聞いて、やんわりと孔明に抗議した。 「天下がまだ動乱のさなかにあるというのに、あたら有能な人材を殺してしまうとは、もったいないことをされましたな」すると、孔明は、 「孫武が天下に武威を輝かすことができたのは、厳しく軍法を適用したからではないか。今天下は分裂し、風雲まさに急を告げているとき、かりにも軍法を曲げるようなことをすれば、どうして逆賊を討つことができようぞ」と、涙ながらに苦衷をもらしたという。
いくら自分が目をかけていたとはいえ、軍律に背いて行動したなら処罰をきちんとすることがリーダーには求められる。最近では企業の不祥事で問題を起こした当人の処罰は行ったのにリーダー自身の監督責任を逃れようとするリーダーが多すぎる。これだけコンプライアンスが叫ばれる世の中で、不祥事が起きた時こそリーダーの資質が問われるのだと思う。不祥事が起きないコンプライアンスが徹底された企業しかこれからは生き残れないのだと思う。
中国の兵法書を読み解き現代の様々なシーンに当てはめていく。リーダーのための戦略戦術、危機管理本で常勝を目指せ。
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