読み継がれている書籍には理由がある。半世紀を経てもいまだ本多哲学は指示されている。その集大成ともいえる書籍。人生計画を立てることとは、今ある自分の位置を把握し、道半ばならその後の道筋を示すものとして指針となるものだ。偉大な先人の処世訓。
理想はさらに理想を生む
人生は、生ある限り、これすべて、向上への過程でなくてはならない。社会奉仕への努力でなくてはならない。もし老人のゆえをもって、安穏怠惰な生活を送ろうとするならば、それは取りも直さず人生の退歩を意味するものでなければならぬ。老人も働くに堪えないほど衰弱した人ならばそれもゆるされよう。やむを得ない話だ。しかし、私の場合、どうみても働くに堪えないとの 逃口上 はなんとしてもできなかった。一般の老衰者の場合と事情がちがう。当時の私は八十歳近くであったが、アタマもカラダも少しも衰えたという自意識はなかった。かえりみて、六十歳前後の頃と少しも変わらない。念のために受けてみた東大医学部での健康診断でも、なんらの持病もなく、異状も認められない。十分な健康体であるとの折紙をつけられたほどである。その私が、いま、老人の名にかくれて、安楽怠惰な生活を一人でたのしんでいていいものであろうか。どう考えてもゆるしがたいことでなければならぬ。いわんや、「人生即努力、努力即幸福」なる人生観に到達して、自らもそれを確信し、他にもそう教えてきた身として、これはどうやら矛盾もはなはだしいものである。こうして、私自身の生活に向けられた私自身の疑問に応えて、消滅し去った旧「人生計画」に代えて、新しい第二の「人生計画」を樹立する必要を痛感するに至ったのである。
人生100年時代と言われているが、定年後も元気に働く人がこれからは増えていくだろうし、人口減少で働き手が少なくなる世の中では60歳以上の働き手も重要な役割を持つように。元気ならば働いて年金の足しにしないと年金だけでは心もとないなんて人もいるだろう。
生活安定への道
今後の勤労態度は、単なる個人的利益、功利一点張りの職業観からは、決して完全な成果が生まれてはこない。本当の意味での成功もとうていおぼつかない。あくまでも、それに社会公共の利益と発展に一致したものがなければならないのである。つとめて、各人のわがまま勝手をおさえ、全力を尽くして国家社会の再建進歩のために働くと同時に、その働きによって、ますます各人の研磨精進が行われ、生活的、経済的にもしっかりした地盤が築き上げられていくものであることを要する。そうして、この境地を漸次開拓していくには、なんとしても、私のいつも繰り返しているような、「職業の道楽化」が第一番にめざされてこなければならぬ。職業の適材適所はだれにものぞまれていることだが、実際において必ずしも、それが初めから達成されるとは限らぬ。人々がいよいよその職業に就く場合、環境その他いろいろな事情のために、自己の性格、才能、好み、生活上の都合などと、一から十まで決して一致するものでもなかろう。時によっては、その大部分に反する、不得手、不慣れな仕事に当面する場合のほうが多かろうと思われる。また幸いにして、自己に適する理想的な職業に就き得たとしても、ただそれだけでは成功はのぞまれない。すべてはその後の努力如何にかかることであって、油断とナマケとはいつの場合でも禁物である。それと同時に、万一不慣れ不適当な仕事に当面することになっても、これを天職と確信し、これを命運と甘受し、迷わず、疑わず、最善を尽くして努力するならば、初めの間こそ多少の苦痛は伴っても、いつとはなしその仕事に慣れ、自分もそれに適応するようになって、能率も上がり、成績もよくなり、自然とその仕事に趣味も生じてくる。
生活安定に欠かせない仕事だが、天職と呼べる仕事に就く人はどのくらいいるだろうか。自分ではそうは思わなくてもその業界で何十年も働いていれば天職と言える場合も。その仕事が嫌いでなければ、好きこそ物の上手なれじゃないが、天職と呼んで良いのかもしれない。
楽老期をどう過ごすか
人間は活動するところ、そこに必ず新しい希望が生まれてくる。希望こそは人生の生命であり、それを失わぬ間は人間もムダには老いない。したがって、老人といえどもこの希望を常にもつべきで、それがためには絶えず働きつづけなければならない。もっとも、年をとってはそれほど働けないという人もあるかも知れぬが、それは働かないから働けないのだ。やらないからやれないのだ。何も老人にムリを強いるのではない。自然にしたがって自然に心身を働かせていけばよいのである。実際にも、停年になったからとて、また後進に途を譲ったからとて、昨年までやってきた仕事が、今年から急にできなくなり、昨日した仕事が今日はもうできないというわけはあるまい。こう考え、こう為しつつ、いよいよ日に新たなる努力精進を楽しんでいくならば、何人も勇退して急に老い込むこともなければ、老後の安住も心身共にこれを得られるであろう。
仕事を辞めた途端一気に老け込むなんてこともある。働いていたことの緊張感から解放されたは良いが、覇気まで失ってしまうのは残念なことだ。
東大教授から蓄財の神様と呼ばれるようになった著者の人生計画の立て方。ロースペックな僕には真似できない要素もふんだんにあったが、考え方は踏襲することができそうだ。
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