人望のある人ってどんな人?素晴らしい能力を持っていても部下や同僚がついていかないのでは、いい仕事はできません。この点を間違えると僕のように組織に不釣り合いな人間という烙印を押されてしまいます。一度そう言った烙印を押されてしまうとなかなか回復が難しくセカンドチャンスが少ないのが現在の日本。やらかした人間は徹底的に叩かれます。そこには妬み嫉みなども多く絡んでいて複雑化しているのです。そうならないための人望構築術の本。
泣いて馬謖を斬る
グループの中から特定の目的のために人を選ぶときは、まずその目的が必要とする要件に 適う人にしなくてはならない。能力とか適性とかのあらゆる選択基準に照らし合わせて選ぶのである。その目的を達成するための能力に優れている者を差し置いて、自分が目を掛けている者を選んだのでは、皆に利己的な人であるとの 烙印 を押されて非難されることになる。さらに、そのようにして引き立てられた者までもが白い目で見られる。いわゆる「ひいきの引き倒し」という結果になる。したがって、単に自分が気に入っているからという、半ば無意識の選択基準に従っていたのでは、自分ならびにひいきをしている者が共倒れになってしまう。自ら墓穴を掘ることになるので、厳に慎むべきである。もちろん、企業の中では、仕事もよくできて人間関係に優れている部下を特別扱いするのは、当然の帰結である。それは単なるひいきではなく、実績や実力に基づいて判断したうえでの「 重用」だ。そうしなかったら、逆に不公平になる。能力があって一所懸命に尽くす人については、その努力に対してきちんと報いる必要があるからだ。周囲にいる人たちも、なぜ特定の人がひいきにされるようになったかを、よく精査したうえで、批判するなり容認するなりしなくてはならない。単におべっかを使ったりするためにひいきにされているのであれば、ひいきをする人もされる人も無視してよい。
自分に懐いている部下を引き立てたいという意識が働くのは仕方のないことなのだが、それが限度を超えると他の社員からの不平不満につながってしまう。なるべく実力を加味した上での采配が必要だ。部下の側もそれなりの覚悟が必要で、上司に気に入られる要素としてスキルに磨きをかけなくてはならない。
裁判官にならない
どんなに豊富な知識や経験があり人格識見が高い人であっても、仕事や日常生活の場で裁判官のように振る舞ったのでは、皆に 疎まれることになる。たとえいっていることが道理に適っているのが明らかであったとしても、人を見下ろすようにした姿勢をするので、人々の自尊心が抵抗を感じるのである。そもそも人が人を裁くというシステムには本質的に無理がある。純粋に客観的な視点に立って判断をすることなど、人間にはできるはずがない。全智全能の神のような存在以外にはできない「任務」というべきであろう。 そこで、できるだけ神に近い人をつくりあげ、その人に神にも等しい権威を付与して、判断をさせるのである。まったく次善の策でしかないので、実際の裁判の場でさまざまに不都合なことが起こるのは当然であり、ある程度までは 甘受 せざるをえない。人間社会には法律や契約を含め、さまざまなルールがあり、それが守られないと争いが生じる。それを公平かつ適正に解決しようとするのが裁判である。裁判官は法律の勉強をし、その解釈についての経験を積んでいるが、それだけに限られた幅の人生についての経験しかない。
最近ではSNSやネットの普及により一般人が裁判官のように人を糾弾する行為が横行している。いわゆる炎上のようなものもその一つ。謂れの無いことでネット民たちに叩かれて実名を晒されたりすることも。裁判官は社会の必要上の職業として人を裁いているだけで、人間誰しも人を裁くなんてことは本来あってはならないのだと思う。
先生のサービス精神
資格試験の難度が高いものについては、少なくともそれに合格したという能力と修業に対して、人々は敬意を表する。その典型的なのが医師や弁護士である。特にその業務を行う場においては、尊敬する気持ちに信頼感も含めて「先生」と呼ぶ。もちろん、深い学識があり、指導的な立場にあって人を教え導く人が、先生という言葉の本来の意味である。ちょっとエライだけの人を、 奉っておけばよいだろうと軽く考えて、先生と呼んだりする風潮も見られる。しかしそれを第三者が耳にしたときは、 滑稽 にしか響かない。先生という呼称も、あまり安売りはしないほうがよい。ふざけ半分に親しい人を呼んだり、軽蔑の意味を込めて使ったりすることもある。自分が資格もなく見識もないのに先生と呼ばれたら、「先生といわれるほどの馬鹿でなし」という 川柳 を思い出して、自分の日々の言動について反省してみたほうがよい。
先生という言葉もう無くしてもいいのではとか思ってしまう。人の上に立つこの言葉は時代とともに滑稽な呼び方となりつつある。
人望とはどういったものか、そしてどうすれば人望を得られるのかを考察。人望を得ることができる人間になりたいと思ったら読んでみるとよいでしょう。上に立つものの心得が得られます。
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