黒字上司と赤字上司の違いとは何か?会社にとって必要な存在であり続けるためのマネジメントの鉄則とはどんなものだろうか?
その目標って、メジャラブルか?
測定できないものは目標とどれだけギャップがあるのかがわからない ので、分析のしようがないし、改善策も出てこない。したがって、目標を立てて実行しても、どの程度達成できたのかが、さっぱりわからない。だから、リーダーはチームの目標をメジャラブルにしなければならないのだ。ところが、メジャラブルでない目標を設定するリーダーは意外に多い。たとえば、「スピーディーな接客対応ができるチーム」「お客様に喜んでもらえるチーム」「仕事の精度が高いチーム」といった具合に。このようなあいまいな目標では、今現在どの程度なのか、目標達成まであとどれくらいなのかがわからない。したがって、リーダーとしてはなかなか評価してもらえないだろう。優秀な黒字リーダーは、必ずメジャラブルな目標を設定する。毎月の売上目標や利益目標の金額を明確にし、その目標につながる個別目標も、 「スピーディーな接客対応」→ 「平均接客時間1分以内」 「お客様に喜んでもらう」 → 「アンケートでのお客様満足度 90%超」 「仕事の精度が高い」 → 「処理ミス率1%以下」といった感じに変換するのだ。こうすれば、平均接客時間や、アンケート結果、処理ミス率を定期的にチェックするだろう。そして、平均接客時間が1分半かかっているとしたら、一体どこを改善すれば 30 秒を短縮できるのか、と対応策を考えるようになる。
目標は数字できちんと示さないと分析のしようがない。改善するポイントがどこにあるのかというのはこの数字によってもたらされる。仕事のどこにボトルネックがあるのかを把握すれば改善策も練りようがあるだろう。
想定外という言い訳をするな
この想定外という言葉を都合よく使い、「想定外のことが起こったので仕方ない」といった開き直った態度で言い訳をする人がいる。「想定」とは、状況・条件などを仮に決めることであるが、これは自分自身で決めることであり、この想定の範囲は人によって異なる。要するに、「想定外」のことが多く起こるというのは、それだけ 自分の状況や条件の判断が甘かった ということを露呈していることに他ならないのだ。リーダーなら、「想定外」という言い訳をできるだけ使わないように、想定外の事態を、できるだけ多く想定しておきたいものだ。
リーダーが何か不具合が起きた場合想定外という言葉をよく口にする。それはそのリーダーが無能であることを晒しているようなものだ。そのくらい想定しておけという事例があまりにも多いのがこの世のつね。どのようなケースが考えられるかはシミュレーションしておくのが黒字リーダーだ。
過去の数字との比較
ある経営者は、よくリーダーにこんな声をかけている。 「自分とこのチーム、ちっとは背伸びたんか?」 この経営者は、前期や前月、前年同月など過去のチームの数字と比べて、実績が伸びているのかどうかを注視していた。いわゆる、 期間比較 と呼ばれるものである。また、ある経営者は、会議中にこんな言葉をよく発する。 「自分、『言うだけ番長』になってへんか?」この経営者は、リーダーが掲げた目標数値や会社が承認した予算数値と比べて、その数値が良かったのかどうかを注視していた。いわゆる 予算比較 と呼ばれるものである。さらに、次のようなことを言っている経営者もいた。 「自分とこのチーム、ライバルと比べてその数字はどないやねん? 漫画もスポーツもライバルがおらな盛り上がらんやろ?」この経営者は、競合他社の数値やそのリーダーの出世競争のライバルとなるリーダーの数値、あるいは大きな黒字を生み出しているチームの数値などと比較して、競わせることが重要と考えていた。いわゆる 他者比較 と呼ばれるものである。この「期間比較」「予算比較」「他者比較」の3つの比較を使えば、リーダーはチームの数字が何を意味するか、より深く理解できるようになるだろう。
過去の自分と比較することは成長の度合いを測るのにちょうどいい指標となる。前年比でいくら伸びているかその成長は継続的なものか、それとも一時的なものか。指標は様々だが他社比較ばかりしていると自分の本当の成長から遠ざかってしまう事も。他者と比較するもの闘争心を煽ることがあって良いのだが、そればかりだと本当は成長しているのにそれがうまく評価されないで、腐ってしまう部下がいるかもしれない。チームとしての数字、個々人としての数字、会社全体の数字と分けて考えないと間違った評価をしてしまうことに。特に会社は儲かっているが赤字ばかり生み出している赤字リーダーがなぜか社内で威張っているなどというギャップを生むことに。
リーダーになったら、数字を常に意識すること。その具体的な例を挙げながらその数字の意味を優しく解説。部下を持ったら読む書籍。
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