消費税の増税のみならず、自民党の小泉進次郎議員が推進する「こども保険」なる実質的な増税も、基本的には国民を痛めつける緊縮政策です。国の政策のみならず、高利回り元本保証を謳う金融商品も、相変わらず根強い土地神話も、事実無根のファンタジーです。引っ掛かれば必ず損をする「カモ釣り」だと思ってください。もう騙されたくないと思ったら読み進めていってください。
「雇用減で失業増」は本当か
最低賃金と生活保護の不均衡状態を解消するためには、最低賃金を上げるか、生活保護を減らすか、二つにひとつです。もちろん、生活保護を減らすのは福祉切り捨ての批判を浴びるので、できません。そこで当然、最低賃金をもっと上げるべきだという議論が出てきます。
最低賃金についてはいろんな意見がある。最低賃金が1,500円あれば、生活保護より最低賃金の方が確実に高くなります。実現すれば「病院に行ける」「長時間バイトをしなくて済む」などの声が。時給1,500円、高いに越したことはないが、本当にこれで救われるのか?最低賃金を上げると、企業が労働者の雇用に消極的になり、かえって失業が増えるおそれを指摘する人も。これに対する反論をノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のポール・クルーグマン教授が述べています。カードとクルーガーの研究が行われる前までは、ほとんどの経済学者は雇用にマイナス効果をもたらすと考えていた。しかし研究の結果、効果があるとすれば、プラスの効果であることが判明した。この研究結果は、多くの事例から得たデータを使って確認されてきたが、最低賃金引き上げで職が失われるという証拠は一切見られなかった。
「収入増で雇用増」は本当か
「カードとクルーガーの研究」というのは、カルフォルニア大学バークレー校のデービット・カード教授とプリンストン大学のアラン・クルーガー教授が行なったニュージャージー州のファストフード店における最低賃金の変化と雇用への影響に関する調査のことです。アメリカのファストフード店の多くは最低賃金近辺で労働者を雇っているので、最低賃金の変化の影響を最も強く受けます。一九九二年にニュージャージー州で最低賃金が引き上げられましたが、隣のペンシルベニア州では据え置きでした。もし理論どおりであれば、ニュージャージー州の州境にあるファストフード店の雇用者数が減って、ペンシルベニア州では逆に増えるはずです。しかし、結果はそうはなりませんでした。なんとペンシルベニア州に比べてニュージャージー州の雇用が増加したのです。
なぜこんなことが起きるのか?肝は「需要独占」という状況です。需要独占地域(働く場所が限られている地域)にあるファストフード店はもともと儲けすぎで、賃金が安く抑えられていたため、最低賃金を上げる余力があります。給料が適正値に戻っただけなので、雇用者には影響がないわけです。そう考えると、日本にも儲けすぎている(給料が適正値より安い)企業に最低賃金引き上げを断行すれば雇用を減らさず収入増が期待できるのではないかと思います。
ベーシックインカムを支持すべし
ちなみに、指摘した生活保護>最低賃金となる問題は、じつをいうと、安倍政権になってからすでに解決しています。(中略)もちろん、直接的には、最低賃金を引き上げたことで解決されたわけですが、その副作用である失業率の上昇なしにこれを成し遂げたという点が重要です。景気がよくなることで世の中の問題は解決するのであり、そのために一番重要なのは財政金融政策であるということです。また、貧困対策としては、最低賃金を上げるより、ベーシックインカムといった再分配政策を導入する方が有効です。ベーシックインカムとは国民一人あたり一ヵ月の食費程度(四万円から一〇万円)の金銭を一律に配る制度のことです。この制度を導入する代わりに、生活保護など条件付き給付制度はすべて廃止、統合されます。これがポイントです。
現在の生活保護給付は条件付きで、申請者がその条件を満たしているかどうか、地方自治体の職員がチェックしなければいけません。生活保護受給日に区役所に行くと長蛇の列が見られます。またホームレス等に狭い寝床を提供し生活保護を受給させピンハネするといった輩も暗躍して問題になっています。ベーシックインカムの場合、収入が基準を下回れば、自動的に給付されるのでこうした手続きはいりません。
老後の住居費がゼロになる話
じつは、多摩にかぎらず、神奈川も埼玉も千葉も似たような状況にあります。結局、これらのエリアに戸建て住宅を持っていても、過疎化という現実から逃れることはできないのです。
よくある投資話だが、「老後の暮らしを豊かに暮らしたいでしょ?」「だったらマンション投資がいいよ」などと無責任に煽る輩が多いように感じる。そもそも儲かる物件なんて、市場に出回っているものなのでしょうか?不動産屋は売ってしまえばその時点でペイできるのでどんどん買え買えと促しますが、買った本人たちはマンションの修繕や空室問題に直面し儲かるはずが負の遺産になることも多いと聞きます。結局手に余る状態で、安価に手放すことになりここでまた不動産屋が儲かることに。
その他、「年金を払わなくてよくなる話」「国の借金がなくなる話」「郵政民営化阻止で外資を退治する話」「TPP阻止で国益を守る話」「補助金をばらまいて地方を歳差英する話」などうまい話を著者なりの視点で喝破していきます。
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