田舎への移住を推進する書籍。コンパクトシティなどの施策が試される世の中と逆行した提案だが、退職後田舎暮らしをしていくにはある程度の覚悟が必要だ。地域によっては昔からの慣習がよそ者を歓迎しないところも。もちろんウェルカムなところの方が多いのだろうが、自給自足についても、周囲の協力を得られないと難しだろう。それに医療などについても難しい問題点が残る。
物価は田舎の方が安いが
生活必需品という観点からすれば、食料品であれ衣料品であれ、田舎にも一応は整っているので、不便な思いをすることはない。だが、種類が少ないと、それだけ自分が十分に満足するものがない確率が高くなる。選択の範囲が狭いので、自分なりにはできる贅沢もできない。その点において、都会であれば、より自分の好みに合ったものが手に入るので、より大きな自由を享受しながら生きていくことが可能である。選択の自由があるということは、実際には経済的に自分の手が届かないものが多かったとしても、豊かな生活ができる基盤となる。仕事の世界を離れると、それまでに比べると、十分に時間がある。何かを買うときでも急いで決める必要はない。あちこちの店に行って、あれこれと物色し比較検討したうえで、決めればいい。歩き回れば、いい運動をすることになる。いろいろと比べてみれば、頭を使う結果となる。放置すればさびつく危険性のある頭に、刺激を与えて回転し続けるようにする効果も期待できるのではないだろうか。何か一つ商品やサービスを買うという行為をするときでも、都会であれば、このように役に立つ付随的な利点がある。年を取るにつれて狭くなっていく傾向がある、自分の世界が広がっていく。それが、精神的に豊かな生活にほかならない。どんなにいいものが手に入る環境に置かれていても、選択の余地がなかったり少なかったりすれば、束縛された感じを受けるのが、人間の贅沢なところだ。新鮮な魚ばかりではなく、時には、それほどおいしくなくても、変わった魚も食べたくなるのが人情だ。都会には、そのような、わがままな欲を満足させてくれる環境が整っている。
田舎に移住して格安で古民家を借りたり、廃校になった学校の校舎を利用して自分の事務所にしたりする人もいるようだが、僕は比較的便利な交通機関も張り巡らされた地域に住む方が自由度は高いような気がする。Amazonで買い物すれば、次の日には商品が届くし、生活に必要な病院や美容院、カフェなども徒歩圏内にあることで、充実した生活がおくれる。
行動範囲を考えて
車を持っていなかったら、車庫を借りなくてもすむし、行く先々で駐車について心配しなくてもいい。道路の渋滞を気にして運転する必要もなければ、ガソリン代が高くなろうがどうなろうが、意に介することもない。気を使わなくてもすむし、金を使わなくてもすむのである。年を取ってきたら、車を持つこと自体がお荷物になるはずだ。だが、田舎にいたら公共交通機関網は張り巡らされていないので、自動車に頼らざるをえないであろう。自分自身で運転できなくならないまでも、年齢とともに注意力が散漫になるのは避けられなくなるので、危険性は大いに増す。最後の最後になって足腰が立たなくなったら、人に頼らざるをえなくなる。しかし、それまでは自分自身の足で歩いていくことを基本とするべきだろう。その行動範囲内に、さまざまな施設や店舗などがあるのが理想的である。できるだけ自分自身の力で、自分の身体を移動させて用を足すことができるところに住んだほうがいい。子供のときは、独立独歩できるのを目指して、勉強したり自分を鍛えたりした。その結果、大人になって、いろいろなことが独りでできるようになった。だが、年を取ると、若いときのように走り回ることはできなくなる。その点をカバーするためには、行動範囲が狭くなる分だけ、自分が必要とするものに、できるだけ簡単に手が届くように知恵を働かせなくてはならない。
僕は免許取り消しになったので、車の運転はできないが、いざという時あると便利という理由で、妹が住んでいる戸建ての住宅の車庫を借りている。家計が苦しくなったら維持できないが今の所大丈夫。行動範囲というところを考えると、僕は徒歩圏内でほぼ生活の9割をまかなっている。3ヵ月に1回精神科に通う時以外は車や電車にすら乗らない。便利のいいところに住むメリットを最大限享受できるライフスタイルをおくっています。
田舎暮らしと都会暮らしを天秤にかけた時どのような人は都会の生活にメリットを見いだせるかがわかる書籍。シニアこそ都会に住もうということで、都会暮らしの良さを語っています。
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