なにがあっても、ありがとう｜鮫島純子

2020年12月28日

何が起こってもその事象に感謝する。常人では考えられないくらいどんなことにも感謝する著者。つらく苦しいことこそ、それに誠実に向き合えば人生豊かになるということを実践していて尊敬します。ネガティブなことも感謝してありがたく享受する。それによって生きていくのが格段に楽になるものです。

悩み深い人間関係にも、大きな意味がある

一挙手一投足を監視されているように思えたり、時には意地悪をされて傷ついたり、仲間外れにされて苦い気持ちにさせられたり──。そのような逆縁、悪縁の人にも、長い人生では出会うこともあるでしょう。そんなとき、「自分は何もしていないのになぜ？」とか、「あの人の性格が悪いせいでこんなにつらい目にあわされるんだわ」などと、つい相手を非難したり、相手が変わることばかりを期待しがちです。けれども、「袖擦り合う〜」のことわざの通り、そういう相手にも、私たちは御縁があるからこそ出会うのだという「人生のしくみ」があります。こういった悩み深い出会いは、前世で未解決だった問題のエネルギーが、今世で現れて消えるために起こるということです。目の前に現れた問題と向き合い、そこから何かを学ぶことができれば、前世からのネガティブなエネルギーが消えるのですから、現れたことに感謝すべきといえましょう。それを「不幸」「嫌なこと」ととらえていては、再び失敗。今世でもクリアできないことになってしまいます。また、その人たちは、前世で私たちがやってきたことを見せて、反省を促してくれている場合もあるようです。少なくともこのようなことを自然の摂理として信じると、「苦手」とか「困った相手」、「憎い人」と責める思いは消え、そういった相手も「ありがたい砥石」と思えるようになってきます。原因があって結果があるのが、人生のしくみ。「原因がなければ結果は現れない。自分にこそ、その原因をつくったエネルギーがあり、その連鎖を断ち切るのは自分の責任」と思い知って、自分が変わるのが先です。

全ては生まれ変わったときの苦悩につながるという考え方。現世で苦労して何かを成し遂げたら来世では少しマシな人生が待っていてそこで救われるのだという。逆に現世で羨ましい才能に恵まれた人は前世で想像を絶する努力を重ねた人なのだと考える。そう考えると魂の輪廻転生は平等なのだという。人は現世でことを為そうと様々な努力をしますがそれで報われなくても来世があると言われても、やはり現世で恩恵にあずかりたいもの。人はそれだけ欲深いのだ。

つらく苦しいことにこそ、誠実に向き合う

永遠のベストセラーといわれる聖書には、「神は耐えられないほどの試練は与えない」という聖句が載っています。いくら神様のなさることといえども、そのようなものを「与えられる」と逃げたくなるのが人情です。けれども、「身近に起こるマイナスの事象は、自らが決めたレベルアップの手段で、すべて自分で解決できるはず」と解釈するといかがでしょうか？どんなにつらく苦しいことも、感謝の気持ちしか生まれないように思えます。こう認識できるまで、私も時間がかかりました。けれども、繰り返し「どんなことにも逃げず、誠実に取り組むことにこそ意味がある。もしも自分の期待通りにいかなかったとしても、自分に必要な学習」と思い続けた結果、次第にそのような気持ちで受け止められるようになったのです。たとえば失敗も、自分を育てる貴重な体験です。なぜ今、自分はこういう事態を引き起こし、自分に何を学ばせようとしているのか、そう考えて問題と向き合うと、失敗もありがたく感じ、自然と事態も好転していきます。

失敗は自分を育てる貴重な体験。これは教訓にもなる。失敗もありがたく感じ、フィードバックを繰り返していけば、いずれ自体は好転する日が来ると信じたいものです。

人と比べない

「人は私をどう評価しているのかしら」などと、人の目を気にするようなことは要りません。自分は自分、人は人です。人と比べるより、「昨日の自分より今日の自分は、一歩でも二歩でも前に進めた。ありがたい」と、自分の心を内観しながら、感謝して生きていきたいものです。感謝や思いやり、優しさ、人に尽くしたい奉仕の心などを深めるという自らのレベルアップこそ、人生の目標。幸せは、その目標に向かって、一瞬一瞬を大切に生きることで得られましょう。目の前のことに一所懸命取り組んでいけば、人をうらやましいなどと思う気持ちは、自然と起こらなくなっていきます。

他人と比べるとキリがない。そこそこ成功している人でも、周りを見渡せばもっと成功している人はいくらでもいる。そこと比べても仕方がないこと。

つらく苦しいことにこそ誠実に向き合うことが大事と説く書籍。災難や不幸にさえ感謝して生きられればもう無敵！

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