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『なぜアヒル口に惹かれるのか』野村 理朗

いま、アヒル口の女性が急増し、男たちがそれに惹かれているのはなぜだろうか?認知科学や脳科学、社会心理学などの知識を駆使して、意外に奥深いアヒル口の魅力を考える。「好みの子の顔はなぜ忘れない?」「美人は人類共通か?」など顔や表情にまつわる幾多の疑問も氷解する、刺激と感動に満ちた知的エンタテインメント本。

萌え要素もあるアヒル口

「アヒル口」には男性の「萌え」という感情をかきたて、「萌え要素」として好まれてきたという特殊な歴史があります。本書ではこの点にも注目したいと思います。「萌え」とは、もともと漫画やアニメ、ゲームといった二次元メディアを愛好する、いわゆる「アキバ系」と呼ばれる男性たちによって使われるようになった概念です。一般的な定義として、美少女キャラクターに対して抱く好意・傾倒・愛着・興奮といった、恋愛に似た感情、性欲に似た欲求(ただしそのものではない)を指します。また、「猫耳萌え」「しっぽ萌え」「白衣萌え」「メイド服萌え」「ツンデレ萌え」といったように、彼らが萌え感情を投影する「萌え要素」は、各人の好みに合わせてかなり細分化されています。しかも、「 ○○ 萌え」の「 ○○」にあたる部分には、それ自体には人格のないパーツや衣装、態度などが入ることが多いようです。どちらかといえば、「フェチ」と同じようなニュアンスで使われているわけです。このことは、「萌え」が「好き」「愛している」「つき合いたい」といった、異性に対する他のポジティブな感情(これを「快感情」といいます)とは、やや性質が違うことを示しています。やがてアヒル口は、この「萌え要素」の一つとして二次元メディアに取り入れられるようになります。

萌えという言葉が2次元から飛び出して現実世界でも使われ始めて久しいが、この萌え要素にアヒル口も入るのだという。萌えかどうかは別として、広角をあげた状態のアヒル口は自然と笑っているように見え好感が持てるのは確かだ。天然のアヒル口の人もいれば、鏡の前で練習して人工的にアヒル口を使いこなす女性も現れる。そうした女性は同性に男性に媚びているというレッテルを貼られ、嫌がられるようなことも。それでも男性はバカなので、人工のアヒル口に好感を寄せるのがわかっているので、女子の生存戦略としての人工アヒル口が流行るのだろう。

記憶に残りやすいという側面も

記憶しやすさと知識・環境・感情の3条件を踏まえたうえで、はたしてアヒル口は「記憶に残りやすい魅力的な顔」といえるかどうかを考えてみましょう。順番は前後しますが、まず「感情」の側面です。第1章で、笑顔は人のポジティブな感情を生起するということがわかりましたから、もともと笑顔に近い口の形をもったアヒル口は、見る人の快感情( = ポジティブな感情)を刺激する顔 = 記憶に残りやすい顔といっていいでしょう。しかし、アヒル口の顔そのものは、最近になって登場してきたわけではありませんし、昔からこのような口の形をしていた人は、数え切れないほどいたはず。「なぜいま、アヒル口なのか」となると、やはり「知識」と「環境」が影響していると考えられます。近年になってアヒル口をした女性タレントや二次元キャラ──鈴木亜美さんや上戸彩さん、アニメの涼宮ハルヒなど──が増えたことで、マスメディアが注目するようになりました。いや、むしろメディア側の戦略的な仕掛けかもしれません。いずれにせよその結果、アヒル口に関する社会全体の「周辺知識」は増えました。また、その形の特徴を端的に言い表せる造語、「アヒル口」が誕生したことも大きいでしょう。ひとたび言語化された対象は、私たちの意識に強く働きかける。アヒル口が一つの潮流としてメディアに取り上げられるようになったことで、いままでアヒル口を意識していなかった人にも、アヒル口に関する「知識」が蓄えられていったと考えられます。

確かに笑顔の女性はそうでない女性に比べ印象は良いし、記憶に残りやすい。現在はブームもひと段落して、そんなにアヒル口について語られることは少なくなったが、いまだに男性からの支持はあついように思う。

若い女の子が好きな老人は、いつまでも元気でボケない

若い女の子が好きな老人は、いつまでも元気でボケない」という説を耳にします。それが本当だとすると、ドーパミンがワーキングメモリーを活性化させるという、切っても切れない両者の関係を証明する一端かもしれません。線条体が活性化されるのは、美人を見たときだけではありません。おいしそうな料理を目にしたとき。好きな映画や音楽に触れたとき。スポーツで汗を流して爽快な気分になったとき。いままで知らなかったことを初めて知ったとき。そして、アヒル口のような「好みの顔」に出会ったとき。そういう様々なシーンで、ドーパミンは放出されています。だからといって、「アヒル口に萌えると、記憶力が上がる」というのは、ちょっと言いすぎかもしれません。しかし、少なくとも脳科学のメカニズムからすると、あながちウソとも言い切れないところもあるのです。

僕も例に漏れず、若い女優さんやアイドルが好きだ。年齢を重ねた女性に興味が沸かないかといえばそうでもないのだが、この女優さんはいいなと思ったら年齢を聞いて、自分の娘でもおかしくないことを知り愕然とする。でもボケ防止になるのなら、それも良いだろう。

「アヒル口」最近あまり効かなくなった言葉だが、依然として女性の生存戦略として人工的に口角を上げる人も。アヒル口について真面目に研究した面白い書籍。男性が見て可愛いと思う事実が女性を駆り立てるようだ。お金をかけずちょっとした練習で「可愛い」という評価を手に入れることができる魔法のようなものなのです。

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