ペットを飼う上でしつけは必須。家の中でのトイレ問題や散歩中にいうことを聞くよう躾けないと飼い主に負担がかかる。それも含めて可愛いのだが、そんな苦労を知らずに可愛いからという理由で安易に飼い始めこっそり捨てる人が一定数いるのも悲しい現実。飼い主を噛んだ時の犬の言い分とはどのようなものか?
寄生って大変
他の動物の体内に入って 、ということはつまり 「寄生虫 」になることである 。寄生虫といえばすぐ思い出されるのはカイチュウだろう 。カイチュウは人間や犬 、猫などの腸の中に寄生して 、腸の中で消化された食物を食べている 。ふしぎなことにカイチュウ自身は消化されることはない 。体が堅いガラスのようなものでおおわれているからだ 。卵は人間の便とともに人体外へ出る 。それがやがて土ぼこりにまじってそこらじゅうへ飛ぶ 。そういうほこりのついた野菜などを食べると 、カイチュウの卵は再び人間の腸の中に入り 、そこで孵って寄生生活がはじまる 。昆虫にも寄生生活をするハチやハエがたくさんいて 、寄生バチとか寄生バエとか呼ばれている 。けれど 、寄生バチや寄生バエは 、カイチュウなどとはいろいろな点で決定的にちがう 。これらの昆虫たちは 、成虫ではなく幼虫が他の動物の体内に入りこむ 。しかも 、円虫類のカイチュウが人間という哺乳類にとりつくのとはちがって 、同じ昆虫類の他の種類の昆虫に寄生することが多いのだ 。いってみれば 、人間と同じ仲間の哺乳類である小さなネズミが人間の体内に寄生するのと同じことである 。その上 、寄生バチや寄生バエは 、寄生した動物 (宿主 )の腸の中で栄養を盗むのではなく 、宿主の体そのものを中からバリバリと食べていく 。ただし 、腸とか神経とか気管とか 、宿主の生存にたちまちかかわる部分には手をつけない 。そのため宿主は 、外から見たところは何の異常もないままに 、体を食われていくのである 。なんとも怖いことだ 。
寄生するのは大変。他の動物の体内でうごめく様子はちょっと気味が悪いが彼らも生存のため大変なのだ。僕も寄生虫みたいなもんだ。
秋の鳴く虫
秋は鳴く虫たちの季節である 。コオロギ 、スズムシ 、キリギリス 、ウマオイ 、クツワムシと 、名前をあげていけばきりがない 。日本に 「鳴く虫 」は二百種ぐらいいるだろう 。鳴く虫たちが鳴くのは彼らの繁殖戦略のためである 。オスが鳴いてメスを呼び寄せるのだ 。そのとき 、メスのほうも小声で鳴いてオスに答える虫もいる 。夏のセミも 、同じようにオスが鳴いてメスを呼ぶが 、発音のしかたがぜんぜんちがう 。セミの発音器は 、いうなれば太鼓やつづみのような打楽器である 。ピンと張った一枚の膜を振動させて音を出す 。ただしその膜をバチや棒でたたいて振動させるのではなく 、膜の下側についた筋肉の伸縮によって震わせるのである 。そしてその音を腹部で共鳴させてあんな大きな音にする 。秋の鳴く虫たちの楽器は 、いうなればバイオリンのような弦楽器である 。左右のはねの特定部分をこすりあわせて音を出し 、それをはね全体に共鳴させるのだ 。はねの形やこすりあわせる部分の構造 、こすりあわせかたのちがいなどによって 、それぞれの虫に特有の鳴き声になる 。
虫たちの鳴き声で季節を感じるなんて人も多いのでは?セミからスズムシへと季節の移り変わりを。あんな小さな体を上手いこと使って鳴くわけだからその仕組みを自由研究で発表する子供も多いはず。
犬の由来
前に書いた猫の場合とは違って、犬は飼い主のいうことをきく。よくしつけられた犬は、飼い主の命令をじつによく守る。「ここで待っていろ」と指示されて、二時間でも三時間でもじっと待っている犬を見ると、かわいそうな気がしてくるくらいである。猫はネズミを捕るために飼われたというが、犬は番犬、警察犬、狩猟犬など、さまざまな役目を果たす。信号が青に変わるのを待って歩きだす盲導犬を見て、敬服しない人はいないだろう。猫とは対照的な犬たちのこのような行動は、犬の祖先であるオオカミが数匹の 群れ で生活する動物であったからだとされている。パック内には厳とした順位があり、順位最高のリーダーに従わなければ生きていけない。犬はふつう、自分の飼い主の一人をリーダーと見なし、忠実にその命令に従うのだと考えられている。だから飼い主一家の中でもだれか一人の言うことはよく聞くが、家族の他のものにはあまり従わない場合がある。しつけのしかたをまちがえると、犬は自分がリーダーだと思いこみ、飼い主を 噛んだりすることになる。いわゆるアルファ症候群である。
犬も猫も昔は狩やネズミなどの害獣駆除のために人間に飼われていた経緯がある。芸を覚える犬は飼い主をリーダーだと認識している証拠。自分がリーダー(格上)と思っている犬は飼い主であろうとも噛み付くのである。
自分をリーダーだと思っている犬、わがままな猫の秘密に迫る書籍。噛まれないためには主従関係を見直さなくてはならない。
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