廃止寸前のコンビニエンスストアで働く副店長のヒロイン。近所にライバル店ができて、売上が急降下します。廃店の危機が迫る中、マニュアルを徹底して、何とか売上回復を狙いますが、まったく成果が出ません。それどころかどんどんジリ貧になっていきます。そこに現れたのが67歳のアルバイトのオバチャン。動きはのろいし、しょっちゅうトイレに行き、マニュアルも守りません。しきりにお客さんのおせっかいを焼きます。しかし、このオバチャン、お客さんの心をつかむのがうまい。オバチャンが来てから、少しずつ売上が上向き始め……。おせっかいな「コンビ二の女神様」が巻き起こす奇跡に号泣必至。すべての働く人が元気になるビジネス小説です。
ハンバーガーショップで30個注文してみると!?
ハンバーガーショップでの話だ。1人で来たお客さんが、レジで、「ハンバーガー30個ください」と注文した。すると、店員はニコニコ笑って、「こちらでお召し上がりになりますか?それとも‥‥」と答えた。「バカヤロー!30個も一人で食えるわけがないだろう〜」という笑い話だ。それでもユカリは、「マニュアル」が一番だと信じている。「マニュアルなんて」と口にする店に限って、そのマニュアルさえも、きちんとできていないものだ。まず「マニュアル」ありき。フランチャイズの店は、それさえしっかり開いていたら売上はついてくる。
朝いつもの通り、カフェに寄る。僕はいつも店内で読書をしながら過ごすのだが、たまに珍しい店員さんがレジにいると、「店内でお召し上がりですか?」と聞かれる。店員がお客を値踏みするようにこちらも店員をランクづけする。お客が店内派か否か、よく注文する飲み物は何かなどお客の情報は多岐にわたる。僕の場合、新商品のドリンクが出るととりあえず一回は試しに飲んでみるが、気に入らなかったらいつも通りのドリンクへ戻る。この習性を知ってか、レベルの高い店員さんは僕がレジに立って注文してすぐに注文された商品の用意を始め、お会計の決済が終わりレシートがレジから出てくるまでにドリンクを完成させる。マニュアルはあるのだろうが、こうした一人一人のオペレーション能力が物を言う世界。接客って気遣いなんだなと感じる出来事だ。
トイレの神様
店に入ってくるなり、暴走族風の一団のリーダーらしき大柄な男が、後から付いてくる子分格の男たちに言った。「ここのトイレはよお〜、この前一人の時に来てびっくりしちまったんだ。綺麗でなぁ〜。もうピッカピカよ!だから気に入ってるんだ。ちょっと俺たちのエリアから離れてるけど、また来たいと思ってたんだ」「リョウさんはオシッコ近いからね」と、髪の毛を真っ赤に染めている男が言った。「バカヤロー」「へへへ‥‥。オレ、買い物してますから、ゆっくりションベン行ってください。オレも後から交代で行きますから」そこへ、オバチャンがトイレから出てきた。「おう、オバチャン、トイレ掃除ご苦労さん!この前も、オレが入る前に掃除してくれてたよな」「はいはい。いらっしゃい」「また来たぜ!仲間連れてな」「今、キレイにしたばかりだからね、外にこぼしちゃダメよ!」「わかってるよ」「もしこぼしたら、自分で拭くのよ」「客だぜ、オレ。厳しいなぁ〜」オバチャンは、リーダーのお尻をポンと叩いて言った。「お腹空いてたら、辛太郎食べてかない?美味しいわよぉ」「おっ、ピリカラのやつだろ、オレ好きだぜ」「売れてるのよ〜」「おう、包んどいてくれ!みんなの分もな」「さすが親分!太っ腹ねぇ」「なんだよ、その親分って、人聞きの悪い」そう言いつつも、嬉しそうな顔をしていた。最も、黒いサングラスをかけているので、表情だけでは笑っているのか怒っているのか、よくわからなかったが。
いつもノロノロ仕事をして、しょっちゅうトイレ休憩を取るオバチャンだと思っていたら、トイレ休憩はトイレの掃除をまめにして常にキレイに保つためのものだった。僕の勤めていたお店でもトイレ掃除を熱心にやってくれるありがたいスタッフがいた。男性客がほとんどのゲーセンと言う特殊な店舗では、すぐにトイレを汚される。汚い話、意図的にいたずらで的を外す輩も大勢いた。時にはトイレットペーパーを丸ごと便器に突っ込まれたり、洗面台の裏に手を拭いたトイレットペーパーを毎回突っ込んで帰る客など色々な客に遭遇した。車やバイクで移動することが多い人なら誰しも経験する、トイレ問題。トイレがキレイなコンビニはついつい立ち止まってしまいますよね。品揃えや、店員の対応とともに重要なファクターだと思います。
「買ってもらいたい」が見えてはだめ
商品を買ってもらいたいと言う心が見え見えだとお客は引いてしまう。オバチャンの「思いやり」は、目の前の損得を超えています。心に響くサービスとは何か。接客業に限らずあと1%のお節介が人生を劇的に変えるものとなると言うお話。フィクションですが実話も取り入れつつ書かれたものなので、リアリティもあります。
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