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だから女性に嫌われる|梅森 浩一

どうしてこんなことくらいで、セクハラ扱いされるのか。職場の女性に漠然とした不安すら覚える御時世、好かれる必要はないにしても、せめて嫌われたくない。彼女たちの本音が知りたい。「よかれと思って蘊蓄を語る」「雑用を頼む前に『いま忙しい?』と聞く」「面と向かって注意ができない」。何気ない言動で、人間性が暴露する。互いの好き嫌いにはキリがない。でも、気持ちよく毎日を過ごしたい。一度のギクシャクが長引いて、職場が苦痛の場にならないために、人事のプロが伝授する「転ばぬ先のコミュニケーション術」。

あなたもセクハラしてるかも

ふだん、あなたは職場の女性に対して、次のような発言を平気でしていないだろうか。 「あっ、○○ちゃん、悪いけど、お茶を二ついれてくれないかな」 「ちょっと急ぎで、コピー二部とってきてくれる?」 「今日デート? うらやましいな~」 「なんで結婚しないの? もったいない」 「なんだかんだいっても、女は子どもを産んで育てなきゃダメだよな」  ……。こうした発言の背後に見え隠れするのは、「女の子なんだから当然だろ?」といった思い。私が取材した範囲でも、ほとんど例外なく女性社員がムッとした男性のタイプは、こうした発言に代表される、女性に特定の役割を求める人というものであった。これに対しては、「いまだに!?」と同情を禁じえない。 「女性なんだから」ということを前面に押し出して、身勝手にも自分(=男性)はやらんでもいいと、雑用ばかりを押しつける。または、明らかにセクハラと思われる非常識な発言をくりかえす。挙げ句には、「おまえは女だから○○のハズだ」と、むやみに相手が女性である点を強調し、オレたち(男性)とおまえたち(女性)とは、どこまでいってもレベルが違うのだと、相手に誤解されても仕方がないような口ぶり。そんな男性は、例外なく嫌われる。いってみれば、女性社員を「職場のお手伝いさん」程度にしか考えていない、はなから戦力とはみなしていないのである。もちろん、それなりの理由があってのこともあるかもしれない……と断りの 枕詞 を置いたうえで、あえていうならば、やはり、あなたの女性に対する「おっ、ここにちょうど都合のいいお手伝いさんがいるぞ」といった態度は、相手の女性を失望させるに十分な要件を兼ね備えているのだ。 「周りから期待されていない」ことが、どれだけ本人のやる気を 削ぐことか。それは男性であるあなたも、年齢に関係なくよくわかっていることと思う。

総合職と一般職があること自体がセクハラを生む原因ではなかろうか。仕事内容の違いから差別されがちになってしまうのだと思う。女性のお茶汲みをさせる男性という構図はこの区別がある限り続くのではと思ってしまう。男性だって仕事を覚えていない新人の段階ではお茶汲みやコピー取りなどの雑用は進んでやるべき。

女性を上手に育てるには?

最近、「女性を上手に育てるには」といった見出しの雑誌の特集記事を目にしたが、そこであげられていた項目は、特に女性だけにあてはまるユニークなものではなかった。ごくごくふつうの、たとえば、「部下を信頼して仕事を任せる」「結果がうまくいったらほめる」「大丈夫だよ、とひと声かけて励ます」などが 羅列 されていたにすぎない。正直なところ、「あれっ、これのどこが女性向きなの」と思ったほどだ。だが、よくよく考えてみれば、これは至極当然なのかもしれない。多くの女性社員が職場でもっとも大切に感じていること、それは「公平・公正に扱われること」なのだから。それがきちんと職場で実行されていれば、「男だから」「女だから」といった区別はおのずと無意味になり、その結果、「女性だけに通用する上手な育て方」など、原則的には必要なくなってくるはずだろう。そう考えると、「このオヤジが!」と何かと男性上司を毛嫌いする女性にしても、じつのところ、なにも「男性だから嫌い」なのではなく、たとえ、上司が同性であっても、不公平・不公正な扱いをされれば、我慢ならないはずなのだ。ただし、偶然であっても、男性上司に「オヤジ」と侮蔑すべき点が 凝縮 されていることが多いのも、これまた真実なのであるが。

女性を女性として扱っているうちは女性からの反感を買うのは仕方ないことなのかもしれない。男性と同じ扱いをして仕事を振ったりしてこそ女性の地位向上に一歩踏み出すのだと思う。逆に男性で使えない人材は今まで女性にしてきたような扱いをするべきなのかもしれない。

女性に嫌われると仕事が滞るのはいうまでもないが、そうなる前に男性側も対策を練らねばならない。これをやったら女性に嫌われるよというのをわかりやすくのっけた書籍。男女分け隔てなく快適な仕事場にするために必要なことが詰まった書籍だと思います。女性の部下を持ったらまず読んでおくと良いでしょう。

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