コピー1本で100万円請求するための教科書。コピーライター志望者、若手コピーライターに知ってもらいたい本当の話。“伝える"だけのコピーなんて、コピーじゃない!著者は、広告キャンペーンでプレイステーションの全盛期をつくり、いまなお最前線で活躍するクリエイター・小霜和也氏。コピーライティングというビジネスの根底を理解すると、効果的なコピー、人を動かすコピーが書けるようになる。広告とコピーに関わるすべての人に役に立つ、いままでにないコピーライティングのビジネス書。
物の価値とは、人との関係で決まる
もし、いま、あなたの目の前に僕が現れて、 「このグラス一杯の水道水、百円で買いませんか?」 と言ったら、あなたは蔑むような眼で、 「頭だいじょうぶですか?」 って言うでしょう。でも、もし、あなたが砂漠で遭難して飲み水が尽きていたら、 1万円出してでも買ってくれるんじゃないでしょうか。普段はバスを使う人も、暑い時、疲れている時、急いでいる時は高いお金を出してでもタクシーを使おうと思います。これが価値というものです。価値とはモノとヒト(の置かれた状況)の関係性で決まるのです。『チェキ』のケースもそうですよね。日本で最初のコピーライターは「エレキテル」を完成させたことで有名な平賀源内だと言われています。彼が「土用丑の日」を普及させたのは広く知られています。もともと鰻は冬に脂が乗るので夏にはほとんど食されなかったんですね。それで困っていた鰻屋から相談を受けて、彼は「夏バテ防止に鰻を」というキャンペーンを展開したわけです。ターゲットは「夏バテしている人」。USPは「他の魚と比べて鰻は精が付く」。といったところでしょうか。このキャンペーンが「夏に鰻を食べるとよい」という新しいモノとヒトとの関係をクリエイトしてしまったわけです。
日本で最初のコピーライティングは「土用丑の日」。今ではすっかり定着した感もあるこのコピー、ずいぶん昔につけられたコピーだが今でも健在なのはすごいと思う。価値あるコピーとはこういうものという良い例ではないだろうか。コピーとはちょっと違うが、バレンタインデーの友チョコなんかも普段は買わない高価なチョコレートを消費させるためのものとして定着しつつある。いつの間にか自然発生的に始まったこの習慣も「友チョコ」という言葉を作った人がどこかにいるはず。
本当の敵は誰だ
アマゾンが日本に進出したばかりの頃、雑誌や新聞の広告を展開していたのですが、僕がそのコピーを書いていました。広告では「送料無料(一定の買い上げ以上)」をUSPにしましたが、これは僕が予想した以上に効果がありました。通販利用者はいったん「送料無料」を目にしてしまうと、他の通販サービスで送料を払うことがとてももったいなく感じるようなのです。アマゾンはその心理に目を付けたのですね。彼らの躍進は「送料無料」が下支えになっています。このようにターゲットの本音や欲求からUSPの種をがんばって見つけるというまっとうな戦略がひとつ。 コモディティ化が進みすぎて商品に差が全くない場合は、商品名をCMソングにして刷り込んだり、好意度を獲得してファンを作ったり、そういうやり方も一定の効果があります。そのCM露出に合わせてお店が商品をいい場所に並べてくれたりするからです(一般にCM出稿は流通の協力を得るため、という側面もあります)。
アマゾンの送料無料サービス、アマゾンプライムには僕もお世話になっている。他のサイトだと一定額以上買い物しないと送料無料にならないなど、使い勝手が不便。それにひきかえ、年会費さえ払っていればほぼ全ての商品が無料配送されるこのサービスはまさに神サービス。アマゾンの利用頻度が高い人ならすぐに年会費を回収できるし、Amazonプライム・ビデオなどのサービスも付随して便利。
「ターゲットインサイト」とは
Appleもインサイトを捉えるのが上手いと思います。僕はずっとWindowsPCを使っているのですが、理由は、Macと比べて、パーツを自由に選んで自作機としてカスタマイズできる柔軟性があるのと、フリーウェアやシェアウェアなどソフトの種類が豊富だからです。WindowsPCもMacも、今やハードの独自性はほぼなく、違いはOSだけ。Adobe社のソフト『Photoshop』や『Illustrator』もWindowsPCで使用できるので、もはやデザイナーであってもMacを選択する合理的理由はないと僕は思っています。 しかし、AppleファンがMacを使用する主な理由は合理的なところにはないでしょう。彼らの多くはAppleの哲学や思想に「惚れている」のだと思います。広告クリエイターのほとんどはMacを使いますが、「Think different」というスローガンが、「オンリーワンでありたい」という彼らのインサイトに直結しているのでしょう。Appleもシェア維持のために「イケてるやつらが使っている」イメージが重要であることはちゃんとわかっていて、ハリウッド映画のほぼ半分にApple商品を登場させるなどして(プロダクト・プレイスメントという手法です)存在感を高めようという努力を怠りません。
僕は一時期DTPに興味があってスクールにも通っていたので、必然的に選択肢はMacとなった。しかし、その頃からずっとMacユーザーだったわけではなく一度Windowsに戻った時期があった。しかし、やはりMacを持つという、人とは違う選択肢に惹かれてまたMacに戻ってくることに。アップルは商売がうまいよね。
広告コピーに1本100万円の価値を持たすための教科書。広告業界で一旗あげたいと思うならこれくらいは知っておいた方が良いという内容が詳細に書かれています。各章の終わりにはコピーライターが知っておきたい用語が解説してありスムーズに読み進められます。
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