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がんを告知されたら読む本|谷川啓司

抗がん剤、病院選び、がんの正体…妻と父を”がん”で失った医師が分かりやすく伝える、がん治療の基本
不安に襲われたときは何度でも繰り返し、この本を開いてください。たとえがんであっても、治療をしつつ人生を楽しんでいる患者さんやご家族がたくさんいることを忘れずにいてください。

がん自体に症状はない

がんのために痛みや不調などの症状が出る場合は、がん細胞そのものがそれを引き起こしているというよりも、がん細胞の塊が症状を起こす場所にできたのが理由 だといえます。裏を返せば、いくらがんが大きくなっても、その塊がある場所によってはまったく症状を起こさないということです。したがって 症状を起こしている塊が、がん治療により縮小したり取り除かれたりすれば、症状はなくなります(しかし、もし全体的にがんの量が減って治療効果があったと判定されても、症状を起こしている部分の塊が小さくならなければ、場所によっては症状を減らすこととは無関係なこともあります)。患者さんにとってはがん治療の効果があるかどうかも大切ですが、症状がある場合は、それが消えるかどうかがとても重要です。場合によっては、 がんの治療よりも症状を軽減する治療を優先させることもあります。

僕はがん検診にいったことがない。なのでもし罹患したら気づかぬまま進行する可能性が高い。がんは治る病気というけれども、100年とか生きたら確実にお金に困るので、がんでサクッと死ねたらいいなと。症状に現れず、なんかしこりができたなと思って受診したらステージ4で、緩和治療を行うしかないぐらいがちょうどいい。

なぜ日本人に、がんが多いのか?

医療が発達したことによって、以前はがんと診断されずに亡くなっていたような人も、がんと診断される機会が増えました。今や国や自治体の働きかけで多くの人が健康診断を受け、自主的に人間ドックを受ける人も増えています。医療保険制度のおかげで、誰もが気軽に病院に行けますから、ちょっとした不調で身体の検査を受け、そこでがんが見つかるケースも増えています。以前は老衰が死因と診断されていたケースでも、 医療の発達によって、がんが見つかり、がんによる死亡と分類されることも多くなっているはずです。以上のようなことが、日本人にがんが多い理由と言えるでしょう。

がんとか見つかんなくていいよね。本当はがんにかかっているけど、見つかんなくて老衰で死んでた時代の方がよかったのかもしれないと僕は思う。長生きはいいことという考え方は100歳まで生きるリスクを考えない人の考え方。下手にがんと診断されて気持ちが落ち込むよりも、知らずに老衰で死んだほうが幸せな場合だってあるように思う。

がんの三大治療

がん治療の基本は、身体の中にあるがん細胞と、それが寄り集まってできた塊を取り除いて増殖を抑えることです。そのための治療は、 手術、放射線、抗がん剤(化学療法)という三大治療のどれか、もしくはそのうち複数の方法の組み合わせ になります。この三つは多くが健康保険の適用もあり、ある程度の効果が医学的に証明されています。三大治療は、それぞれ目的が異なります。この三つの治療は、局所治療と全身治療の二種類に分類できます。 局所治療が「手術」と「放射線」、全身治療が「抗がん剤」です。 局所治療とは、がんの塊がある部分(局所) に対する治療であり、がん細胞が増えて集まった腫瘍の塊を含む、一定の領域が治療対象 です。がんは血管やリンパ管を通してがん細胞が全身にばらまかれる可能性のある病気ですが、局所治療はあくまでも現時点で肉眼や画像で確認できる腫瘍だけを対象にしています。

がんになった時お世話になる確率が高いのが三大治療。それぞれメリットデメリットがあり何が良いかというのは場合によって違う。もし治療を行うことになったら、なるべく体への負担と治療による苦しみが少ない治療がいい。

緩和ケア

緩和ケアとは本来、文字通り病気のつらさや症状を緩和する手当てのことですから、もし痛みや不快感などの症状があるなら、どの段階のがんでも緩和ケアを受診して構わない のです。残念ながら、がんを小さくする治療には限界があります。しかし、何度も言うようですが、がん治療の目標は、がんをなくしたり小さくしたりすることとは限りません。できるだけ普通の生活を送りながら、本来の寿命に近づけることです。つまり 自分らしい生活の質=QOL(Quality Of Life) を上げて延命すること。そのためにできる医療はたくさんあります。QOLは患者さんの自覚する様々な症状によって、大きく左右されます。QOLの維持のために大事なのはがんをなくすことより症状をなくすことです。がんの症状が少しでも収まれば、QOLが維持され、それが免疫を上げることになります。ひいてはがんの進行を抑え、延命にもなるのです。

僕が一番興味があるのが、この緩和ケア。なるべく治療によって普段の暮らしが阻害されない方法が良いと思う。自分らしい生活の質=QOL(Quality Of Life) を上げて延命することが大事。

がんを告知されたらやはり凹むだろう。どんな治療があるのか、自分が求める治療とは何か?がんに罹患する前から決めておくのもいいかもしれない。そんな気の早い人のためにもなるがんを告知されたら読む本です。

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