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「民意」の嘘 日本人は真実を知らされているかを読んで民意の嘘を感じる

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櫻井よしこ、花田紀凱、阿比留瑠比、百地章、佐藤正久、永栄潔(敬称略)により2015年から2016年にかけての問題を主として論じている対談形式の書籍。アンチ朝日新聞臭の漂う書籍なので読んで不快になる人(ちなみに僕も朝日新聞購読者だが、新聞はつまみ読み程度でほとんど読まない)もいるかもしれないが、そこは割り引いて読んでいきたい。

尖閣諸島や南沙諸島における中国

中国は毎月3回、3隻の海警局所属の公船尖閣周辺の日本領海に侵入してきている。その背後には中国海軍の艦船が2隻控えている。彼らは日本の動向と同時に、有事にアメリカがどう動くか見ているという。南シナ海の約9割を自国の領土だと主張し南沙(スプラトリー)諸島での人工島埋め立て等も、米軍が1991年、スービック海軍基地とクラーク空軍基地を返還して以降、その領域でのアメリカの影響力が非常に弱くなったことが原因の一つだという。(当時フィリピンの軍事力は微々たるもので、戦闘機や潜水艦もゼロだった。)一方、中国の爆撃機等の軍事力も年々進化していて、領空侵犯に対するスクランブルの回数も10年前の7倍にも及んでいる。

安保法制に反対する人々

「日本が戦争できる国になる」「徴兵制」や「戦争法案」こう言った言葉で民意を煽る。しかし、大国の中で攻撃兵器(攻撃型空母、弾道ミサイル、長距離爆撃機など)を持っていないのは日本ぐらいで、ましてや他国を攻撃なんてできやしない。「徴兵制」についても素人を3〜4年訓練したところで近代兵器を扱うなんてことは到底無理で、そこにかかるコストはどこから出すのかといった非現実的要素も出てくる。テレビなどでは「SEALDs」の若いメンバーを頻りに映していたが、実際にはその周りにいた大勢は年寄りばかりで、70年安保反対の活動をしていた老人とか組合員や活動家なども多かった。このようなデモで2015年8月30日が最も大きいものとなったが、主宰者発表では参加者12万人と発表。だが、産経新聞が航空写真から試算した結果は3万2000人、警察当局の発表は3万3000人と明らかに乖離がある。個人ならまだしも大きなメディアの場合、影響力も強いので裏取りするため正確な数を数えて報道する必要が有ると思う。花田氏はラップで「戦争ハンタイ!」「安部倒せ!」と言っている連中はただ騒ぎたいだけ。60年、70年安保騒動の時の学生の方がまだ覚悟があったとバッサリ。終電になると一気に帰っていく若い参加者たちを皆さんはどう見るだろうか。

自衛隊が様々な事案に対処するために…

いざという時自衛隊がフレキシブルに動けるように様々な法律を見直しして動く。かなり広範囲な法整備が必要で1992年のカンボジアを皮切りに始まった国連平和維持活動いわゆるPKOへの自衛隊参加からもう20年以上経っている。安全保障の法整備の議論は今に始まったことじゃなく、遅すぎた感もある。

自分の意見を刷り込むメディア

力のあるジャーナリストでもテレビ局幹部に文句を言わない。言うとテレビから締め出されるからだ。こうなってくると視聴者側もテレビの嘘を見抜く力が必要となってくる。僕の場合、色んなジャンルの本を読むことで情報源を絞らず知識を得ていくことが大事だと思う。テレビはもともと感性のメディアだから視聴者は洗脳されやすい。最近ではテレビに違和感を感じることが多くなってきている感じがするので「テレビってそうだよね」と言うスタンスで視聴している。

強硬な姿勢をとる国の危険性

南沙諸島での中国、クリミア半島におけるロシアなど、アメリカやイギリスは口では避難していても、自国の若者の血を流してまでクリミアを守ろうとはしなかった。戦後の日本は日米安保条約に基づいてアメリカが日本を守ってくれるという考えだったが、そのアメリカはオバマ大統領が2013年9月10日の演説で「アメリカは世界の警察ではない」と発言した。もう軍事介入しないという意味だろうか。アメリカ大統領選が連日報道されているが、アメリカはこれからどこへ行くのだろうか。懸念はあるが私たちには投票権はない。

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