ベストセラー『こんなに弱い中国人民解放軍』に続く、待望の最新作!!中国の核ミサイルは、自衛隊のミサイル防衛システムでは打ち落とせない。加えて、ニクソンと毛沢東の密約の結果、日本には米軍の「核の傘」も存在しない……ところが、日本のローテク武器だけで中国を崩壊させるのは簡単なのだ!中国という国家と人民解放軍の脆弱性を暴く第2弾!!
なぜ米軍一個大隊をポーランドに
たとえば米陸軍は今後、リトアニア国境に近いポーランド(NATO加盟国です)のスバウキ村付近に、いつでも一個大隊を展開できるようにするつもりです。これは明瞭にトリップワイヤーの任務を帯びた部隊です。もしロシア軍の大軍がポーランド領になだれこめば、最前線の一個大隊など、たちまち壊滅でしょう。しかし、現実にはそうはなりません。なぜかというと、一個大隊がその場で奮戦すれば、申し分のないトリップワイヤーになるのが必定だからです。
誰が侵略戦争を始めたのか、一個大隊の奮戦で明らかになり、米国民への説明もしやすくなる。米軍全体では、ロシア軍など恐れておらず、むしろ欧州戦線で堂々と戦争して負かしてやりたいという各級部隊司令官が何万人も出番を待っているわけです。ロシア軍もそのことを理解するだけの「戦争のセンス」があるがゆえにポーランドへの正面からの軍事侵略はできないわけです。
中共の石油自給は絶望的
たとえば、隣国のロシアが将来もっと弱くなったなら、中共は、「シベリアはもともと清国のものだった」という一度引っ込めた主張をまた持ち出して、西シベリアから北樺太に至る石油・ガス資源も奪ってやろうと狙っています。もし成功すれば、今度こそ中共悲願の「石油アウタルキー」は実現されるでしょう。しかしその領土侵略の動きを察知した国際社会は、間違いなく対支石油禁輸を発動するでしょう。そうなった暁に、わずかな石油自給力の違いが、モノをいうのです。「あと少し軍隊を活動させ続けるだけの石油があれば、侵略戦争は完遂できる」という見通しが立つからです。
1988年3月にはスプラトリー諸島のいくつかの島を巡って戦闘が起きて、ベトナム兵72名が殺され島を奪われています。中共とベトナムは常時戦闘状態にあると言っても過言ではない。ベトナムのように国境を陸地を通して接してはいないが、ボルネオ沖油田を狙ってスプラトリー諸島と南シナ海全域の支配を進める北京の動向を見抜き、慌てず騒がず対決姿勢を取っているのがマレーシアだ。マレーシアは、インドネシアとともに、マラッカ海峡の海面の半分を扼しており、いざとなったらマラッカ海峡を機雷封鎖することで中共の息の根をとめることもできるという。こう言った動きに対し日本は、マレーシアやベトナム、フィリピンを個別に「武器援助」によって応援することができるというのが著者の弁。
核の傘
もしもロシア軍が戦術核兵器を用いたなら、米空軍はただちに、ドイツ空軍やイタリア空軍やオランダ空軍の戦闘攻撃機のために、この「B61」爆弾を提供することになります。これを「ニュークリア・シェアリング」(報復核兵器の共有政策)といいます。
米空軍の教官がNATO軍パイロットに対し核爆撃はこうやるんだと稽古をつけてやっている。平時からそのような想定訓練や演習を行うことによって、ロシア軍も「モスクワの壊滅」というシナリオも真剣に考えるように。それが抑止につながる、これが核の傘です。非核三原則がある日本の場合はどうか。オフレコで「中共が核武装するのに日本は何もしなくていいのか」と突き上げてくる自民党議員に対しては、「レギュラスを積んだ米潜が佐世保や横須賀に寄港してくれています。これが日本に差しかけられている米軍の核の傘です」と、やはりオフレコで説明する。
台湾に援助するよりベトナムに
中共体制が続く限り、中共が尖閣海域で騒ぐことをやめることもありません。また、東京にはいつ中共からの水爆ミサイルが落ちてくるか知れません。その高速ミサイルを迎撃できる「ミサイル防衛」は存在しません。防ぐ方法はただ一つ。専制的中共体制の終焉をシナ人民の手で実現させることです。まさにこの意味において、日本とフィリピン、ベトナム、マレーシア等は、「地政学的に運命付けられた東アジアの防支連盟」だといえましょう。
それには日本が、機雷戦闘能力を「武器援助」すればいいだけと著者は説く。まさしくローテク武器で中共体制は終わります。フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ等に機雷戦闘能力を与えることで一発の核ミサイルも発射されることなく、防衛できしかも安上がりで効き目抜群。西太平洋での大戦略は、敵国及び敵軍に対する「機雷戦」を中心に組み立てることで最も安全、安価、有利に勝利をもたらす。
オスプレイやステルスの配備ばかりニュースになる昨今、機雷というローテク武器が鍵を握るというのは軍事に詳しくない僕にとっては斬新だった。中共とともに米国もトランプ大統領が軍事費をあげると言っている中、国防に関心を持たざるを得ない状況が続きそうだ。
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