無職で収入も年間100万前後、実家暮らしで家族はいるが、未婚の僕はまさに持たない人。そこにどんな幸福論があるのか気になってこの本を手に取った。
普通とされている生き方モデルがすごく高いところに設定されていて、実際にそれを実現できるのは全体の半数以下ぐらいの人だけでしかないのに、「真面目にやっていればそれをみんな普通に達成できるはず」というプレッシャーが社会全体に漂っている気がする。
確かに世間では俗に言う「リア充」などの虚像を追いかけ無理をして(SNSなどで)いる人をよく見かける。周りにいくらよく見られようとしても承認欲求が少し満たされるだけで、所詮は自分は自分何も変わらないのだ。そして、「普通」から外れてしまった人をフォローするセーフティーネットもまだまだあまりない。僕の場合病気なので社会保障やなんやで色々助けられてはいるが、そういったものの存在も知らずに苦悩している人も多いのも事実だ。
「社会↔︎自分」「肯定↔︎否定」
⑴ 仕事も自分もいい感じ(社会肯定・自分肯定)
⑵ やらなきゃいけない仕事はあるけど、つらい(社会肯定・自分否定)
⑶ 自分はもうだめだ、仕事も何もかもどうでもいい(社会否定・自分否定)
⑷ ひたすら自分の好きなことをしているだけで楽しい(社会否定・自分肯定)
→そしてまた、⑴ に戻る
⑵の状態から焦って⑴に戻ろうとするとしんどい。焦らず⑶⑷のステップを踏み⑴に戻ることを著者は進めている。僕自身病気を発症したばかりのころは早く職に復帰しなくてはと面接を受けまくり3回の転職をしたがうまくいかず⑶の状態になり酒を喰らいネットやPC友人関係も全て断ち切り自殺未遂も2回経験し入院する羽目に…。現在は⑷の状態が続いています。
家族のメリットとお金に縛られない生き方
家族を持つ一番のメリットとして子供や老人や病人のケア。これは未婚で両親と暮らす僕の不安要素でもある(他に妹がいるが、シェアハウスに住んでいる)。そして、社会的優遇や恋愛・性欲などによるモチベーションなども挙げている。
お金に縛られないとはいえ、最低限の収入は必要がだ、僕の場合は幸い病気で入院(2回)したときの保険金や社会保障、働いていたときの貯金などを切り崩し年間80万円ぐらいで生活している。貯金が底をついたときはまた収入源を考えなくてはならないが、今の所好きな事だけ出来ている。とくに本を読むのはコストパフォーマンスが高いと著者は言っているが同感だ。知識を得たり、ブログなどで感想を書いたりと時間を潰せたりして、充実感も味わえる。
自分の居場所を見つける
まず会社とか家族など1つのコミュニティーだけに人間関係を求めていると閉塞感を伴うので、複数の顔を出せる場所を持つと良いという。僕の場合は家族以外にコミュニティーといったものに属していないので確かに閉塞感があるが、週2でカフェに読書しに出かける事で解放されている。出かけると同じように本を読んでいる人や「おっ!この人もMacユーザーだ!」とか思う事で親近感が湧いたり(話しかけたりはしないが)そこに自分の居場所(いつも同じ席に座る)を見つけられる。
この本を読んで人の幸福っていろんな生き方で違ってくる事を認識できた。こんな自分でもいずれ「社会肯定・自分肯定」状態に戻れる事を祈りつつ…
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