現在、脳科学の分野は目覚しい進展を遂げていますが、お釈迦様は2600年以上前から、脳のメカンイズムまで踏み込み人間の心を分析してきました。その偉大なる智慧を現代で流行の脳科学にのせて、「悩みを生み出す脳のメカニズム」、「悩みを消すためのシンプルな実践」として紹介。脳を開発し、すべての心の問題を解決するための8つの脳開発プログラム。著者は脳科学者でもなんでもないのでこの書籍に書いてあることは、あくまで仏教的アプローチということを理解した上で読んでほしい。
鵜呑みにする癖をやめる
世間では、「儲け話に乗ってしまって貯金をだまし取られた」というケースがものすごく多いですね。原始脳の感情に会う話に乗っているのです。「簡単に儲かりたい」という気持ちは、存在欲から発生する貪りです。
お釈迦様の真理の世界以外の、世の中の宗教を否定し、「信じる」ことは「鵜呑みにする」ことだと著者は言う。僕には信仰心というものが一切ないので、これには共感できた。「祈り」で何か物事が変わっていくことはない。「水が飲みたい」と祈ったところで口が水で満たされることはなく、グラスを手に取り蛇口のあるところまで行き水を注がなければ飲むことはできない。「祈り」はある意味愚痴や妄想を語っているのと変わらない。だからって信仰を否定するわけではない、ただ自分には信仰心がないというだけのこと。
思考、妄想を管理する
いったん精神病に陥るとなかなか治らないのは、こうした理由からです。だからといって、薬で脳の機能を低下させる方法は、正しい治療になりません。治るどころか、薬に依存するはめになります。薬を使って落ち着いているのだといっても、病気が治ったわけではないのです。治すには、脳に現れた悪い妄想の配線を壊さなくてはいけません。そのために、悪思考の妄想を善思考で置き換えるという方法を、お釈迦様は推薦します。
たしかにいったん精神病にかかると治りにくいのは身をもって体感している僕だが、薬の使用を否定するのは古すぎる考えで承服しかねる。実際薬の投与は症状の改善とともに減らしていく治療を行う医師もいるし、厳しい症状の患者にはやはり薬が有効だ。思考の中に余計な欲が入っていくことも著者は嫌う。ここで指す欲とは、「おいしいものが食べたい」「きれいな服が着たい」「可愛いカバンが買いたい」といったものは余計とは言えません。アルバイトの身で「ルイ・ヴィトンを買いたい」とか「高級外車に乗りたい」とかいったものが余計な欲というが、ローンを組んでまでこういったものを手に入れる、とかではなければいいのではないかと僕は思う。消費が増えれば経済も回るし。そういった欲が意欲につながることだってある。
目覚める
ここでいう「目覚める」とはどういうことか、説明します。「過去に起きたことに悩まない、未来のことを心配しない」ということです。
「人生の全ては、今という瞬間をどのように過ごすかということに尽きる」とわかっていても、未来のことが心配になる(僕の場合過去に起きたことで悩むことはあまりない)。メディアや本で「下流老人」「老後破産」「老後には3000万円必要」などという言葉が乱れ飛ぶ世の中でそれと反対の意見を述べている書籍や記事を探したりして安心を求める。問題は「心配を感じる・感じない」ではなく、不安要素を感じた場合、解決の糸口は「今にある」というところがポイント。僕ならば、差し当たり節約して貯蓄を増やすということだろうか。解決の糸口が見えず何もできないことなら放っておくというのが著者の弁。
面白くない勉強をうまく教えるコツは?
「真剣」だと生徒は聞きません。専門知識を使ってどうふざけるかを工夫しましょう。
まず「教える」ということは、ただの遊びだと考えたほうがうまくいきます。小学校や中学校ならそんなに難しい内容を教えるわけではないし、専門分野の先生だったら、教える側がその内容をよく知っています。ですから、ポイントは「知識」というデータを使って、自分がいかにふざけるのかということだけでしょう。「真剣」だと、生徒に通じません。そして、ふざける方法を考えるのは楽しいです。
小学校ではとくに嫌いな科目はなかったが、中学校ぐらいから徐々に嫌い・苦手な科目が出てくる。授業の担当の先生が面白いか否かは生徒の授業に対する興味を引き出す要素の一つとなる。アラフォーの僕の時代は中学から英語教育が始まり、そこで出会った英語の教師が人望はあったが授業に面白みがなかったせいで英語嫌いに。この英語嫌いは大学に至るまで常に僕に付きまとい進路に影を落とした。苦手科目があったら面白い授業をしてくれる先生を求め家庭教師や塾、予備校を活用するのがオススメ。つまらない授業だなと思ったら即他の先生にチェンジ。夏期講習や冬期講習でいろんな先生を試してみるのもいいかもしれない。
脳開発と銘打って仏教を語り尽くす書籍だが他の宗教を否定するほど素晴らしいものかどうかは読者次第。少なくとも信仰心の薄い人にはちゃんとした脳科学の書籍のほうが役に立つかと思います。いいこと言ってるんだけどお釈迦様の真理の世界以外の宗教を否定していることによってちょっと気持ち悪さが残った。
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