「多動力」とは何か。それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。かつては、マイナスでしかなく、おかしな人だと思われていたが、これからの時代はこの「多動力」こそが最も必要な能力だ。全産業の〝タテの壁〟が溶けたこの時代の必須スキルを身につけよう。
寿司屋の修行なんて意味がない
日本人は、修行や下積み、球拾いなど、苦しいことを我慢して行う美学が相変わらず好きだ。この本を読んだあなただけでもそんな空っぽな幻想から目覚めてほしい。以前、ツイッターで「寿司職人が何年も修行するのはバカ」と投稿したら大炎上した。しかし、僕は未来ある若者が卵焼きを作るのに何年も無駄な時間を費やすのを見ていられない。
情報伝達手段が発達した今、何をやるにつけ、探そうと思えば、動画でやり方を説明しているものを見つけたりすることができる。ど素人からでもタダでノウハウを学ぶことができる時代となっているのだ。それなのに、職人に弟子入りして下積みで同じ食材をひたすら切り刻むことを強要され、肝心な技術はなかなか教えてもらえない。これはただ、職人が自分の習得した技術によって得ている仕事を、弟子に奪われないための保身ではないかとまで思ってしまう。それなら短期間で寿司職人になれる学校というのがあるから、そちらでお金を払って学んだ方が早い。実践に勝るものはないからだ。寿司職人に限らず、パン屋の技術や開店ノウハウを数週間で教えてくれるなんていうサービスもある。そこで学んだ人の中には、人気店にまで成長させる人も出てきているので、やはりやった者勝ちだろう。新規に店舗を出しても1割ぐらいしか残らない飲食業の世界(他の起業家たちも同じようなもんだが)だからこそ、暖簾分けをこうして手軽に受けられるサービスは魅力的に映る。
これは部活などでも同じで、僕が中学校の時バレーボール部で、一年生はネットを張り、ボールを準備したのち、上級生が登場。上級生が練習で打ったサーブのボールをひたすら球拾い。自分たちがサーブの練習ができる時間は限られていた。なので上級生登場前後に練習するしかなく、実践練習などはほとんどさせてもらえないという機会損失が生まれる。下級生にも平等に練習時間が与えられればもっと早い段階から上達したことだろう。
肩書きがひとつではダメな時代
- あなたの肩書きを紙に書き出してみよう。
- 三つ以上ない人は反省しよう。
- 反省(2秒でいい)が終わったら、ほしい肩書きを理想でいいから書いてみよう。
- では、その肩書きを手に入れるにはどうすればいいか。1万時間を捻出するための計画を立ててみよう(具体的に)。
肩書きを三つ以上ない人は反省しようとは手厳しい。1万時間を使ってプロとして認められるぐらい習熟した肩書きを持つのはなかなか難しい。かと言って、よく意識高い系と揶揄される人々のようになんだかよくわからないカタカナの自称肩書きを三つ揃えてもあまり意味がないような気がする。コツコツ肩書きの習得(1万時間でなくとも他人に認められるようになるまで)に向けて頑張るしかない。
あなたがやるべき仕事とは?
- あなたが抱えているタスクをすべて書き出そう。
- そのうち、アルバイトや同僚、上司でもできる仕事は赤ペンで潰していこう。
- 残ったのが「あなたがやるべき仕事」だ。
- 赤ペンで潰したタスクをやらない方法を考えよう(具体的に)。
- 万が一、すべての仕事が赤ペンで潰されていたら、大問題だ。自分にしかできない仕事はないか、落ち着いて考えよう。
多くの仕事を同時にこなすには「自分でやらないこと」を決めるのが大事。自分以外にできない仕事を残しそれ以外は、思い切って他人に任せよう。ブログを始めたばっかりの時、WordPressのテーマを自分で作ろうとHTML5とCSS3を独学で学んだが、すでにWeb上には多くの使い勝手のいいテーマを存在しており、一から作って思い通りのデザインにするより手っ取り早いし完成度も高いので既存のテーマを導入することにした。自分にしかできないことは記事を書くこと。本の感想やMacを使ってて困ったことがあるたびそれを記事にしている。そういった記事は需要は少ないが長いことPVに影響を与える。まさに手作り弁当かコンビニ弁当かという選択と似ている。毎日学校に弁当を持っていく学生も多いだろうが、母親(あるいは父親)が毎日手作り弁当出なければならないという呪縛に囚われている人が多く存在する。手作りはありがたいが、弁当の中身が冷凍食品だっていいし、たまにはお金を渡して、「コンビニで好きなもの買って行きなさい」という柔軟さも忙しい毎日を送る人たちには重要ではないかと思う。その方が子供も喜ぶかもしれません。僕は中学時代母親が入院していたこともあり毎日1000円もらってコンビニでおにぎりやパン、飲み物やデザートを買って部活の朝練に行っていた。今考えると弁当に1000円って!?いじめられる理由がここにもあったような気がします。
いくつもの仕事を同時にこなす、あるいはいくつもの肩書きを持つことは凡人の僕には難しいが、そういった心持ちだけでも吸収できればと思いながら読了。
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