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「ヨーロッパから民主主義が消える 難民・テロ・蘇る国境」世界平和を願う日本人であれ

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第二次世界大戦の反省をもとに、「ヨーロッパは一つ」という理想を掲げ誕生したはずのEU。右傾化が進み、国境線を閉ざす、理念と乖離した加盟国の姿。難民とテロによってギリシャで生まれ、フランス革命を経てヨーロッパの誇りとなった民主主義は終焉を迎えてしまうのか。イギリスのEU離脱が現実のモノとなろうとする今、この惨状は、日本にとっても決して「対岸の火事」ではない。グローバル化の止まらない世界で、TPPなど「国境を超える枠組み」とどう向き合えばいいのか。テロや難民、EUと世界情勢の行方を描いたKindleUnlimited読み放題書籍。

「ギリシャをEUから追い出すって?そんなことできるわけないよ。僕たちがヨーロッパなんだから」デフォルトの危機に襲われていた最中、ギリシャではそんなジョークが流行ったという。ヨーロッパという言葉は、古代ギリシャの女性、エウロペからきている。

ギリシャこそがヨーロッパの源だという認識は、たんにギリシャ人だけのものではなく、西ヨーロッパ人に共通の認識でもある。ドイツのギムナジウムの国語の授業では、ギリシャ悲劇が扱われる。ギリシャ悲劇は正真正銘の古典文学であり、日本の『古事記』のような位置づけだ。

そのギリシャの抱える問題が膨らむにつれEU全体の亀裂が浮き彫りに。EUの内包する根源的な問題が露呈する一つのきっかけだとすれば原因は何か。現在EUを牽引する立場であるドイツ、ヨーロッパで起こっているのは、共産主義にも匹敵する人類最大の社会実験が崩れていく事態だ。テロ・難民・財政問題・ナショナリズム…ドイツはそしてEUは現在どうなっているのかを見ていこう。

「EUの利益」とはそもそも何なのか

EUは普通の国家のような、本来の税収を持たない。歳入といえば、関税収入や消費税収入、EUの法律に違反した場合の罰金収入や預金の利子だけでそれ以外は全て加盟国からの拠出金で賄っている。それは全歳入の7割に達する。当然のことながらどの国も自分たちの拠出を減らし、歳出の方では自国により多くの補助金が出るよう画策する。中でもイギリスは〝鉄の女〟サッチャーにより多くの金が注ぎ込まれた農業政策からイギリスがほとんど利益を受けていないという理由で、自国の拠出金の払い戻しを要求しEC(当時)は押し切られ以来、ECがEUになって今日に至るまで、その拠出金のほぼ66%を免除されている。人口とGDPに応じて本来ならばドイツに次ぐ2番目の拠出額を義務付けられているイギリスだが、実際はイタリアよりも少ない。しかも当時の契約でイギリスの同意なしにこれが変更できないことになっている。

押し寄せる大量の経済難民、甦る国境とナショナリズム

ユーロ危機で揺れるEUを空中分解させるものがあるとすれば、難民問題だろう。EUの塀の中では機能するはずの民主主義だったが、その塀が難民によってどんどん崩されているからだ。密入国は後を絶たず、それを斡旋するブラックビジネスも増え、麻薬や人身売買よりもずっと大きな黒い金が動いているのが現状だ。大量に押し寄せる難民の映像は、一時期ここ日本でも多く報道されたので見た人も多いだろう。自国の利益のためそれらを阻止しようとする動きも出てきているが、網の目をくぐり流入は続く。我々日本人は世界の中で行きたくない国はあっても、いけない国はほとんどない。しかし、地球上には向こう側の世界にいけない人が大勢いる事実を知るとなんて恵まれた国なのだろうと改めて感じる。

「国境を越える枠組み」と日本の選択

AIIB(アジアインフラ投資銀行)という誘惑があった。ご存知中国が主導するアジア向けの国際開発金融機関だ。最初はアジア連合かと思われたが、ヨーロッパ各国がこぞって参加。アジアでの投資が期待できる商売と思われている証拠だが、ADB(アジア開発銀行)のように貧困対策に資金をつぎ込むことはないだろう。AIIBはあくまで商売ベースで運営されると思われる。

戦争を放棄した日本の外交は、国益だけでは動かないが、それが国に不利益をもたらすこともある。アラブやアフリカで起こっていることを公正に判断し得るのは日本人以外にない。それを自覚し、世界平和に貢献するため欧米人とは違った視点が必要だろう。

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