不安や落ちこみ、マイナス思考、ネガティブな感情はできれば避けたいもの。ですがこれは人間の身を守る本能からなる警告システムなのです。これらは行動を最適化するためのもの。この本の内容を理解し、実践すれば、あなたのメンタルは、自然に強くなっていくでしょう。
自然な弱さは防御反応、 湧いた感情を疑わない
人間の体のしくみは、感情や感覚をつかさどる脳のしくみも含めて、およそ十万年以上前、狩猟採集時代のころから進化が起きていません。
どんな生活をしていたのか想像できるでしょうか。都市国家は当然、農耕文化が始まるよりはるか前のことです。
当時の暮らしには、危ないもの、未知なものがたくさんありました。たとえば、「食べるものがない」という食糧不足は日常茶飯事だったはずです。ライオンのような捕食者に狙われたり、自然災害に見舞われたり、他民族と戦うこともあったでしょう。
そういった危険なものから身を守る生活を経て、私たちの祖先は恐怖や不安のような「必要悪」を育ててきたわけです。
メンタルの自然な弱さというのは「防御反応として何かを警告している」 と考えてください。
わかりやすい例でいえば、目の前に野生のライオンがいるとしましょう。恐怖心というのは「その場を離れなさい」という警告です。 「怖くない」と言葉で強がることはできても、そういった理性とは無関係に「ここにいたくない」と、逃げだすことを動機づけてくるでしょう。
一度、ライオンに遭遇した人が「また出くわしたらどうしよう」と狩りに出かけることに不安を感じるのも自然な弱さです。
不安というのは「未来の危険に備えなさい」という防御反応。 安全なルートを確認したり、武器を用意したりとさまざまな準備をしなさいという警告です。気楽な古代人が「大丈夫、心配ない」と言っても備えないとソワソワ落ち着かなくなるでしょう。 「野生のライオンが怖いのはわかります。でも人の目が怖いとか不安だというのはおかしくないですか」と思うかもしれません。
大丈夫、それも自然な弱さのひとつです。 人間は集団生活に適応した動物。いいかえると単独で生きられるような強い動物ではありません。
古代社会で集団から追いだされたり、仲間外れにされることは死につながる危険な状態です。その前触れとして人から嫌われる、見下される、軽く見られるなどのリスクを遠ざけたくなるのも立派な防御反応です。
人間関係におけるストレスは仲間はずれにされるリスクからの回避行動なので、それを理解すればどうストレスを処理するかがわかることでしょう。メンタルが弱いと感じる人はそれが防御反応だと知ればやり過ごせる。
感情はあなたを守るため行動をどう気づけている
どんなに不快な感情でもかならずあなたの身を守るための意味があるとお伝えしてきました。肝心のその意味とは何なのでしょうか。
マイナスの感情や感覚というのは「ついそうしたくなる」、特定の行動を動機づけるための機能と考えてください。
たとえば 恐怖心はそこから「逃げる」という行動を動機づけますし、不安はそれに「準備する」という行動を動機づけます。クヨクヨや後悔は過去について「反省する」ことを動機づけますし、劣等感やくやしさは「優れる」ことを動機づけます。 「そんなことしたくない」と言葉で言うのは自由ですが、ついそうしたくなる、そうしないといられなくなる。つまりマイナスの感情というのは、危険や未知に対処するよう、行動を引きだすためにあるのです。
視覚障害によってメンタルがボロボロに傷ついた私は、ほぼ「精神的寝たきり状態」にありました。最低限の生活や仕事はしているものの、「やる気が起きない」から抜けだせず、 漠然と毎日を過ごしていたのです。
そんな私の目を覚ます事件が起きたのはある夏の雨の日のこと。
父から電話があり、姉が自死したことを聞いたのです。「は?」。突然すぎてまったく意味がわからない。
たしかに姉が、二人目の子を産んですぐ「産後うつ」と診断されたという話ぐらいは聞いていました。しかし、当時の私は精神障害というものにまるで無知で、「産後うつ? そんな病気あるのか?」と無頓着なことを言ってしまったのです。自分のことで頭がいっぱいな時期、姉を気遣うような余裕などなかったのでしょう。
いろんな感情が湧いてきました。悲しさ、さびしさはもちろんのこと、理不尽に対する怒りや 憤り、「ひどいことを言ってしまった」という罪悪感もありました。
不安や恐怖心などネガティブな感情はあなたを守ってくれます。本能で理不尽や罪悪感などのさまざまな感情を制御するためにこのような反応が。防御反応が激しくでると精神障害なども引き起こすことも。
メンタルが弱くて悩んでいる人に向けた自分制御の方法論。理不尽に対する対処法がわかれば人生で壁にぶつかった時に役に立つ。知っているだけで救われる情報が満載。
※この書籍はKindle Unlimited読み放題書籍です。月額980円で和書12万冊以上、洋書120万冊以上のKindle電子書籍が読み放題になるサービスが初回30日間無料となっております。PCの方はサイドバーのリンクより、スマホの方は下の方へスクロールしていただければリンクが貼ってありますので興味のある方はどうぞ。なお一部の書籍はキャンペーンなどで無料になっていて現在は有料となっている場合もありますのでその場合はあしからず。
【サブスク】 Kindle Unlimited
僕が利用している読書コミュニティサイト
【本が好き】https://www.honzuki.jp/
【シミルボン】https://shimirubon.jp/