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考える脳 偶然を幸福に変えるヒント150|茂木 健一郎|毎日考え抜いて生まれたひらめき

フォロワー50万人を引きつけた連続ツイート。そんな毎日考え抜いて生まれたひらめきを皆と共有。選び抜かれた秀逸な150作品掲載。

脳と占い

ぼくは10月20日生まれの「てんびん座」である。学生の時、雑誌『ぴあ』の星占いのコーナーを毎号見ていた。別に何の考えもなく、毎回、「おっ、当たっているじゃないか」などと思っていた。

ある時、ふと気付いて、他の星座の項も読んでみた。おとめ座を見ると、やっぱり当たっている。ふたご座も自分に当てはまる。おひつじ座もどんぴしゃりである。それで、やっと、ははあ、そういうことかと気付いた。

占いは、一つの芸術である。「あなたは酸素を呼吸しています」などという、明らかに誰にでもあてはまることを書けば、そんなことは当たり前だとバカにされる。一見、自分宛てに書かれたように見えて、実は誰にでもあてはまる文章を書くという絶妙なバランス。そこに「占い」の領域がある。 『ぴあ』の占いのコーナーを喜んで読んでいた頃、ぼくはもちろん因果性を理解していたし、経験科学の原理もわかっていた。それでも「占い」を読んで喜んでいるぼくがいたということは、人間が、いかに自分の中の整合性にこだわらない、いい加減な存在であるかを示している。

同時に、経験からして、「占い」は、それがあるメカニズムに基づいているかどうか、「当たる」か「当たらない」かということが本質ではないのだと思う。それは、いわば、脳の認識の回路に働きかける、「プラシーボ」のようなものなのだろう。

これは薬だと言って、砂糖のかたまりをあげると効く。この「プラシーボ効果」は、脳活動計測によって、脳の自己治癒能力が引き出されるものとわかっている。むろん、限界もある。しかし、限界の範囲内では効くのだ。占いの効用も、つまりはそのようなものだろう。

プラシーボ効果において、重要なのは文脈である。星座占いは、実はどの星座を読んでも同程度に「当たる」。しかし、自分の星座の項目が、まさに自分宛てに書かれたものであると信じることによって、何らかの作用が生の現場にもたらされるのだ。

たとえば、「今週は素敵な出会いがあります」と言われて、その気になれば、仕事や遊びで会う人、街で通りすがりの人に対する心の開かれ方が変わってくるかもしれない。もともと何の根拠もないものを、信じることで効果が生まれる。つまり占いは、「鰯の頭も信心から」である。

誰にでも当てはまりそうな差し障りのないポジティブな言葉を投げかけてくる占い。特に毎朝テレビでやっている占いなんかは視聴者も多いのでその色が強い。僕は占いとか非科学的なものは信じないタチだが、実際にその占いの導き出し方を考えれば統計学だったり心理学だったりするわけで、踊らされてみるのも良いかなと思うようになった。普段の自分では起こさない行動を起こすトリガーになりうるのが占いの良いところ。

「おまかせ」の文化

日本人にとってあまりにも当たり前なので、それが世界的に見るといかに驚くべき叡智か、気付かないことがたくさんある。料理屋、レストランでの「おまかせ」も、そのうちの一つであろう。

カウンターに座ったら、「とりあえずビール」と言って、あとは店の主人が適宜料理を出してくる。このような「おまかせ」の習慣は、日本において特に発達しており、世界に誇るべき文化である。

ミシュランが東京でガイドを出したとき、寿司のすきやばし次郎や、フランス料理のカンテサンスなど、おまかせの店が三つ星を受けた。カンテサンスは、「こちらが今日の料理です」と白紙を渡される「ホワイトメニュー」である。おまかせの文化が、世界に認められた瞬間だった。

西洋的な考え方で言えば、メニューを見て、自ら選ぶことを何よりも重視するのだろう。一方、おまかせには、すべてを店側にゆだねる、安心しきった心地よさがある。レストランに入って料理選択にあれこれと悩む認知的負担を免除してくれる。

おまかせには、「サプライズ効果」がある。メニューを見て自分が選ぶ場合、次に何が出てくるのか、あらかじめわかっている。一方、おまかせでは、料理が運ばれてきた瞬間に驚く喜びがあり、脳の報酬系を活性化させる。

次に何がくるかわかっていると興ざめなのは、プレゼンも同じことである。パワポのプリントアウトをあらかじめ配布すると、どのような流れで何を話すかが予見できてしまって、サプライズがなくなる。アップルのジョブズのプレゼンは、先を予想できないからこそ効果的である。

おまかせと言うのはたくさんのメニューの品があって味の想像がつかずあたふたしてしまう僕のような人間にはありがたい。お店を信じておまかせで料理を運んできてもらい、それが気に入らなければリピートしなければいいだけのこと。お店もそこは顧客獲得のため必死に日々研鑽を積んでいるわけでそこに信頼が乗っかって来るのだろう。

日々疑問に思ったことやひらめきをツイートという形で連続ツイートしていく。それをフォロワーがみて共感。そんなやりとりが書籍化する時代。

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