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無(最高の状態)|鈴木祐|不安、ストレス、怒り、孤独、虚無、自責から自らを解放する科学的メソッド!!

生まれながらに持つ判断力や共感力、好奇心といった能力を十分発揮できる状態を"最高の状態"とする。不安や思い込みから解放され、意思決定と他者への寛容さが上がり、ネガティブな気持ちが取り払われる。自然とポジティブな状態となり幸福度と判断力が高まる状態だ。

生後3ヵ月の乳児も生まれつきネガティブ

ネガティブの強さは、状況によってポジティブの3~ 20 倍の範囲で推移します。「出かける日に雨が降った」や「転んでケガをした」ぐらいの日常的な不幸なら、ネガティブの強度はポジティブのおよそ3倍。友人や恋人とのケンカのように対人関係がからむ問題なら、ネガティブの強度は5~6倍。虐待や事故といったトラウマ的な出来事の場合、ネガティブの強度は 20 倍以上まで跳ね上がります(2)。

さらにある実験では、三角形や四角形のシンプルなキャラが登場する数秒のアニメーションを乳児に見せたところ、興味深い反応が得られました。乳児たちは互いを助け合うキャラには約 13 秒も視線を送ったのに対し、他をいじめるキャラには不快そうな表情を浮かべ、6秒しか見つめなかったのです(3)。

生後3カ月の乳児ですら嫌なキャラを避けようとする事実は、人類にとってネガティビティバイアスが普遍的である事実を示しています。ネガティブな刺激により強く反応してしまうのは、決してあなたの性格が偏っているからではなく、すべての人類に備わった共通のシステムなのです。  さらに悪いことに、人類にはもうひとつ、「ポジティブな情報ほど長持ちしない」という心理も備わっています。社会心理学者のデビッド・マイヤーズは、人間の幸福感についてリサーチを重ね、こう結論づけました。 「情熱的な愛、精神的な昂り、新しい所有の喜び、成功の爽快感。すべての望ましい経験は、いずれもそのとき限りのものである。この点はいくら強調しても足りない」(4)

この現象を、心理学では「快楽の踏み車」と呼びます。ホイールの中を走るハムスターが決して前に進めないのと同じように、人間の喜びも同じ位置にとどまり続ける事実を表した言葉です。 「快楽の踏み車」の存在は何度も実証されており、特に有名なのは、1978年の研究でしょう(5)。

これは宝くじの当選者を調べた古典的な研究で、彼らの心理を調べたところ、大半の被験者は当選の直後にしか幸福度が上がらず、半年後にはほぼ全員が元の精神状態に戻っていました。数千万から数億円の賞金を手にしても、私たちの幸福は高止まりしないようです。  そこまでいかずとも、似たような経験は誰でもあるでしょう。また別の研究によれば、新しいアパートに引っ越したうれしさは平均3カ月で色褪せ、給料が上がった喜びも半年で消失、好きな相手と恋仲になった幸せも6カ月で薄らぎ、およそ3年でベースラインに戻ります(6)。

大金を手にしても、住む場所を変えても、愛する人と結ばれても、その喜びは常にうたかたです。

人間の設計上ネガティブがデフォルトの感情。生きていく上でポジティブは過信に繋がり物事の判断を狂わせる。そして全ての望ましい経験はいずれもその時限り。もし宝くじに当たったらと考えているうちが幸せで実際手にしてしまったら当選金があるのが当たり前になり、使い道によっては生活が派手になり上の世界を体験することで満たされないと感じるようになるだろう。それが幸せかどうか。

なぜピダハンは世界で最も幸福なのか?

世界で最も幸福な部族──。  言語学者のダニエル・エヴェレットは、ピダハン族のことをそう呼びました。  ピダハン族はアマゾンの熱帯雨林で暮らす狩猟採集民です。いまもジャングルの中で狩りや釣りを行い、原始時代に近いライフスタイルを維持しています。

彼らの存在が科学界で注目を集め始めたのは2008年のこと。エヴェレットがアマゾンの奥地で1977年から 30 年に及ぶフィールドワークを行い、その成果を1冊にまとめたのがきっかけでした(1)。エヴェレットの発見は多岐に渡り、言語の独自性や狩猟採集社会に特有の思考法など興味深いトピックに事欠きませんが、中でも特筆すべきはピダハン族の精神的な健康さです。

言うまでもなく、ピダハン族にはカウンセラーも心理学者もおらず、向精神薬を飲むこともできません。にもかかわらず、部族の中に自殺、不安障害、鬱病といったメンタルの問題はほぼ存在せず、怒りや落胆といった一般的なネガティブ感情すらほとんど見かけなかったというから驚きです。

エヴェレットは言います。 「先進国の暮らしはピダハン族よりずっと楽だ。それでも、私は普段の生活で気が狂いそうになることがたくさんあるのに、彼らにそのような兆候はない」 事実、ピダハン族の生活はプレッシャーに溢れています。毒を持つ爬虫類や虫に襲われ、治療手段のない伝染病に怯え、土地に侵入したよそ者から暴力を振るわれることも珍しくありません。そんな暮らしのなかでピダハン族は、いかにして先進国でも見られないレベルの幸福を手に入れているのでしょうか?

ピダハン族の謎を探る前に、おさらいしておきましょう。  4章で私たちは、脳内に埋め込まれた〝悪法〟が、人間を不適応な行動に導くメカニズムを見ました。すべての悩み、苦しみから解放されるためには、まずは頭の奥でうごめく〝悪法〟の正体を知るのが先決。時間はかかるものの、「自己をならう」トレーニングをくり返せば、必ず苦しみの源泉に近づけます。  ただし、本当に難しいのはここからです。いざ〝悪法〟の当たりをつけた後で、私たちは何をすれば良いのでしょう?

多くの人は、ここで次のような願望を抱くでしょう。  なんらかの心理テクニックで脳内の条文を消し去れないだろうか? または特定のメンタルトレーニングで〝悪法〟の内容を上書きできないものか?

足枷の存在に気づけば、すぐに外したくなるのは当たり前の話。〝悪法〟の副作用からすぐに抜け出し、新たな人生を歩みたくなるのが人情でしょう。

しかし本書では、これらの発想を避けて迂回ルートを選びます。 〝悪法〟に真正面から立ち向かうのではなく、合気道よろしく敵の攻撃をさばきながら、最後には相手を無力化に誘い込む。そんな、第三の道です。

違和感を覚えた人もいるかもしれません。癌細胞が見つかれば切除するものですし、暮らしを脅かす犯罪者は捕まえるのが当たり前です。私たちを苦しませる〝悪法〟も、同じように取り除いてしかるべきでしょう。

ところが残念ながら、精神機能においては、必ずしも同じ考え方が通用するとは限りません。私たちが抱く「苦しみ」は、抵抗すればするほど逆に威力を増す性質を持っているからです。

便利な世の中になり身の危険を感じるリスクのない世界に住む我々にとっては日常のプレッシャーが限られている。だからこそちょっとした不安や何かが障害となる。ストレスのない世の中で生きているからこそちょっとしたストレスでダメになる。

意図的に無になることでさまざまな障害を無力化。不安、怒り、孤独、虚無、自責から解放される科学的メソッド。

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