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問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術|安斎勇樹|チームの眠っているポテンシャルを最大限に発揮!!

成果を出すためには「問いかけ」の質を変えることが大事。長年の研究をもとにノウハウ化されたチームのポテンシャルを最大限引き出すための問いかけ実践書。

味方を生かすパス

サッカーやバスケットボール等のチームスポーツにたとえるならば、「良い問いかけ」とは、味方を活かす「良いパス」のようなものだといえます。

あなたがたとえどんなに優秀なプレイヤーであっても、一人でボールを占有し、個人技を繰り返すだけでは、チームとしての成長や勝利にはつながらないでしょう。

問いかけとは、「質問」を通して、相手に「ボール」を渡す行為です。ボールを受け取った相手は、そこで初めて自分の頭を使って、自分らしいプレイを試行錯誤することができるようになります。良いチームには、必ずパスの技術に優れた「司令塔」もしくは「縁の下の力持ち」のような存在がいて、味方の才能を引き出しているのです。

一口に「良いパス」といってもさまざまですが、忘れてはいけないパスの基本要件は、相手がきちんとパスを受け取れること。そして次にプレイにつなげられることです。すなわち、相手から「自分の意見」が返ってくることです。

何を当たり前のことを言っているのか、と思われるかもしれません。しかしこれが意外と難しいのです。「はじめに」で示した「お通夜ミーティング」のように、ファクトリー型の呪縛にとらわれたチームの多くは、気軽に意見を述べることすら困難になっています。日々の問いかけを「取りやすいパス」にすることで、相手の意見を引き出せるようにするだけでも、チームのパフォーマンスはだいぶ改善されます。

アシストがうまくいくと試合運びも楽に。得点を決めるストライカーも仲間のアシストなしの個人技だけでは相手にマークされ潰されてしまいます。良いパスを出せるプレイヤーも必要なのでそこを目指すのも一つの手かと。

何かを評価する発言

何かに評価が向けられた発言は、「こだわり」と「とらわれ」を見つける手がかりの宝庫です。アイデアの良し悪しに対する評価、不測のトラブルなど問題に対する評価、他者のパフォーマンスや姿勢に対する評価など、チームには日々さまざまな評価が飛び交っているはずです。

評価とは「良い」「悪い」だけでなく、「正しい」とか「美しい」とか、「ちょっと微妙だ」とか、ハッキリしたものから曖昧なものまで、さまざまなものを含みます。ポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、目の前の事象に何か評価を下すということは、背後に評価するための 観点 があり、その根底には何らかの 価値観 が働いています。

たとえば、初めて足を運んだレストランを評価するときに、主な評価対象とするのは味なのか、価格なのか、サービスや雰囲気なのか。あるいはそれらの組み合わせなのか。何に着目して評価をするのか。それが「観点」です。

そして、それらの観点に目を向けながら、どのようなことを大切にして、どのような基準で評価をするのか。たとえば「多少コスパが悪くても、非日常を味わえる雰囲気やサービスが提供されるべきだ」といった考え方が、「価値観」にあたります。

実際の評価は「あの店は良かった」「あのお店はイマイチだった」などと口に出されることが多くても、評価を支える「観点」や「価値観」は、可視化されているとは限りません。一角だけが水上に姿を見せている氷山にたとえるならば次のようなイメージです。

まずは、チームの「何かを評価する発言」の背後にどのような観点や価値観が働いているのかを推察するところから始めるとよいでしょう。

そうして見えてきた価値観のなかには、組織やチームが長年かけて培ってきた、大切にしていきたい「こだわり」もあれば、凝り固まった「とらわれ」もあるはずです。観察を通して常に「背後にどんな価値観があるのか」「それは守るべき価値観なのか」を自問自答するのです。

たとえ確証がなくても、具体的な「こだわり」もしくは「とらわれ」らしきものの仮説が見えてきたら、しめたものです。仮説を検証するために、思考の前提を確認したり、「こだわり」の背景を深掘りしたりする質問につなげてもよいでしょうし、積極的に「とらわれ」に揺さぶりをかける質問につなげてもよいでしょう。仮説としての見立てができれば、質問を組み立てるための大きな手がかりになります。

何かを評価する際、自分の視点が重要視され価値観も偏見が入ることも。背後にある価値観をそれは守るべき価値観なのか自問自答する。仮説としての見立てができれば良いパスにあたる質問を出すこともできるだろう。

チームをもうワンステップ前へ進めたいそんな時に役立つ問いかけの作法。コミュニケーションで個性を引き出すメソッドがここに。

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