51Blog

興味のあることや読んだ本の感想などを綴っていく雑記Blogです。

名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこととは?

      2017/11/06

なんと校内の一等地にやぎがいる。英語の授業で図画工作。おまけに、きのこを見つけたら成績が上がる!?時代が急速に変わりゆく中、恐ろしいほどのマイペースさで独特の教育哲学を守り続ける名門進学校がある。それが本書の舞台、私立武蔵中学高等学校だ。時に理解不能と評されることもある武蔵の教育が目指しているものとはいったい何なのか……。斬新な視点から数々の学校や塾を論じてきた気鋭の教育ジャーナリストが、塾歴社会「最後の秘境」で問いかける「学校とは何か?」「教育とは何か?」。"笑撃"の「学校ルポルタージュ」。

定期試験に関する噂

最後にもう一つ、真相を確かめなければいけない噂がある。亀岡さんが担当する中三の政経の授業では、定期試験の一週間前に暗記すべき事項をまとめたプリントが配られて、それさえ覚えておけば試験で点が取れるという噂だ。逆に言えば、授業で話したことのほとんどは試験に出ない。それは本当か?「日本の現状の政治制度がどうなっているかは知らなければいけない。でも授業の中では、それを知識として覚えることよりも、どういう理由でできたのか、史料や原典を見ながら学ぶことに重きを置きたい。ただし大学受験を意識しないわけにもいかないので、折衷案としてそうしたこともありましたね(笑)」本当なのだ。

穴埋め問題に反射的に回答できるぐらい暗記するのも意味がないことげはないが、そうした大学受験を意識した授業より、もっと人生とか世界そのものの多様さに気づくこと。世の中は面白いんだよということを伝えたかったからこのようなプリントが配られるようになったという。定期試験の負担が減る分、普段の授業を面白くより感度の高い授業にすることは他の学校も見習うべきだ。多くの学校の授業は、つまらないものが多い。僕なんかテスト勉強はしたが、普段の授業はつまらないのでほとんど寝ていました。試験範囲のプリントが配られる授業もありましたが、それさえ勉強しておけば点数が取れるというのは生徒にとってもありがたく、先生もより面白い授業になるよう舵を切れると思う。

英語圏以外への約二ヵ月間の国外研修

武蔵における究極の校外学習が「国外研修」である。第一の特徴は、行き先が主に韓国、中国、ドイツ、オーストリア、フランスで、英語圏ではないこと。第二外国語を上級まで履修四瀆に意欲的に取り組んだものの中から毎年約一五人が、各言語を母国語とする国や地域へ赴き、約二ヵ月間滞在する。費用は全て学校が負担する。第二の特徴は、時期。高二の終わりから高三のはじめにかけて、大学受験まであと一〇ヵ月という時期に、学年で特に優秀な一五人が、二ヵ月間も学校を離れるのである。進学校らしからぬ制度だ。提携する現地校に通い、そこの生徒宅にホームステイさせてもらう。あるいは学校の寮に滞在する。第三の特徴は、これも現地集合・現地解散であること。生徒たちは各自一人で渡航し、自力で初日の滞在先までたどり着かなければならない。滞在期間中、二週間は「個人旅行」に出る。その国を一人旅するのだ。当然旅程作成も交通機関や宿泊先の手配も自分で行う。

進学校で受験を控えた時期にこのようなイベントがあるのには驚きだ。しかし、特に優秀な一五人なので、受験に影響が出ることはないという名門校の自信の表れだろう。武蔵に入らなくても一般の家庭で同じような体験を夏休みの間に子供にさせることは可能だ。今はスマホ片手にすれば地図から翻訳機能まで持つことができるので、昔と比べればスムーズに外国滞在中の生活を送れるだろう。第二外国語を母国語とする地域というのも、よく考えられていると思う。

ディープな趣味の人も多い

「僕は小学校のころから城が好きで、小学校のころは結構変人扱いされていたんですよね(笑)。でも武蔵に来たらもっといくらでもディープな趣味の人がいて、僕は普通の人になることができました(笑)。おかげで自分のいい面を伸ばせたと思います」

スマホの普及でインターネット使用率は一気に上がり、現在ではどんなディープな趣味でも仲間を見つけられる世の中になって来ました。特に人口の多い首都圏では同じ趣味の仲間をリアルで見つけつことは簡単なくらい、人種のるつぼとなっています。東京で同じ趣味の人を見つけて踏み絵して、「世界変わった!」と思っていたら、地元に帰ると現実(自分がディープな趣味だということ)に引き戻されるといった現象も。

お前ら群れるな。自分で考えろ

武蔵三理想の中でも、僕がいちばんインスパイアされているのはやっぱり自調自考です。「お前ら群れるな。自分で考えろ」というのが私の理解です。「武蔵」と「群れるな」という二つのキーワードは、私の中ではセットです。

人は集団になった途端、無責任になる。一人一人で考えることは重要だと思う。そうはいっても大勢集まらなければできないこともある。そこのところが欠落してしまうと僕のような残念な人になってしまいますww

名門校の中に潜入してわかった東大合格だけが全てではない教育法。一風変わった人材が排出される仕組みがここにある。

 - Book , , ,