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人類の歴史とAIの未来|バイロン・リース

人工知能はシンギュラリティをむかえ暴走するのか?僕らの仕事の行方は?人工知能に関する議論は尽きることがないが、なぜポジティブな意見とネガティブな意見の両極端ばかり論じられるのか?

3つの大きな問い

私たちは、結局、何なのだろうか?これも選択問題だ。選択肢は3つ。機械、動物、人間だ。最初の選択肢、機械は最もシンプルでストレートな答えだ。私たちはただの部品の寄せ集めにすぎない。電源もあるし、排気系も持っている。自分自身を修理できるし、再プログラムして様々なタスクをこなすこともできる。こう考える人々は「機械」という言葉に軽蔑的な意味を込めていないことを強調する。私たちは「ただの」機械かもしれないが、地球上で最もすごい機械なのだ。宇宙一すごいかもしれない。基本的な構成は時計付きラジオと変わらないかもしれないが、私たちの体はもっとずっと素晴らしく、純粋に学術的な意味以外では比べること自体がばかげている。彼らは、私たちの体の中で起きるあらゆることは機械的だと考える。たしかにその通りだ。あなたの心臓を動かしているのは魔法でも奇跡でもない。私たちは自己持続型の化学反応の集合体だ。まだ完全には解明されていない脳にしても、その秘密は日々少しずつ暴かれていっている。人間の考えをある程度読みとれる画像装置も研究室では実現している。あなたと原子レベルで全く同一のコピーを作ったら、そのコピーは明日お弁当を持ってあなたの職場に出勤してくるだろう。そのコピーはあなたと全く同じように仕事してくれるので、あなたはこっそりオフィスを抜け出して釣りにでも行けばいい。いや、ひょっとするとコピーのほうが、あなたが出勤すると見越して休みをとり、釣りに行くかもしれない。この話を聞いて、哲学者デレク・パーフィットによる思考実験を思い出す人がいるかもしれない。きっとあなたも、似たようなことを考えたことがあるのではないか。テレポーテーション装置が実用化されている未来の話だ。その装置に入ると、あなたは痛みを感感じることなくバラバラに分解され、細胞一つひとつがスキャンされる。そのデータが火星に送られると、火星にある同じ装置が正反対のプロセスを実行し、細胞を一つひとつ組み上げて、あらゆる点であなたと全く同一の人間を完成させる。その人間は装置から出て、こう言うのだ。「なんだ、楽勝だな!」

人間は複製が可能か?という問いも人類にとって大きな意味を持つ問いだ。バイオテクノロジーが発展すれば、高度な人間の細胞を遺伝子の段階から制御して複製も可能になってくるだろうがそれは果たして必要な技術か?一部のエリート層にだけその権限が与えられたりしたらどうなるのだろうか?優秀な人間を複製すれば世の中は豊かになるのか?様々な疑問と倫理観が問われるこの問題。人はそれが完結した時、神にでもなるのだろうか。

ロボットは私たちからあらゆる仕事を奪うのか?

皆が知りたがっているのはずばり、自動化は、経済が創出する仕事よりも多くの仕事を消滅させるのか、それとも私たちはこれまで同様、完全雇用に近い水準でいられるのか、ということだ。この問いに関しては数えきれないほどの分析がなされ、膨大な数の意見が出されており、わりと単純な話のように思えるが、実はこれは悪夢のように複雑な話だ。だから、技術者、エコノミスト、未来学者にアンケートを取ると、この「単純な」問いに対する答えは毎回きれいにバラバラになる。なぜこれほどまでに意見が食い違うのだろう?技術によって奪われる仕事の数を、技術によって創出される仕事の数から引けばいいだけの話ではないか?原理的にはそうだが、その計算はまさに、言うは易く行うは難し、だ。仕事の数を計算することは非常に難しい。というのも、すべての仕事とそれぞれの仕事に必要なスキルが網羅されているリストのようなものがあるわけではないからだ。たとえあったとしても、リストの中身は常に変わっていく。次の 10 年で技術が何を可能にするか、私たちにはわからない。新しい技術にどのような規制や制限がかけられるのか、経済に何が起こるか、ビジネスがその技術にどれほど投資するか、最低賃金がどうなるか、新しい技術にはどれほどのコストがかかるか、どれほど優れた技術か、そしてひいてはその技術がどれくらいの仕事を創出するのか、どれ1つとしてわからない。AIにどんなブレークスルーが起きるだろうか?どんな新素材が発明されるだろうか?センサー技術はどれくらい進歩するだろうか? これらは氷山の一角に過ぎない。ロボットが人の仕事を置き換えることを社会がどれくらいすんなり受け容れるか、消費者のデマンドに変化が生じるか、賃金はどうなるか、どういった貿易協定が締結されるか、どの技術が裁判沙汰になるか。保険会社がロボットのことをどう取り扱うのか、銀行が果たしてロボットを買うためにローンを組ませてくれるのか、ロボットがどれくらい本当に人から自立した存在になれるのか。ロボットのコストが低下することで創出される仕事はどれくらいか、ロボット業界全体の雇用数がどれくらいになるのか、私たちの現在の見方では見えてこない仕事はどれくらい創出されるのか。どれもこれも、わからないことばかりだ。要するに、私たちの技術は、その意義を私たちが理解できるようになる前にどんどん進歩していっている。

ロボットが人の仕事を奪うには安価で生産されるロボットの量産体制が整わなければならない。ロボットが高級品である場合、仕事をロボットに変わってもらうにはコストがかかりすぎる。結局、大資本の企業などに導入されるものの、底辺ではその恩恵を享受することはなく不平等な世界が加速するのではないだろうか。

人類の歴史と未来のAIを比較して論じる。人工知能が脅威ではなく人々の希望になるような運用方法とはどんなものかを考えるきっかけとなる書籍。

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