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おしゃれ嫌い 私たちがユニクロを選ぶ本当の理由|米澤 泉

   

日本の国民服となったユニクロ。長く無視していたファッション誌も今ではユニクロの虜だ。ここまで普及した理由は、服は特別なもの、おしゃれは難しいという思い込みを解き、服で個性を競うことに疲れた人々の心を掴んだから。もう誰もが服に余計なお金も時間も使いたくない。ユニクロはその変化にいち早く気づき、「見た目」をよくするための服ではなく、「くらし」をよくするための服を提案し続けてきた。それは世界をも席巻している。これまで指摘されることのなかったユニクロのメッセージと消費の変化を気鋭の社会学者が鮮やかに読み解く。

ユニクロを選ぶ理由

私たちは、「安いから」という理由だけで、ユニクロを着るのではない。安い服ならば、他にも数多く存在する。その中で、なぜ、ユニクロだけが、「一人勝ち」なのか。なぜ、ユニクロだけが、「国民服」となり、「一億人のファッション」となりえたのか。もちろん、ユニクロのここまでの道のりは決して平坦ではなかった。一大ブームを巻き起こし、誰もが着るようになったものの、あまりにもポピュラーになりすぎたために、「ユニバレ」「ユニ被り」と否定的に語られることもあった。確かに着るけれども、着ていることを周りに知られたくない。 10 年前はまだユニクロを着ていることがバレるのを恐れる時代であった。しかし、現在は違う。すっかりデイリーブランドとして定着し、ファッション誌でも頻繁に特集されるようになった。ユニクロを着ることの意味は、ここ数年で肯定的に変化したのである。いつからこうなったのだろうか。いつからファッション誌は「ユニクロでよくない?」と言い始めたのか。なぜ、「ユニバレ」「ユニ被り」から一転して、積極的に「ユニクロ女子」を名乗るようになったのか。そもそもなぜ、ユニクロでよくなったのか。ユニクロが一番に選ばれる服になりえたのはなぜか。

確かに一時期のように「ユニバレ」「ユニ被り」と言う言葉を聞かなくなった。ユーチューブなどでもファッションユーチューバーがユニクロやGUの商品を紹介することも多くなった。そして登録者数を見ると一定の支持を得ているようだ。特にデザイナーとのコラボによるラインは人気が高く、新作が出るとこぞって特集を組んだりしている様子をよく見るように。本家のブランドよりリーズナブルな値段設定で買えるとあって、人気を博しています。

主張がないから「部品」になれる

ベーシックなデザイン、カラーバリエーション、他の追随を許さない機能性によって、「完成された部品」に徹しすぎたために起こってきた問題が、ファッション性の欠如であった。要するに、便利で快適で申し分ない服かもしれないが、デザイン的にこれといって特徴のない普通の服になりすぎてしまったのである。そこで、ユニクロが採った戦略が、世界的に有名なデザイナーとのコラボレーションであった。2006年の秋冬から、ユニクロは「デザイナーズ・インビテーション・プロジェクト」を立ち上げ、クリスチャン・ディオールでニットデザイナーとして活躍したアダム・ジョーンズとコラボレーションを行うなど、積極的にモードと手を組み始めたのである。2009年にはジル・サンダーとのコラボレーションブランドである「+J(プラスジェイ)」をスタートさせた。この戦略は功を奏し、近年ではクリストフ・ルメールの「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」やイネス・ド・ラ・フレサンジュが手掛ける「Uniqlo/INES DE LA FRESSANGE(ユニクロ×イネス・ド・ラ・フレサンジュ)」などが人気を博している。このように、ユニクロはさまざまな人気デザイナーとのコラボレーションを継続的に行うことで、ファッション性にも配慮するようになった。今までのプロジェクトを見る限り、成功しているのは、いずれもシンプルなデザインを特徴とするデザイナーとのコラボレーションである。「完成された部品」というユニクロの使命と融合しやすい作風のデザイナーであることが求められるのであろう。もちろん、他のユニクロ製品と比較するとコラボ製品は高価格であるが、本家ブランドに比べればかなりリーズナブルなこともあり、すぐに完売するものも少なくない。「完成された部品」でありながら、部品では終わらない。

昔のように全身ハイブランドというのをよしとしない風潮があるので、「部品」としてのユニクロが生きてくる。一点だけ取り入れたハイブランドを他をユニクロで済ますことによって一層魅力的に見せることが可能に。全身揃えるのと違いコストがカットできるので重宝しています。

ユニクロは高価なものをこぞって身につける見た目戦争に終止符を打ったブランドと言えるだろう。ベーシックでいいじゃないかという人々の心情をうまく読み取って成長した感がある。ファッション誌でも取り上げられるようになったユニクロ。広く浸透したのち、これからどう展開していくのだろう。

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