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行動設計を成功させるための「DESIGN」とは?

      2018/08/27

無意識のバイアスはいたるところに潜んでいる。男女格差を解消するための〈職場と学校のデザイン〉。

女性の社会進出は進んだが、男女の賃金格差などジェンダーによるギャップはまだまだ根強い。その大きな要因となっているのが私たちが無意識にいだく「バイアス」だ。ハーバードの女性行動経済学者が、私たちの意識や行動を決定づけるバイアスの存在を豊富な実験と研究データから明らかにし、エビデンスに基づく具体的な解決策を示す。男女が対等に競い合えるには?グーグルのママたちを助けたピープル・アナリティクスとは?有効かつ透明性の高い採用・人事評価のあり方とは?日本でも急ピッチで進められている「女性活躍推進」や「働き方改革」にも大いに役立つ注目の書。

カーテンの向こうのバイオリン

1970年代後半、アメリカの5大オーケストラでは女性演奏家の割合がわずかに5%にすぎなかった。しかし、いま一流オーケストラでは、演奏家の35%以上が女性だ。演奏の質も高い。この変化は、偶然の産物ではない。それは、「ブラインド・オーディション」が導入されて初めて実現した。演奏家の採用試験で審査員と演奏家の間をカーテンなどで隔てて、誰が演奏しているか審査員に見えないようにするやり方のことだ。

この「ブラインド・オーディション」により女性演奏家が二次オーディションに進む確率が1.5倍に上昇、採用される確率が飛躍的に増えたのだそう。女性に限らず、見た目で採用の合否を決める企業はいまだに多い。僕は履歴書に顔写真が必要なのはそのためだと勝手に理解している。モデルのように容姿をウリにする職業ならまだしも、会社を訪問するとこの会社明らかに顔採用しているなという会社がいくつもある。他の能力が一緒なら容姿が美しい方を採用するというのはわかる気がするが、書類選考の段階で容姿を判断基準の一つにするのはどうかと思う。

法律で「顔採用なし!」とか決めれば選考する側も経歴をしっかり見て決めるようになり、より平等な採用基準となることだろう。たった一枚のカーテンが男女差別を無くしたように、顔面偏差値で採用するようなことガン避ければ、企業の方もより優秀な人材を確保できるのではないかと思う。年齢、性別、容姿など仕事と関係なさそうな項目を採用基準にしていると、いつかその会社は危機に陥るだろう。

ジェンダーに対するステレオタイプが女性のリーダーの昇進を妨げている

ジェンダーに関するステレオタイプが女性のリーダーへの昇進を妨げている。最も高い地位を目指す女性は、とりわけバイアスの影響を受ける。いわゆる「ガラスの天井」が存在するのだ。新人レベルの職はともかく、トップレベルでの格差が解消される気配はまだない。

それでも組織においてトップになりたいなら、自ら男社会で奮闘するより、起業してしまったほうが楽だという考え方もある。自分がトップに立つ一番簡単な方法だ。しかし組織において役に立ってきたスキルがそのまま起業にいかせるとは限らないのが痛いところ。

大きな組織な企業をたずねると、歴代のリーダーたちの肖像が飾られていることがある。大抵みんな男性だ。そういった企業では女性がトップになれない「ガラスの天井」という古い慣習が残っていると考えたほうが良いかもしれない。

DESIGN

デザインの有効性を忘れないための合言葉として「DESIGN」という略語を紹介したい。これは、3つの言葉の略だ。

D=データ(date)

E=実験(experiment)

SIGN=標識(signpost)

有効な行動デザインの設計は、データを集めることから始まる。あなたの会社ではこの5年間、男女をそれぞれ何人採用し、何人昇進させ、どのような地位に就け、どのくらいの給料を支払っているのか?あなたの学校では、男女がそれぞれ読み書きの能力を伸ばしているのか、変わりがないのか、それとも能力が低下しているのか?ロビーや会議室に飾られている肖像のうち、男女はそれぞれ何人ずつか?こうしたことを知っておく必要がある。

データを収集したあとは、実験をおこなう必要がある。デザインがまったく存在しない環境はない。あなたは現状でも何らかのデザインの影響を受けており、その意味ではすでに実験に参加しているとも言える。単にそのことに自分で気づいておらず、比較グループを用いた実験の形が取られていないだけだ。しかし、実験を設計するときには、意識的に、そして責任感を持っておこなうことが求められる。倫理基準を守ることも忘れてはならない。大学の倫理委員会などの基準に従うべきだろう。

実験では、新しい「標識」の効果を試す。レストランの店頭に掲げる表示や、面接の手順、オフィスの壁に飾る肖像やポスターなど、人々に好ましい行動を促すための「標識」の有効性を実験するのだ。

働く人のための「DESIGN」という言葉。行動経済学でジェンダー格差を克服するために必要なことが提示されている。D=データ(date)E=実験(experiment)SIGN=標識(signpost)の3つで自らの行動設計を成功させよう。

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